利益はどこから生まれるのか?

こんにちは。北陸で中小企業経営のお手伝いをしている迅技術経営です。

今年は例年と比較して暖かく、雨や雷も少ない日々が続いていましたが、

いよいよ天気予報に雪マークが並ぶようになってきましたね。

 

冬タイヤへの交換はお済みでしょうか?

 

さて、本日は経営にまつわる数字についてお話いたします。

 

経営に携わっている方々は、毎日のように数字を気にされていると思います。

毎月の試算表、決算、税金、お給料など…

通常、数字は結果としてご覧になることが多いのではないでしょうか。

中には結果としてあらわれた数字を今後の経営にどのように役立てていくか、

将来への経営計画の策定に活用されている方も多いと思います。

 

今回は、決算書や試算表の数字をどのように分析すれば今後の経営に

役立てやすくなるか、というお話をさせていただきます。

 

通常の試算表や決算書では、

「営業利益=売上高-売上原価-販売管理費」

という記載方法になっています。

 

しかし、ここで「利益はどのように生まれるか」ということを考えてみたいと思います。

(例として製造業で考えたいと思います)

 

・利益を生むためには当然売上が必要

・売上を生むためには、製品を作らなければならない

・製品を作るためには、原材料を仕入れて、外注を活用したり資材などの消耗品も必要になる

・揃った材料や資材を工場の従業員が工場や各種の機械を使って加工して製品が完成する

・完成した製品は、事務所側の方々の働きによって納品・販売される

・当然、会社を維持していくためには各種の経費も払わなければならない

・より付加価値の高い製品を作るために、開発や教育訓練、広報も必要

 

お気づきかもしれませんが、この企業活動の流れは決算書の流れとは

必ずしも一致していません。

そして、利益がどのようにして生まれるかを理解するためには、

企業活動の流れに沿って考えたほうがより明確になる、かもしれません。

 

つまり、

利益=売上高(単価×数量)-変動費(※1)-固定費(※2)

※1変動費…作る量に比例する費用、主には材料費、外注費、消耗品費

※2固定費…作る量に比例しない費用、人件費、各種経費、利息、戦略費など

という形に、決算書を組み替える必要があります。

 

さらにここから利益を生み出す要素を考えていくと…

①単価の向上

②販売量の向上

③変動費(変動単価)の抑制

④固定費の抑制

という4パターンが見えてきます。

 

あとはこの4つをどのように変えていってより多くの利益を生み出すか…

を考えていけば、自ずと行動計画が見えてくるのではないでしょうか。

 

迅技術経営では、このような利益を生み出すコツをゲーム感覚で、

身体で感じていただくセミナー「戦略MGセミナー」を定期的に

開催しております。

次回の開催は12月15日(土)10時~17時ですが、まだ席に余裕がありますので

「利益を出すコツを掴みたい!」

「従業員にもモノとカネの流れを掴んでほしい!」

という方は、ぜひ以下のアドレスまでお問い合わせください。

support@g-keiei.com

(アットマークは半角に変換してお送りください)

管理職研修について

迅技術経営の西井克己です。

近年、管理職研修を受託することが多くなりました。

その要因は、外部要因としては、一時期と比べ企業が利益体質に変わってきたことや団塊の世代の方が引退しつつあり、中小企業においても管理職の交代が現実化したこと、弊社の内部要因としては、社会保険労務士の小松が一緒に研修助成金を申請できるようになったためです。

研修の具体的内容は、その企業によって当然にメニューが異なるのですが、基本スタイルは、同じになることが多いです。

すなわち、心構えと計数把握は基本メニューとして研修に入っていることがほとんどです。

基本メニューは

管理職や管理職候補者がチームとなって対話しながら形成する管理職としての心構え講座(育成と指導)

管理職や管理職候補者がマネジメントゲームを受講いただいた上で、講義する計数把握講座

となっております。

基本メニューのうち、育成と指導については、管理職や管理職候補者が目標を定め、一定期間経過した後にその結果を発表して、良かったこと悪かったことを共有するスタイルをとっております。このスタイルにしてからは、弊社が一方的な講義をするより受講生の納得感があり、次の行動にもつながる可能性が高まったと思っております。

マネジメントゲームは、最初は、決算書を見たこともないし、原価計算の方法もわからない方がほとんどなのですが、何度か繰り返すうちにどうすれば会社として利益体質になるのか感覚的にわかるため、基本メニューに加えております。

この基本メニューをつくってから感じていることは、どんな研修にせよ対象者全員が受講することで、その方たちの中で共通言語化ができることです。

これが管理職研修では重要で、管理職であれば、わが社の育成とはこのような定義である。この育成に向かって自分はこのような努力をしている。これを自分の言葉で答えることができる。実質的にはこんなことが企業文化の醸成につながると考えております。

基本メニューが浸透すれば、その土台の上に、

現場改善重視の場合は、QC7道具を使いこなす研修やなぜなぜ分析を学んでいただく研修を加える。

そんな研修メニューを提案・実施しております。

製造業であれば毎月1時間の時間を確保いただければ、実施できる研修構成(その代わり2年間は継続)となっております。

ご興味のある方は、弊社社員にお問合せいただくか

弊社の研修メニューをご覧いただけると幸いです。

http://www.g-keiei.com/seminar_management.html

 

社員満足度調査NO.1!徳島の西精工さんの見学に行ってきました!

【「人間尊重」が経営を強くする!日本でいちばん大切にしたい会社大賞・西精工視察レポート】

こんにちは!迅技術経営・中小企業診断士の高稲です。

 

先日、大阪の株式会社そだてるの小畑さんからお誘いいただき、弊社の小松社労士と共に徳島県の西精工株式会社の見学に行ってきました!

 

西精工では、大正12年の創業以来、四国・徳島県に生産拠点を構え、ナット等のファインパーツを製造していらっしゃいます。

西精工では、経営理念の浸透が徹底されており、全社員が毎朝暗唱し、社長と全社員との毎日のメール交換などによりコミュニケーションを深めるとともに、長時間の朝礼や、「ミッション・ステートメント」の策定等を通じて、相互理解の形成を図っています。

こうした取り組みが評価され、第1回「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」において「中小企業基盤整備機構四国支部長賞」を、第3回 「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」 において「中小企業庁長官賞」を受賞されました。

詳細は、株式会社ブロックスの「DO IT!」シリーズをご覧ください。

私が西精工さんの「人間尊重」のエッセンスとして受け取ったのは以下の3点です。

①相手の成長が最重要!アメとムチは両面で!

西精工さんでは、「社員の幸せや成長が最優先」という考え方です。

耳障りのいいことばかり言うのではなく、耳の痛いことも伝える文化だと感じました。

②細やかな情報共有文化

西精工さんでは、ノウハウや情報を共有する文化が根付いています。

絶えず成功事例や失敗事例を横展開している印象を受けました。

仕事の上で、特に人とのかかわり方の面で、やってよかったことや、失敗したな、と思ったことを、遠慮なく周囲に伝えられる関係が築かれています。

社員の方から、「変なことを言わないようにしよう…」といった「遠慮」は全く感じませんでした。

③相手に興味を持つ

全社員が、仕事の面(なぜ?どうやって?)だけでなく、プライベートを含め、相手そのものに興味を持っている。

相手を観察し、相手のことを理解しようという意識を持ちながら接している印象を受けました。

 

これら3つの文化が形成されてきた背景として、社長と全社員の相互理解が徹底されていることがあると感じます。

西精工は従業員数200名を超える企業ですが、従業員の顔と名前は当然、従業員の家族のことや境遇、健康状態、趣味・嗜好まで、社長が深く理解していたことに衝撃を覚えました。

 

経営哲学者・スティーブン・R・コヴィーは、自著「7つの習慣」で、成功するための習慣として以下を挙げています。

「第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される」

その有効性はしばしば以下のように説明されています。

 

「理解すること」がなぜ大きな力を持つのでしょうか。

それは、「理解する」という行動、考え方が、「第一の習慣」で紹介した「影響の輪」(自分がコントロールし、影響を与えることができる領域の活動)の中のことだからです。

コミュニケーションがうまくいかないと悩む要因のひとつは、「相手の気持ちへの不満」や「相手の気持ちが変わってくれない」ことへのストレスです。相手の気持ちは、自分の「影響の輪」の外のことです。自分がそこをコントロールすることはできません。結局、他人の考えや行動、環境、条件など、影響できないことに集中している限り、ほとんど何も解決することはできません。

しかし、相手を理解することはいつでも可能です。それはあなたがコントロールできる領域の事柄です。相手の真意を理解し、問題の核心を的確にとらえることができるようになります。そして、相手を理解すればするほど、相手を大切に思う気持ちが生まれ、貢献したい気持ちが強くなることでしょう。

出典:理解することこそ「インサイド・アウト」,Franklin Planner Japan Co.,Ltd, http://www.franklinplanner.co.jp/learning/selfstudy/ss-31.html

 

 

相手のこと、相手の人生のことを深く理解して関わること。

簡単なことではないですが、自分自身の在りたい姿を再確認いたしました。

 

話し出せばいくらでも話せそうなので、ご興味がある方は個別に聞いてください!

2社合同で戦略MGセミナーを開催いたしました

こんにちは。石川県で中小企業経営のお手伝いをしている迅技術経営の森でございます。

 

先週、白山市で2社合同の戦略MG(マネジメントゲーム)セミナーを開催いたしました。

いつもは戦略MGでも製造盤を使用することが多いのですが、2社ともに小売・サービスの要素が強いということで流通・小売盤を使用しました。

製造盤と流通・小売盤の大まかな特徴は以下のとおりです。

・製造盤…扱う製品は1つのみ、仕入れる市場と販売する市場の選択、自社の加工・販売能力が利益を確保する決め手になる

・流通・小売盤…扱う商品は3つ、商品ミックスで他社と差別化することが利益を確保する決め手になる

 

いつもどおり3期(3年分)体験していただき、2期目と3期目の間には利益を確保するコツをお伝えしたうえで、3期目に向けた経営計画を作成していただきました。

いつもは営業だったり管理だったり、数字とはあまり関係のない部門を担当されていらっしゃる方が多く、始めのうちはかなり手探り状態、利益も確保することができなかったのですが、利益が出る仕組みと計画の作成を通じて、「どのようなアクションが利益につながるか」を体感していただくことができたように感じます。

 

ありがたいことに、両社の社長様からこれからも継続的に戦略MGを活用していきたい旨の言葉をいただくことができました。

 

迅技術経営では、経営者や後継者、幹部(候補)の方を対象として、社内研修として戦略MGによる経営力の向上を支援しております。

もちろん1社のみではなく、今回のように複数の企業が合同で開催することも可能です。

カリキュラムの内容によっては助成金の対象となりますので、それも含めてお気軽にご相談ください。

 

また、戦略MG専用のFacebookページを作成いたしました。定期セミナーの開催日時や写真等をアップしておりますので、ぜひそちらも「いいね」をお願い致します。

事業を引き継いでいただくときにどんな会社にしていきたいですか?

迅技術経営の西井克己です。

近年、事業承継に携わらせていただくことが多くなってきました。

事業承継センターが立ち上がるなど、中小企業支援施策も、事業承継をテーマにしたものが多くなっています。

そのため、少しずつですが、中小企業の経営者にも経営課題として浸透しております。

事業承継の支援は、知識や経験も大事なのですが、その会社の経営者や後継者との人間関係が良好であることも大事であると感じています。

事業承継の支援のときには、経営者と後継者の思いを聞かせていただくことから始めております。どんな仕事もそうですが、事業承継の場合は、特にしっかりと思いをを聞かせていただくことに努めています。

お話を一通り伺った後、必ず私の方から後継者の方に質問する内容が、本記事のタイトルである「事業を引き継いでいただくときにどんな会社にしていきたいですか?」です。今から事業を引き継ごうという方にとっては、そんなことはまだ考えられないという方もいらっしゃいます。しかし、どこを目指して今後経営していくかこれを経営者となる前にきっちりと定めておくことはとても大事だと思っています。どんな経営をしたいですかと質問するよりも、自分が後継者に引き継ぐ立場になったときにどんな会社としたいかと質問する方がよりそれが具体化するように感じております。

これから事業を引き継ごうとされている方引き継いで間もない方は、「自分が後継者に引き継ぐ立場になったときにどんな会社としたいか」これを自問自答して、自分の考えを整理してみませんか?ひょっとしたらこれまでと違った発見があるかも知れません。

 

生産性の向上

こんにちは。石川県で中小企業経営のお手伝いをしている迅技術経営です。
本日は、巷で話題になっている生産性の向上についてお話をしたいと思います。

少し前の記事なりますが、信金中央金庫 地域・中小企業研究所から「地域・生活密着型中小サービス業の事例にみる生産性向上」というレポートが出されました。

このレポートの要旨は以下のとおりです。
~~~~~引用ここから~~~~
・経済社会の成熟化や少子高齢化、情報化などによるサービス産業へのニーズの多様化で、第三次産業の名目GDPに占める割合は2015年で76.6%にまで拡大、しかも、第三次産業の企業数で中小企業の占める割合は99.7%にも達している。ところが、その労働生産性は、第二次産業と格差が拡大、さらに、主要国との比較でも見劣りが目立つ。
 (中略)
・事例からは、他と差別化され高く評価され、顧客がファンとして選択しつづける価値創出の背景には、地域や人に対する感性と対応力、またそうした人材・組織の育成努力がある。
~~~~引用ここまで~~~~

このレポートの中では、地域や人に対する感性と対応力を磨くためには、
・経営者自身が思いを是が非でも実現させたいという強い意欲を持つ
・経営者個人だけでなく組織としてそのような思いを持つために、高いコミュニケーション力で社内での理念への理解・共感を得る
・議論や成功/失敗体験の共有、一人ひとりの考えを深めるための仕組みや仕掛けをつくり、粘り強く続けていく
・外部の経営資源を効果的に活用する
の4段階が必要であることが記載されています。

これはサービス業に限らず、全ての業種・全ての企業に当てはまることのように感じます。
従業員の中に経営者や企業の思いを体現しているような方がいる会社では言語/非言語いろいろな方法で互いの思いや経験を体感したり共有したりする場が設けられていることが多いです。
(意識的にやっている企業と無意識でできている企業がありますが)

とても時間がかかることですし、思ったような効果が出ないことが多いでしょうが、まずは経営者が思いを発信すること、そしてそれを浸透させる手段をあきらめずに継続していくことが結局最も近道なのだと思っています。

もちろん、なかなか社内の方だけでは場の創出などがうまくできない、という場合は、外部の専門家を積極的に活用していただくことをオススメいたします。
弊社でも、経営者と後継者、経営者と幹部といった方々の中に参加させていただくことがございます。
ご興味がございましたら、お気軽にお声がけください。毎週土曜日は無料相談日としておりますので、ご都合に応じて対応させていただきます。

また、お時間ございましたら弊社のホームページもご覧ください。