意見出しは「経験の浅い人」から

会議や研修の中で、参加者から自由にアイデアを出してもらう「ブレインストーミング」。
さまざまな考えを出し合い、新しいアイデアを生み出すための方法ですが、実際にやってみると、

「なかなか発言が出ない」
「いつも同じ人ばかりが話している」
「結局、上司の意見にまとまってしまう」

そんなことはないでしょうか。

ブレインストーミングを行うとき、私が大切だと考えていることの一つが、
経験の浅い人から順番に話すことです。

上司の一言は、思っている以上に影響力がある

例えば、5人で新しい企画について話し合っているとします。
最初に経験豊富な上司が、「私はA案がいいと思う」と話したとします。

その後で若手社員に、「自由に話してください」
と言っても、本当に自由に話せるでしょうか。

もちろん、「私はB案のほうがいいと思います」と言える人もいるでしょう。

しかし、
「上司がA案と言っているのに反対していいのかな」
「経験の浅い自分の考えなんて、的外れかもしれない」
「変なことを言って恥ずかしい思いをしたくない」
そう考えてしまう人も少なくありません。

上司にそのつもりがなくても、役職や経験年数そのものが、場に大きな影響を与えることがあります。
だからこそ、話す順番を工夫する必要があります。

経験の浅い人だからこそ話せることがある

もうひとつ、仕事の経験が長くなるほど、多くの知識やノウハウが蓄積されていきます。
それはもちろん大きな強みです。

一方で、経験があるからこそ、
「これまでもこうだったから」
「普通はこうするものだから」
「それは難しいだろう」
と、無意識のうちに選択肢を狭めてしまうこともあります。

反対に、経験の浅い人だからこそ、
「どうしてこのやり方なんですか?」
「こうしたほうが簡単ではないですか?」
「こんな方法もあるのでは?」
と、素朴な疑問や新しい視点を口にできることがあります。

そして時には、これまでの慣例に囚われない意見が、組織に新しい気づきをもたらすこともあります。

本人は、「こんなことを話していいのかな」と思っているかもしれません。
でも、その一言が、組織にとって大切な気づきになることがあります。
ブレインストーミングでは、正解を出すことよりも、まずたくさんの視点を言葉にすることが重要です。

だからこそ、経験や役職に関係なく話せる環境をつくる必要があります。

心理的安全性は「何でも話していいよ」だけではつくれない

最近は「心理的安全性」という言葉を耳にする機会も増えました。
心理的安全性というと、「何でも自由に話せる職場」
というイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、「遠慮せず何でも話してください」
と伝えるだけで、本当に話せるようになるでしょうか。

私は、心理的安全性は言葉だけではなく、場のつくり方によって生まれるものだと思っています。

例えば、
経験の浅い人から順番に話す。
途中で否定しない。
話した内容をすぐに評価しない。
「それは違う」と結論を急がない。
一人ひとりが最後まで話せるようにする。

こうした小さな工夫の積み重ねが、
「ここでは自分の考えを話しても大丈夫なんだ」
という感覚につながっていきます。

話す機会が人を育てる

若手社員が自分の考えを言葉にして話すことには、もう一つ意味があります。
それは、自分で考える習慣をつくることです。
いつも上司が答えを出して、「これをやって」
と指示しているだけでは、社員はなかなか自分で考えるようにはなりません。

一方で、
「自分ならどうするだろう」
「ほかにどんな方法があるだろう」
と考え、それを自分の言葉で話す機会が増えることで、少しずつ自分なりの考えを持てるようになります。

もちろん、最初から素晴らしい答えが出るとは限りません。
でも、それでいいのです。
考えて、話して、他の人の話を聞き、また考える。
その経験そのものが、人を育てていきます。

発言の順番を変えるだけでも、組織は変わる

心理的安全性を高めよう。
意見の出る組織にしよう。
そう考えると、大きな制度や仕組みが必要に思えるかもしれません。

でも、まずできることは意外と小さなことです。
次の会議で、「今日は経験の浅い人から順番に話してみよう」
それだけでもいいのではないでしょうか。

上司が最初に答えを言わない。
経験の浅い社員から、自分の考えを話してもらう。
そして、周りは途中で否定せず、まず最後まで聞く。

その積み重ねが、「自分の考えを話してもいい組織」をつくっていきます。

ブレインストーミングで大切なのは、たくさんのアイデアを出すことだけではありません。
誰もが安心して自分の考えを言葉にできる場をつくること。

そして、そのためには、経験の浅い人から順番に話す。
そんな小さな工夫から始めてみてはいかがでしょうか。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

「現場が忙しくて研修に出せない」は、本当でしょうか?

キャリアを考える機会を、もっと身近に

「キャリアについて考えたことはありますか?」
そう聞かれても、
「特に困っていないし、考えたことがない」
「今の仕事を続けていけばいいと思っている」
「まだ20代、30代だし、将来のことはそのうち考えればいい」
そんな方も多いのではないでしょうか。

私は、むしろそんな方にこそ、一度キャリアについて考える機会を持ってほしいと思っています。

何かに悩んでから考えるのではなく、まだ選択肢がたくさんあるうちに考える。
転職したくなってからでも、今の仕事を続けられなくなってからでもなく、
「今は特に困っていない」時だからこそ、自分のこれからを考えてみる。
それが大切だと思っています。

私がキャリアストームに懸けている想いは、とてもシンプルです。
「キャリアを考える機会を、もっと身近なものにしたい」
ということです。

キャリアは「仕事」だけではない

「キャリア」と聞くと、
昇進すること
資格を取ること
転職すること
年収を上げること
そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。

もちろん、それらもキャリアの一部です。
でも、私はキャリアをもっと広く捉えています。

どんな仕事をするのか
どんな働き方をするのか
管理職を目指すのか
専門職として力を磨いていくのか
一般社員として現場の第一線で働き続けるのか

そして、それだけではありません。

結婚するのか、しないのか
子どもを持つのか、持たないのか、何人持つのか
どこで暮らしたいのか
家族との時間をどのくらい持ちたいのか
仕事にどのくらいの時間やエネルギーを使いたいのか
思い描く生活にどのくらいの収入が必要なのか
何を学び、何に挑戦していきたいのか

こうした人生の選択も、すべてキャリアにつながっています。
だからキャリアについて考えるというのは、「次にどんな仕事をするか」だけを考えることではありません。

自分はこれから、どんな人生を送りたいのか。
その暮らしを実現するために、仕事をどう位置づけていくのか。
そこまで考えることだと思っています。

「普通」は、本当に自分が選んだものだろうか

「もっと早く考えておけばよかった」
「気づいた時には、簡単には動けなくなっていた」
そんな声を聞くことがあります。

一つの会社で長く働くのが普通
結婚するのが普通
子どもを持つのが普通
女性は家庭を優先するのが普通
男性は仕事を優先するのが普通
年齢を重ねたら管理職を目指すのが普通

これまでの社会には、たくさんの「普通」がありました。
もちろん、その生き方を自分で選び、幸せだと感じているのであれば、それでいいと思います。

私から見れば窮屈そうに見える選択でも、ご本人にとっては大切に選んできた人生かもしれません。
私自身も、自分の価値観というフィルターを通して人を見ています。
だから、どんな生き方が正しくて、どんな生き方が間違っている、と言いたいわけではありません。

ただ、一つ思うことがあります。
その「普通」は、本当に自分が選んだものなのだろうか。


「みんなそうしているから」
「親にそう言われたから」
「この地域ではそれが当たり前だから」

そうやって周囲の価値観を自分の価値観だと思い込み、気づかないうちに人生の選択肢を狭めてしまうことがあります。

私が怖いのは、選択肢が少なくなることそのものではありません。
自分で選んだつもりがないまま、気づけば選べる道が少なくなっていることです。

5年後、どんな「毎日」を送っていたいですか

キャリアについて考えるとき、
「5年後、どんな仕事をしていたいですか?」
と聞かれることがあります。

もちろん、それも大切な問いです。
でも私は、もう少し広く、
「5年後、どんな毎日を送っていたいですか?」
と考えてみてほしいと思っています。

朝は何時に起きていますか
どこで、誰と暮らしていますか
どんな仕事をしていますか
何時頃に仕事を終えていますか
休日はどんなふうに過ごしていますか
家族との時間はありますか
自分のために使える時間はありますか

そして、もう一つ考えてほしいのが、お金のことです。

自分一人で生活していくなら、どのくらいの収入が必要なのか。
結婚した場合、家庭全体としてどのくらいの収入が必要なのか。
子どもを持つとしたら、教育費や生活費はどう変わるのか。
夫婦のどちらか一方の収入に大きく依存するのか。
二人とも働き続けるのか。
働く時間を減らす時期があるとすれば、その期間を家庭としてどう支えるのか。

キャリアを考える時、つい「自分はいくら稼ぎたいか」と考えがちです。

でも本当は、
「どんな暮らしをしたくて、その暮らしには家庭としてどのくらいの収入が必要なのか」
まで考えることが大切だと思っています。
今は働きやすさを優先していても、5年後、10年後には必要な収入が増えているかもしれません。
反対に、収入を最優先にしてきたけれど、家族との時間や自分の時間をもっと大切にしたいと思う時期が来るかもしれません。

だからこそ、
どんな暮らしをしたいのか。
その暮らしにはどのくらいのお金が必要なのか。
そのためにはどんな働き方が必要なのか。
その働き方を選べるようにするために、今何を身につけておけばいいのか。
そこまでつなげて考えてみてほしいのです。

何も選ばなくても、時間は進んでいく

もちろん、20代や30代ですべてを決める必要はありません。
人生は計画通りに進むことばかりではありません。
結婚も、子どもを持つことも、仕事も、自分一人の意思だけですべて決められるわけではありません。

でも、だからといって考える意味がないわけではありません。

大切なのは、
「自分はどうしたいのか」を、自分自身が知っていること。
何も決めなくても、時間は進んでいきます。

今の会社に居続けることも一つの選択
学ばないことも一つの選択
挑戦しないことも一つの選択
「まだ考えなくてもいい」と先送りすることも、一つの選択です。
その積み重ねの先に、5年後、10年後の自分があります。

手持ちのカードが多いうちに考えてほしい

私は、キャリアの選択肢を「手持ちのカード」に例えることがあります。
若いうちは、比較的たくさんのカードを持っています。

転職する
勉強する
資格を取る
新しい仕事に挑戦する
住む場所を変える
一時的に収入が下がっても、挑戦出来る新しい道へ進んでみる

そして、
収入を上げられる力を身につけること。
働き続けられる力を身につけること。
これも、将来の自分が使える大切なカードだと思っています。

もちろん、置かれている環境は人それぞれですし、何歳からでも新しい挑戦はできます。
ただ、年齢を重ねたり生活環境が変わったりすると、意思決定をするときに考えなければならない条件が増えていくこともあります。

家族
住宅ローン
老親のこと
子どもの教育費
家庭として必要な収入

責任が増えることは、決して悪いことではありません。
でも、それによって「以前なら選べたカード」が選びにくくなることはあります。

だから私は、手持ちのカードが減ってから初めて考えるのではなく、カードがたくさんあるうちに一度考えてほしいと思っています。

すぐに転職する必要もありません。
何か大きな決断をする必要もありません。
今の会社で働き続けるという結論でもいいのです。

ただ、「何となくここにいる」のではなく、
「私は考えたうえで、今ここにいる」
と言えることは、とても大切だと思っています。

キャリアストームで、まだ経験していない未来を考える

そのきっかけとして、私はキャリアストームをお勧めしています。
キャリアストームでは、ゲームの中で時間が進み、さまざまな出来事に直面します。

仕事、収入、学び、家族、時間、
その都度自分で考え、意思決定していきます。

専門職として専門性を高める道を選ぶのか。
管理職として組織をまとめる道を選ぶのか。
一般社員として現場の第一線で活躍し続けるのか。
仕事をセーブし、子どもと向き合うのか。

そして、仕事だけではなく、自分の人生をどう組み立てていくのかも考えていきます。
ゲームだからこそ、まだ経験していない未来を疑似体験できます。

その中で、
「自分は思っていた以上に金銭的安定を大切にしている」
「お金より時間を優先したいのかもしれない」
「家庭を持つことを考えるなら、収入についても考えておきたい」
「若いうちから学んでおいた方がいいかもしれない」
そんな、自分でも気づいていなかった価値観が見えてくることがあります。

キャリアストームは、未来の正解を教えてくれるゲームではありません。
自分の価値観に気づき、自分の未来を考えるゲームです。

だから、個人でも参加しやすくしたい

キャリアについて考える機会は、会社から与えられるものだけではないと思っています。
もちろん会社が用意してくれるのは有難いですが
会社が研修を用意してくれるのを待つだけではなく、
自分の人生について考える機会を、自分で選ぶ。
そんな文化がもっと広がってほしいと思っています。

だから金沢の迅技術経営で開催するキャリアストームは、個人の方にも参加していただきやすいよう、8,800円(税込)という価格にしています。

拘束時間も半日です。
丸一日の研修ではありません。

「転職を考えるほど悩んでいるわけではない」
「今の仕事に大きな不満もない」
「将来のことを深刻に悩んでいるわけでもない」

でも、
「一度くらい、自分のこれからを考えてみようかな」
そんな気持ちで参加していただける場にしたい。

キャリアについて考えることへのハードルを、できるだけ低くしたい。
それが、この価格と時間設定に込めた想いです。

悩んでからではなく、悩む前に

私は、キャリアストームを「人生に迷っている人のためだけの研修」にはしたくありません。

むしろ、
今の仕事に大きな不満はない。
毎日普通に働いている。
将来について特に困っていることもない。
そんな20代、30代の方にこそ体験してほしいと思っています。

問題が起きてから考えるのではなく、何も起きていない時に考える。
選択を迫られてから考えるのではなく、選択肢がたくさんある時に考える。

その経験が、いつか人生の大きな意思決定をするときに、自分を助けてくれると思うからです。

人生の経営者は、自分自身

私は、「人生の経営者は自分自身」という言葉を大切にしています。

会社が、自分の人生を最後まで決めてくれるわけではありません。
家族も、上司も、周囲の人も、代わりに自分の人生を生きてくれるわけではありません。

仕事、結婚、子ども、暮らし、時間、収入、学び

何を大切にして、どんな人生を選んでいくのか。
すべてを思い通りにできるわけではありません。

それでも、自分の人生について考え、できる範囲で自分自身が意思決定していくことはできます。

転職を考えていなくてもいい。
明確な夢がなくてもいい。
今の生活に不満がなくてもいい。

20代、30代のどこかで一度、
「私はこれから、どう生きて、どう働いていきたいのだろう」
と考えてみてほしい。

そして、
「その暮らしを実現するために、私はどんな力を身につけておきたいのだろう」
と、もう一歩先まで考えてみてほしい。

手持ちのカードがまだたくさんある今だからこそ、できる準備があります。

キャリアについて考えることを、何か問題が起きた時だけの特別なものではなく、もっと身近なものへ。

それが私の願いです。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

迅技術経営(金沢本社)開催のキャリアストームお申込み

その価値観、本当にあなたのもの?

子育てをしていると、たくさんの「こうしたほうがいい」に出会います。


「子どもが3歳になるまでは、お母さんがそばにいたほうがいい」
「いや、1歳になったら働いたほうがいい」
「早く保育園に入れたほうが、協調性が身につく」
「学童に預けるなんて、かわいそう」

子どもが成長しても、それは終わりません。

「仕事をしてもいいけれど、女性なんだから家事や育児を優先すべき」
「女性はサポート業務のほうが向いている」
「女性は公の場で発言を慎むべき」
「リーダーは男性のほうが向いている」

こうした言葉を、親や配偶者、友人、職場の人などから聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

でも、一度考えてみてほしいのです。

今あなたがこうしたほうがいいと思っているその価値観、本当にあなた自身のものでしょうか?

「そういうものだ」と思い込んでいないか

人は、周囲から何度も同じことを言われていると、それをいつの間にか「当たり前」だと思うようになります。

「母親ならこうするもの」
「女性ならこうするもの」
「子どものためにはこうするもの」

そして、本当は自分がどうしたいのかを考える前に、「そうしなければならない」と思ってしまうことがあります。

もちろん、子どもが小さいうちは仕事をせず、そばで成長を見守るという選択も素敵です。
早い時期から仕事に復帰するという選択も素敵です。
学童を利用することも、仕事をセーブすることも、管理職を目指すことも、サポート役として力を発揮することも、その人自身が納得して選んだのであれば、どれも一つの生き方です。

大切なのは、「何を選ぶか」以上に「誰が決めたのか」ではないでしょうか。

外野は、あなたの人生に責任を取ってくれない

周りの人はいろいろなことを言います。

「子どもがかわいそう」
「もっと働いたほうがいい」
「そんなに仕事を頑張らなくてもいい」
「せっかく働くなら正社員になったほうがいい」
「女性がそこまで前に出なくても」

けれど、その選択によって生まれる結果を引き受けるのは、周りの人ではなくあなたです。

外野は、あなたの人生に責任を取ってくれないのです。

だからこそ、自分で考え、自分で意思決定することが大切です。
周囲の意見を聞いてはいけない、ということではありません。

いろいろな人の考えを聞き、情報を集めることは必要です。

ただ、最後に決めるのは自分。

「みんながそう言うから」ではなく、

「私はどうしたいのか」
「私は何を大切にしたいのか」
「5年後、10年後、どんな自分でいたいのか」

そこまで考えたうえで、自分なりの答えを出す。
そして、一度決めた選択も、環境が変われば変えていいのだと思います。

自分の人生は、自分で選ぶ

私たちは、自分でも気づかないうちに、親の価値観、世間の常識、職場の文化、SNSで目にする「正解」に影響されています。

だから、ときどき立ち止まって問いかけてみる。
「それ、本当に私が大切にしたいこと?」

子育ても、仕事も、キャリアも誰かが決めた正解に、自分の人生を合わせる必要はありません。

自分で考えて、自分で選んで、その選択を自分の中で正解にしていく。
人生の経営者は、自分自身です。

だからこそ、大切な意思決定を誰かに委ねず、自分の人生のハンドルは、自分で握っていたいですね。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

中小企業の採用、どうする?

〜大企業と同じ土俵に乗らない採用を〜

採用活動をしていると、

「うちは給与が高くないから応募が来ない」
「年間休日も大企業にはかなわない」
「福利厚生も充実しているとは言えない」

そんな声を聞くことがあります。

確かに、給与や福利厚生、休日数、会社の知名度といった条件だけを並べれば、中小企業が大企業と真正面から勝負するのは簡単ではありません。

では、中小企業は何で勝負するのか。

私は、その一つが「人」だと思っています。

採用に関わった人と、一緒に働く

大企業の場合、採用担当者と入社後に一緒に働く人が違うことも珍しくありません。
一方、中小企業ではどうでしょうか。

会社説明をしてくれた人。
面接をしてくれた経営者。
職場見学で案内してくれた社員。

その人たちと、入社後も一緒に働く可能性が高いのが中小企業です。

つまり求職者にとって、採用活動の段階ですでに、
「この人たちと毎日働きたいと思えるか」
を感じることができます。

これは、中小企業だからこそ持てる大きな強みではないでしょうか。

「誰と働くか」は、条件と同じくらい大切

仕事は、一日の多くの時間を使うものです。
だからこそ、給与や休日だけではなく、
「どんな人と働くのか」
「困ったときに相談できる人がいるのか」
「自分の成長を応援してくれる人がいるのか」
「経営者は社員をどのように見ているのか」
こうしたことも、会社を選ぶうえで大切な判断材料になります。

特に中小企業では、人と人との距離が近いからこそ、その会社の雰囲気や価値観が働きやすさに直結します。

だから私は、採用活動では会社の良いところを説明するだけではなく、そこで働いている人そのものを見てもらうことが大切だと考えています。

採用担当者だけに任せない

そう考えると、採用を「採用担当者の仕事」にしてしまうのは、もったいない。

経営者が自分の言葉で会社の未来を語る。
若手社員が入社後の経験を話す。
子育て中の社員が実際の働き方を伝える。
先輩社員が仕事の面白さだけでなく、大変さも話す。

いろいろな社員が採用に関わることで、求職者は「この会社で働く自分」をイメージしやすくなります。

そして何より、
「面接のときに話してくれたあの人と、一緒に働ける」
という安心感にもつながります。

会社の規模や知名度ではなく、
「この社長のもとで働いてみたい」
「この先輩と一緒に仕事をしてみたい」
「この人たちの中なら、自分も成長できそう」
そう思ってもらえれば、それは中小企業にとって大きな採用力になります。

全員に選ばれる必要はない

中小企業は大企業のように多くの応募者を集める必要はありません。

自社の考え方に共感し、一緒に働きたいと思ってくれる人と出会えればいい。

だからこそ、
「私たちはこんな会社です」
「こんな人たちが働いています」
「こんなことを大切にしています」
ということを、飾りすぎずに発信していくことが大切です。

ブログやInstagram、動画、会社見学などを通して、働いている人の顔や言葉を見せていく。

それを見て、
「ここは自分には合わない」
と思う人がいることも、決して悪いことではありません。
お互いに納得して選ぶことが、入社後のミスマッチを減らすことにもつながります。

中小企業は「人」で勝負できる

給与を上げることも、休日を増やすことも、福利厚生を整えることも大切です。
しかし、大企業と同じ条件をそろえなければ採用できないわけではありません。

中小企業には、
採用のときに出会った人と、そのまま一緒に働ける。
という強みがあります。

どんな人が働いているのか。
どんな考え方を持っているのか。
どんな雰囲気の中で仕事をしているのか。

それを採用活動の中でしっかり見せていく。

条件で勝負するのではなく、「この人たちと働きたい」と思ってもらう。
それも、中小企業だからこそできる採用の形ではないでしょうか。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

決断の早さが成長を変える

私たちは日々、さまざまな場面で決断をしています。

「もう少し考えてからにしよう。」

研修に参加するか。
新しい仕事に挑戦するか。
資格取得にチャレンジするか。
部下に仕事を任せるか。
転職や就職に向けて応募するか。

どれも人生や仕事に影響を与える決断です。

もちろん、大きな決断ほど慎重になるのは当然です。しかし、私が多くの方と関わる中で感じるのは、成長する人ほど決断が早いということです。

ここでいう「早い」とは、何も考えず勢いで決めることではありません。
必要な情報を集めたら、「まずやってみよう」と決断し、一歩踏み出すことができる人です。

反対に、なかなか成長の機会をつかめない人は、「もっと準備ができてから」「失敗しない方法が分かってから」と考え続けてしまいます。

でも、本当に人を成長させるのは、考えた時間ではなく、行動した回数です。

実際にやってみるからこそ、
「思ったより難しかった。」
「意外とできた。」
「次はこうしてみよう。」
という気づきが生まれます。

つまり、成長とは
決断 → 行動 → 振り返り → 改善
このサイクルをどれだけ多く回せるかで決まります。

決断が早い人ほど、このサイクルを何度も経験します。
だから、経験値が積み重なり、成長するスピードも速くなるのです。

私自身も、専業主婦を経て再就職を考えたとき、「人の成長に関わる仕事がしたい」という思いを大切に、一歩踏み出しました。

キャリアコンサルタントの資格取得も「自信がついてから始めよう」と待っていたわけではありません。
挑戦することを決断し、その都度学びながら進んできた結果が、今の私につながっています。

採用のお手伝いをしている中でも、同じことを感じます。
求人を見て興味を持ったにもかかわらず、
「自分にはまだ早いかもしれない。」
「経験が足りないから応募できない。」
「もっと条件の良い会社があるかもしれない。」
そんなふうに迷っているうちに、募集が終了してしまうことがあります。

実は、多くの企業は「完璧な人材」を探しているわけではありません。

「この人と一緒に成長していきたい。」
そう思える人との出会いを求めています。

だからこそ、少しでも興味を持ったのであれば、まずは会社を知ること、話を聞いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

応募することは、入社を決めることではありません。
まずは一歩踏み出し、自分の可能性を広げるための行動です。

迅技術経営でも、正式なエントリーをする前に社員と話をする機会を設けています。
「この会社で働くイメージが持てるか。」
「自分が目指していることが出来る環境なのか。」
そんなことを確認した上で応募を決めていただければと思っています。

応募するか迷っている時間よりも、まず話を聞いてみる。
その小さな決断が、自分の未来を大きく変えるきっかけになるかもしれません。

決断とは、正解を選ぶことではありません。
選んだ道を、自分の行動で正解にしていくことです。
完璧なタイミングを待っていても、その日はなかなか訪れません。

だからこそ、小さな決断を積み重ねてみてください。

その一歩が次の挑戦につながり、成長のスピードを加速させてくれるはずです。
人生の経営者は、自分自身。
今日の決断が、10年後、20年後のあなたをつくります。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

「現場が忙しくて研修に出せない」は、本当でしょうか?

「現場が忙しくて社員を研修に出す余裕がない。」
経営者の方とお話をしていると、この言葉を耳にする機会が少なくありません。
確かに、人手不足の中で一人が現場を離れることへの不安は大きいものです。
特にリーダー候補となれば、「あの人がいないと現場が回らない」と感じるのも無理はありません。

しかし、私はいつも思います。
最初から余裕のある会社など存在しません。

「余裕ができたら研修に出そう。」
そう考えているうちは、その余裕はなかなか生まれないのです。


忙しさの原因は、「育成できていないこと」かもしれない

現場が忙しい理由はさまざまです。
仕事量が多い、人手が足りない、受注が増えている…。
もちろん、それらも大きな要因です。
しかし、その忙しさをさらに大きくしている原因の一つが、 「任せられる人が育っていないこと」 ではないでしょうか。
いつも同じ人が判断し、同じ人が指示を出し、同じ人しか対応できない。
その人が休めば現場が止まり、研修にも出せない。
そうした状態が続けば、忙しさはいつまで経っても変わりません。
だからこそ、私はリーダー候補を思い切って研修へ送り出す決断が必要だと考えています。

意外と現場は回るもの

「本当に大丈夫だろうか。」 送り出す前は誰もがそう思います。
ですが実際には、多くの現場は何とか回るものです。
残ったメンバー同士で相談しながら進めたり、これまで指示を待っていた社員が自分で考えて行動したり。
リーダーがいないからこそ、一人ひとりが少しずつ責任を持ち始めます。
もちろん完璧ではありません。 多少の遠回りや失敗もあるでしょう。
しかし、その経験こそが現場を強くしていきます。

リーダー不在は、現場の成長のチャンス

リーダーが研修へ行くことで成長するのは研修を受ける本人だけではありません。
現場に残るメンバーにも、大きな学びがあります。
「自分で判断しなければならない。」
「いつもリーダーがやってくれていた仕事は、こんなに大変だったのか。」
そんな気づきが生まれます。

責任を持って考え、仲間と協力して乗り越えた経験は、その人自身の自信につながります。 リーダーが一時的に不在になることは、現場にとっても成長の機会なのです。

リーダー自身も、「安心して抜けられる準備」をする

一方で、研修に参加するリーダー候補にも大切な役割があります。
それは、安心して現場を任せられる準備をすることです。
担当業務を整理する。 引き継ぎを行う。 判断に迷いそうなポイントを共有する。
「困ったら相談してね」ではなく、「こんな場合はこう判断してほしい」と具体的に伝える。
こうした準備も、リーダーとして欠かせない仕事です。
「自分がいないと現場が回らない。」
それは一見頼もしく聞こえますが、本当に目指したい姿ではありません。
本来リーダーが目指すべきなのは、 「自分がいなくても現場が回る状態をつくること」 です。 人に任せることも、育てることも、リーダーの大切な仕事なのです。

研修は、未来への投資

研修は、知識を増やすためだけのものではありません。
リーダー候補は視野を広げ、現場では残ったメンバーが考えて動く力を養う。
双方が成長することで、組織全体の力が高まっていきます。
「忙しいから育てられない。」 そう考えている限り、忙しさは変わりません。
しかし、 「忙しいからこそ育てよう。」
そう決断した会社は、少しずつ任せられる人が増え、現場に余裕が生まれていきます。
育成は、時間ができてから始めるものではありません。
時間を生み出すために始めるものです。
未来の現場を支えるリーダーを育てるためには、経営者が送り出す勇気を持つこと。
そして、リーダー自身が安心して任せられる準備をすること。
その積み重ねが、「誰か一人に頼る組織」ではなく、「みんなで支え合える組織」をつくっていくのだと私は思います。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

「○○職だから」は、あなたの未来を狭めていませんか?

「私は事務職なので、それ以外の仕事はしたくありません。」
研修や企業訪問の中で、このような言葉を耳にすることがあります。

もちろん、自分の専門性を大切にすることは悪いことではありません。事務職には事務職の、製造職には製造職の、営業職には営業職の専門性があります。その専門性を磨くことは、会社にとっても本人にとっても大切なことです。

しかし、気になるのは「私は○○職だから」という言葉が、自分の可能性にまで線を引いてしまっているケースです。

例えば、事務職だから改善活動には関わらない。営業だから採用活動は関係ない。製造職だから人前で話すのは苦手だからやらない。
そのように考えてしまうと、自分自身で未来の選択肢を狭めてしまうことになります。

会社で働いていると、思いがけない仕事を任されることがあります。後輩を育成する立場になることもあれば、プロジェクトを任されることもあります。部署を越えて意見を求められる場面もあるでしょう。
そのときに、「それは私の仕事ではありません」と断ってしまえば、その経験から得られたはずの成長の機会も失われてしまいます。

一方で、「やってみます」と一歩踏み出した人は、新しい知識や経験だけでなく、自分でも気づかなかった強みを見つけることがあります。

キャリアは、職種を積み重ねるものではありません。
経験を積み重ねるものです。
どんな仕事を経験し、どんな人と出会い、何を学んできたのか。その積み重ねが、自分らしいキャリアをつくっていきます。

私自身も、社会に出たばかりの頃は、人材育成の仕事に携わる自分を想像していませんでした。

専業主婦を経て再就職を考えたとき、これまでの経験を振り返りました。その中で一番やりがいを感じていたのは、後輩を育成し、その人が成長していく姿を支えることでした。
「私は事務職だから」という職種ではなく、「人の成長を支えたい」という自分の強みに目を向けたことで、目指す方向が見えてきました。その強みをもっと磨きたいと思い、学びを続け、国家資格キャリアコンサルタントを取得しました。現在は、人材育成の仕事に携わり、多くの方の成長を支援しています。

もしあのとき、「私は事務職だから」と職種だけで自分を決めつけていたら、今の私はなかったと思います。

人生の経営者は、自分自身です。

会社から与えられた職種だけで自分を決めるのではなく、「自分は何が得意なのか」「どんなときにやりがいを感じるのか」という視点で、自分自身を見つめてみてください。

職種は、あくまでも今の役割の一部です。
一方で、強みは、どんな仕事でも生かすことができます。
「これは自分の仕事ではない」と可能性に線を引くのか。
「まずはやってみよう」と一歩踏み出すのか。

その小さな選択の積み重ねが、5年後、10年後のあなたの未来を大きく変えていきます。

私は、「職種」よりも「強み」に目を向けることで、自分のキャリアが大きく広がりました。

だからこそ、皆さんにも問いかけたいのです。
今の職種や役割で、自分の未来まで決めてしまっていませんか。

職種や役割で自分を縛るのではなく、自分の強みで未来を描く。
そんな視点を持つことが、人生の選択肢を広げ、自分らしいキャリアを築く第一歩になるのではないでしょうか。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

管理職になってから気づく、研修の本当の価値

「研修を受けても、時間が経てば内容を忘れてしまうからあまり意味がない。」
そんな声を耳にすることがあります。
確かに、研修で学んだ知識や手法は、実践しなければ少しずつ薄れてしまうかもしれません。しかし、管理職になって初めて「あの研修を受けていて良かった」と実感するものがあります。

それは、部署を超えた仲間とのつながりです。

管理職になると、自部署だけを見ていれば仕事が進むということはほとんどありません。
製造、品質管理、営業、総務など、それぞれの部署と連携しながら、会社全体の最適を考えて判断する場面が増えていきます。

そんなとき、大きな支えになるのが、研修で一緒に学んだ他部署の仲間の存在です。

「少し相談してもいい?」
「現場ではどう考えている?」
「こういう改善を考えているけど、そっちの部署にどんな影響がある?」
「この件、一緒に考えて欲しいんだけど…」

こうした一言が自然に言える関係性は、日々の業務だけではなかなか築けるものではありません。

研修という場で同じ課題について考え、意見を交わし、お互いの価値観や立場を理解した経験があるからこそ、生まれる信頼関係があります。

私たちが実施している次世代管理職研修でも、知識を身につけることはもちろん大切にしています。
しかし、それと同じくらい大切にしているのが、「対話」です。

一人で考えるだけではなく、異なる部署の仲間と意見を交わし、互いの考え方や背景を知ることで、自部署の視点だけでは見えなかった気づきが生まれます。
そして、その時間をともに過ごした仲間は、数年後、管理職として組織を支える立場になったとき、かけがえのない存在になります。

管理職は、ときに孤独です。

判断に迷うこともあれば、正解のない課題に向き合わなければならないこともあります。そんなとき、「あの人に相談してみよう」と思える相手が他部署にいることは、大きな安心感につながります。

それは、単なる”顔見知り”ではありません。一緒に学び、考え、悩んだ経験があるからこその信頼です。研修の成果は、受講直後のアンケートだけでは測れません。

数年後、部署の垣根を越えて管理職同士が自然に相談し合い、協力し合える組織になっていること。

それこそが、研修が企業にもたらす本当の価値ではないでしょうか。

知識やスキルは、組織を動かすために欠かせません。しかし、それらを生かすのは「人と人との信頼関係」です。

私は、次世代管理職研修を、管理職を育てる場であると同時に、未来の組織を支え合う仲間を育む場でもあると考えています。
管理職になってから気づく研修の本当の価値は、テキストの中ではなく、人とのつながりの中にあるのかもしれません。

人は一人では組織を変えられません。

だからこそ、未来の管理職同士が支え合える関係を、研修の中で育てていきたい。
私は、そんな想いを大切にしながら、一人ひとりの成長と、組織の未来づくりを支援していきます。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

子育て中の人にこそ知ってほしい「傾聴」の力

子育てをしていると、「ちゃんと話を聞いているのに、どうしてうまくいかないんだろう。」そんなふうに感じることはありませんか。
私は国家資格キャリアコンサルタントとして学ぶ中で、「傾聴」という考え方に出会いました。
傾聴は、ただ相手の話を聞くことではありません。
「相手が安心して自分らしく話せる関わり方」です。

この考え方を提唱したのが、アメリカの心理学者、カール・ロジャーズです。
ロジャーズは、「人は本来、自ら成長し、より良くなろうとする力を持っている」と考えました。その力を引き出すために大切なのが、相手を尊重し、安心して話せる関係を築くことだと説いています。

私はこの考え方は、キャリア支援だけではなく、子育てにもそのまま当てはまると感じています。

傾聴の3つの姿勢

ロジャーズは、相手と関わる上で大切な姿勢として、「受容」「共感」「自己一致」の3つを挙げています。

受容

受容とは、相手を評価したり否定したりせず、「あなたはそう感じたんだね」と、まずはありのまま受け止めることです。
子どもが学校で嫌なことがあったと話したとき、すぐに励ましたり解決策を伝えたりする前に、その気持ちを受け止める。
それだけで子どもは、「分かってもらえた」という安心感を得られます。

共感

共感とは、「かわいそう」と思うことではありません。
子どもの立場に立ち、「どんな気持ちだったのかな」と理解しようと努める姿勢です。
親にとっては小さな出来事でも、子どもにとっては人生で初めて経験する大きな出来事かもしれません。
子どもの世界を、子どもの目線で見ようとすることが共感です。

自己一致

自己一致とは、自分の気持ちをごまかさず、自然体でいることです。
親だからといって、いつも笑顔で完璧でいる必要はありません。
疲れている日には、「今は少し疲れているから、夕食の後にゆっくり話を聞かせてね。」
と素直に伝えることも大切です。無理をして笑顔を作るよりも、誠実に向き合う姿勢が、子どもとの信頼関係につながります。

子どもには、自分で育つ力がある

親は、子どもに多くのことを教えようとします。もちろん、それも大切です。
でも、ロジャーズが信じたように、人には本来、自ら成長する力があります。
親の役割は、その力を信じ、安心して挑戦できる環境を整えることなのかもしれません。

子どもの話を最後まで聴く。
気持ちを受け止める。
一緒に考える。

その積み重ねが、「自分は大切にされている」という自己肯定感につながり、自分で考え、自分で選び、自分の人生を歩む力を育てていきます。

子どもは、聴いてもらえた経験を力に変えます。
そして、その経験は将来、家庭や職場など、さまざまな人間関係の中で受け継がれていくでしょう。
忙しい毎日だからこそ、ほんの5分でも、子どもの話を最後まで聴いてみる。
その時間が、子どもの未来への大切な投資になると私は信じています。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

研修は「行動を変える場」

企業から研修のご相談をいただく際、
「社員にもっと主体的に動いてほしい」
「研修を受けても現場でなかなか変化が見られない」
というお悩みを伺うことがあります。

確かに研修では多くの知識を学ぶことができます。しかし、知識を得ることと行動が変わることは必ずしも同じではありません。

私自身、これまで多くの研修に参加してきましたが、振り返ってみると印象に残っているのは知識そのものではなく、「自分はどうしたいのか」「明日から何をやってみようか」を考えた時間でした。

研修の本当の価値は、知識を増やすことではなく、行動のきっかけをつくることにあるのではないでしょうか。

例えば、新入社員研修では社会人としての基本を学びます。しかし、報連相の重要性を知っているだけでは十分ではありません。
「まずは自分から挨拶をしてみよう」
「分からないことをそのままにせず質問してみよう」
そんな小さな一歩を踏み出して初めて学びが活かされます。

また、3年目研修では、自分の仕事だけでなく周囲への関わり方も求められるようになります。

その際に大切なのは、「こうあるべき」という正解を教わることではなく、自分自身で考えることです。

職場環境も、関わる人も、置かれている立場も一人ひとり異なります。そのため、誰かの答えをそのまま真似するのではなく、自分なりの答えを見つける必要があります。

迅技術経営の研修では、講義だけでなく対話や体験を重視しています。
キャリアストームマネジメントゲームなどの体験型研修もその一つです。

実際に体験し、考え、仲間と対話することや他者の行動から気づきを得ることで、自分が持っていなかった考え方や価値観に出会うことができます。

人は「教えられたこと」よりも、「自分で気づいたこと」の方が行動につながりやすいと言われています。
だからこそ、私たちは答えを与えるだけではなく、自ら考える機会を大切にしています。

研修を受けたその日だけ意識が高まるのではなく、翌日からの行動が少しでも変わること。そして、その小さな変化が積み重なり、一人ひとりの成長につながること。
それが研修の目指す姿だと思います。

「人生の経営者は自分自身」

研修もまた、自分自身の成長を考える大切な機会です。これからも、一人ひとりが自ら考え、行動するきっかけとなる研修づくりに取り組んでいきたいと思います。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和