― 社員に「届く」伝え方の工夫 ―
「本当は、とても頑張ってくれていると思っている」
こうした思いを持ちながらも、それをどう伝えればよいか悩んでいらっしゃる経営者も多いことかと思います。
期待をかけたい。でも、重荷にならないか。
褒めたい。でも、甘やかしにならないか。
人は「期待されている」と感じたときに力を出す
人は、「信頼されている」「任されている」と感じたとき、自分の可能性を信じて、一歩踏み出します。これはスキルや経験以前の、心のスイッチです。
経営者の中にある「この人ならできる」「次のステージに進んでほしい」
という思いも、言葉にして初めて、社員の力になります。
伝えなければ、無いのと同じ。期待は、伝えてこそ意味を持ちます。
褒めることは、評価ではなく「相手の存在を認めること」
褒めるというと、
成果を出したときの“評価”だと受け取られがちですが、
私が感じるのは、社員が本当に求めているのはそこではありません。
- 努力を見てくれている
- 工夫に気づいてくれている
- 自分の存在を認めてもらえている
こうした存在承認の言葉が、「また頑張ろう」という内側のエネルギーになります。
結果だけでなく、そこに至るプロセスや姿勢にも目を向ける。
それが、人を育てる褒め方です。
ただし、経営者の言葉は“強すぎる”ことがある
一方で、こんな声も耳にします。
- 社長に言われると、身構えてしまう
- 期待されるほど、プレッシャーに感じる
- 本音なのか、評価なのか分からない
経営者の言葉は影響力が大きい分、
時に社員にとっては“強すぎる”のです。
そんなときに有効なのが第三者を介した伝え方です。
第三者は、思いを“届く言葉”に変える存在
私が若いときから実践していることがあります。
それは私との会話の中で別の人を取引先が褒めてくれたとき、相手に「ありがとうございます」というのはもちろんですが褒めていただいたことを必ず本人に伝えるようにしていました。人は褒められると嬉しいし仕事にも前向きになります。仕事に前向きになるとその後の行動も変わります。
同じ内容でも、
- 取引先の人
- 管理職
- 客観的な立場の人
から伝わることで、評価ではなく“応援”として届きます。
第三者は、経営者の思いを、社員の心に届く形に翻訳する役割を担います。
期待と称賛が循環する組織は強い
期待され、認められ、自分の価値を実感できる。
そんな経験を重ねた社員は、
- 自ら考え
- 自ら動き
- 周囲にも良い影響を広げていく
ようになります。
経営者が一人で全員に直接伝え続けなくても、
管理職や社外の力を借りて、
言葉が循環する仕組みをつくることで、
組織全体の空気は確実に変わっていきます。
経営者の「期待」を、社員に届けるために
「本当は期待している」
「本当は感謝している」
その思いが伝わらないままなのは、組織にとって大きな損失です。
もし、
- 自分の言葉だけではうまく伝わらない
- もっと一人ひとりを活かしたい
そう感じておられるなら、ぜひ第三者を介して褒めるを実践して下さい。
国家資格キャリアコンサルタント 上島美和
