中小企業の採用、どうする?

〜大企業と同じ土俵に乗らない採用を〜

採用活動をしていると、

「うちは給与が高くないから応募が来ない」
「年間休日も大企業にはかなわない」
「福利厚生も充実しているとは言えない」

そんな声を聞くことがあります。

確かに、給与や福利厚生、休日数、会社の知名度といった条件だけを並べれば、中小企業が大企業と真正面から勝負するのは簡単ではありません。

では、中小企業は何で勝負するのか。

私は、その一つが「人」だと思っています。

採用に関わった人と、一緒に働く

大企業の場合、採用担当者と入社後に一緒に働く人が違うことも珍しくありません。
一方、中小企業ではどうでしょうか。

会社説明をしてくれた人。
面接をしてくれた経営者。
職場見学で案内してくれた社員。

その人たちと、入社後も一緒に働く可能性が高いのが中小企業です。

つまり求職者にとって、採用活動の段階ですでに、
「この人たちと毎日働きたいと思えるか」
を感じることができます。

これは、中小企業だからこそ持てる大きな強みではないでしょうか。

「誰と働くか」は、条件と同じくらい大切

仕事は、一日の多くの時間を使うものです。
だからこそ、給与や休日だけではなく、
「どんな人と働くのか」
「困ったときに相談できる人がいるのか」
「自分の成長を応援してくれる人がいるのか」
「経営者は社員をどのように見ているのか」
こうしたことも、会社を選ぶうえで大切な判断材料になります。

特に中小企業では、人と人との距離が近いからこそ、その会社の雰囲気や価値観が働きやすさに直結します。

だから私は、採用活動では会社の良いところを説明するだけではなく、そこで働いている人そのものを見てもらうことが大切だと考えています。

採用担当者だけに任せない

そう考えると、採用を「採用担当者の仕事」にしてしまうのは、もったいない。

経営者が自分の言葉で会社の未来を語る。
若手社員が入社後の経験を話す。
子育て中の社員が実際の働き方を伝える。
先輩社員が仕事の面白さだけでなく、大変さも話す。

いろいろな社員が採用に関わることで、求職者は「この会社で働く自分」をイメージしやすくなります。

そして何より、
「面接のときに話してくれたあの人と、一緒に働ける」
という安心感にもつながります。

会社の規模や知名度ではなく、
「この社長のもとで働いてみたい」
「この先輩と一緒に仕事をしてみたい」
「この人たちの中なら、自分も成長できそう」
そう思ってもらえれば、それは中小企業にとって大きな採用力になります。

全員に選ばれる必要はない

中小企業は大企業のように多くの応募者を集める必要はありません。

自社の考え方に共感し、一緒に働きたいと思ってくれる人と出会えればいい。

だからこそ、
「私たちはこんな会社です」
「こんな人たちが働いています」
「こんなことを大切にしています」
ということを、飾りすぎずに発信していくことが大切です。

ブログやInstagram、動画、会社見学などを通して、働いている人の顔や言葉を見せていく。

それを見て、
「ここは自分には合わない」
と思う人がいることも、決して悪いことではありません。
お互いに納得して選ぶことが、入社後のミスマッチを減らすことにもつながります。

中小企業は「人」で勝負できる

給与を上げることも、休日を増やすことも、福利厚生を整えることも大切です。
しかし、大企業と同じ条件をそろえなければ採用できないわけではありません。

中小企業には、
採用のときに出会った人と、そのまま一緒に働ける。
という強みがあります。

どんな人が働いているのか。
どんな考え方を持っているのか。
どんな雰囲気の中で仕事をしているのか。

それを採用活動の中でしっかり見せていく。

条件で勝負するのではなく、「この人たちと働きたい」と思ってもらう。
それも、中小企業だからこそできる採用の形ではないでしょうか。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和