「教える」だけで 人は育たない

~“飲みにケーション”が通用しにくい今、中小企業に必要なもの~

昔は仕事終わりの飲み会や何気ない雑談の中で上司や先輩との距離が縮まり
仕事への向き合い方や価値観が自然と伝わる場面が多くありました。

いわゆる“飲みにケーション”です。

そこには、単なる飲み会以上に接触回数を増やし信頼関係を築く役割 があったのだと思います。

ですが今は働き方や価値観が大きく変わりました。

子育て中の社員は、仕事が終われば家族との時間がある。
若い世代は、仕事とプライベートを分けたいと考える方も増えています。
お酒の席が苦手な人もいます。

昔のように「仕事終わりはみんなで飲みに行く」
という関わり方が当たり前ではなくなってきました。

だからこそ昔のやり方が良い悪いではなく
信頼関係を築く方法や、組織として大切なことを伝える方法を変える必要がある と感じています。

私が大切だと思うのは、接触回数を意識して増やすこと です。

人は1回深く話すこと以上に、
短い時間でも何度も関わることで安心感や信頼が生まれることがあります。

朝の「おはようございます」の一言
業務後の「どうだった?」という振り返り
ちょっとした雑談
報連相の確認

こうした小さな接点の積み重ねが社員との距離を縮め
話しやすい関係づくりにつながっていきます。

人材育成は一方的に“教えること”だけでは育ちません。

大切なのは接触回数を増やし対話を重ねる中で、組織としての方向性や大切にしたい考え方を少しずつ共有していくことです。

「なぜこの仕事をするのか」
「私たちの組織は何を大切にしているのか」
「どんな姿勢でお客様や仲間と向き合うのか」

こうした考え方は、一度伝えたから浸透するものではありません。

だからこそ日々の関わりや対話の中で少しずつ共有し、自分の言葉として理解してもらうことが大切なのだと思います。

中小企業は大企業のように体系的な教育制度を整えることが難しい場合もあります。
だからこそ日々の接触回数そのものが、人材育成や理念浸透の時間になる。

昔の“飲みにケーション”が減った今
必要なのは飲み会を復活させることではなく、
日常の中で接点を増やしていくこと なのかもしれません。

「教える」だけでは、人は育たない。
これからの中小企業に必要なのは接触回数を増やし、対話を重ねながら、
共に育つ組織づくりだと感じています。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

投稿者:

ueshima

国家資格キャリアコンサルタント (株)迅技術経営