皆様、こんにちは。
迅技術経営・中小企業診断士の高稲です。
今回より、当社社員が持ち回りで経営に役立つ情報や経済・社会の動きの考察をアップしてまいります。
よろしくお願いいたします。
さて、本日お伝えしたい内容はこちらです。
<有効求人倍率は高水準でも、IT化で無くなる仕事も…>
厚生労働省が本日(5月30日)に発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.48倍となりました。前月の3月(1.45倍)から上昇し、1974年2月(1.53倍)以来、43年2カ月ぶりの高水準となりました。
地域別の有効求人倍率の上位は、第1位が福井県(2.06倍)、第2位が富山県(1.98倍)、第3位が岐阜県(1.90倍)、第4位が石川県(1.85倍)、第5位が香川県(1.79倍)と、北陸三県すべてが上位5位以内となっています。
(出典:厚生労働省,一般職業紹介状況・平成29年4月分,http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000165707.html)
全体の有効求人倍率が高止まりする中、有効求人倍率が依然低い職種がある(例えば事務職は0.40倍:求職100人に対し求人40件)ことに、私は強い問題意識を持っております。
一般的に、(産業全体としての)人手不足は、競争力維持のための技術革新や生産性の向上を生み出すと言われています。現に、長らく人手不足が続いている業界では、機械化・IT化が進んでいます。例えば、介護業界では、介護スタッフ用のパワードスーツや、要介護者とのコミュニケーションのためのロボット(ソフトバンクの「Pepper」など)などが活用されています。
一方、人手不足ではない職、例えば事務職は、既に機械やITにより代替され、仕事がなくなってきています。それでも、日本はまだ国際的には周回遅れであり、例えば米国ではシステム化の徹底によって、スケジュール管理や伝票整理といった仕事が激減したといわれています(出典:The Page,「日本でこれからなくなる仕事とは?/IT化進む米国では「事務職」急減か」, https://thepage.jp/detail/20131102-00000001-wordleaf)。
事務職の有効求人倍率が依然低いことは、職種を問わず今後のキャリアにおいて、「IT化の影響を受けにくいような仕事をする必要性」を示唆しています。機械にはできない、「人の心への働きかけ」や、「クリエイティビティ」を追求する、そんな人材育成が大切になってくるのではないでしょうか。
迅技術経営では、「機械に仕事を奪われない」ための人材育成支援や、「機械よりもデキるひとが定着する」ための人事評価制度構築支援を行っています。
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