迅技術経営の西井克己です。
今日は製造業における5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は、あらゆる活動の基礎と言われています。
今日はなぜ基礎と言われているのか自分なりの考えを述べたいと思います。
極端な話、1人だけの会社では5Sは必要ないと思っています。どんなに散らかっていてもその会社にとっては最適化されているのですから。
私自身は、全体最適化の視点を持った人材をいかに育成することがいい会社になるための1つの要素である。その全体最適化の視点の基礎となるのが5Sではないかという仮説を持っています。
5Sができていない工場は基礎ができていないのでなかなか活動が継続しない。
でも継続するのは結構難しい。
特に汚れているのが当たり前の職場は、今不自由がないのになぜ片づけなければならないのか?という不満が出ます。
これをもっと具体的に言うと今「私」が不自由ないのに・・・となります。
家に帰って親の立場になると子に「片づけなさい」といい、それでもいうことを聞かないと無理やりきれいにすると、子供から物がなくなった。片づけなければこんなことにならなかったと怒られる。当然に内心は片づけない子供が悪いと思っている。
片づけたほうがいいのはわかっているのだか当面「私」は不自由しないので現状のままでいい。これに共感できる方も多いかもしれません。
私自身も家ならば迷惑かけるのが家族の範囲なのでそれはそれで家族の中で納得しているのであればいいかもしれないと思っています。
しかし、会社になるとやはり違うという答えになります。
会社は、「私」は困らないという状況ではやはりなかなか前に進みません。
「私」から「私達:部署やチーム」そして「会社」へと最適化の範囲がどんどん広がっていくと、主語が「私」から「私達:部署やチーム」そして「会社」と変わっていきます。
私はわかるけどもし明日新人が来たら、どこに何があるかわからない。こんな状況がいいわけがないことはみんな分かっているのですが、自分のこととなると答えが違う。
私だけがわかってもダメなんですと西井が言うと、○○さんも△△さんもわかると20年以上のベテラン社員の名前を連呼する。
ベテラン社員が率先して、自分のことを考えずに全体最適化を考えている会社はとってもいい会社。
新入社員の時は5Sに反発してきたが、後輩が入り、5Sの効果が少しずつ分かるようになり、入社後20年経過するころには、自分だけよくてもダメという視点が備わっている。全員がそうなることは難しいですが、そんな人材が育つ土壌として5Sは有効なのでは?と思います。
将来幹部として全体最適化の視点を身に着けられる基礎としての5Sという位置づけで推進をしていけば、長期的な視点で継続できるかもしれません(継続するためには何のためにが必要です。)。
5Sは、そんな全体最適化の視点を持った人材を育成するための基礎となる。そう思って、これからも5Sを推進したいと思います。
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