中小企業の採用、どうする?

〜大企業と同じ土俵に乗らない採用を〜

採用活動をしていると、

「うちは給与が高くないから応募が来ない」
「年間休日も大企業にはかなわない」
「福利厚生も充実しているとは言えない」

そんな声を聞くことがあります。

確かに、給与や福利厚生、休日数、会社の知名度といった条件だけを並べれば、中小企業が大企業と真正面から勝負するのは簡単ではありません。

では、中小企業は何で勝負するのか。

私は、その一つが「人」だと思っています。

採用に関わった人と、一緒に働く

大企業の場合、採用担当者と入社後に一緒に働く人が違うことも珍しくありません。
一方、中小企業ではどうでしょうか。

会社説明をしてくれた人。
面接をしてくれた経営者。
職場見学で案内してくれた社員。

その人たちと、入社後も一緒に働く可能性が高いのが中小企業です。

つまり求職者にとって、採用活動の段階ですでに、
「この人たちと毎日働きたいと思えるか」
を感じることができます。

これは、中小企業だからこそ持てる大きな強みではないでしょうか。

「誰と働くか」は、条件と同じくらい大切

仕事は、一日の多くの時間を使うものです。
だからこそ、給与や休日だけではなく、
「どんな人と働くのか」
「困ったときに相談できる人がいるのか」
「自分の成長を応援してくれる人がいるのか」
「経営者は社員をどのように見ているのか」
こうしたことも、会社を選ぶうえで大切な判断材料になります。

特に中小企業では、人と人との距離が近いからこそ、その会社の雰囲気や価値観が働きやすさに直結します。

だから私は、採用活動では会社の良いところを説明するだけではなく、そこで働いている人そのものを見てもらうことが大切だと考えています。

採用担当者だけに任せない

そう考えると、採用を「採用担当者の仕事」にしてしまうのは、もったいない。

経営者が自分の言葉で会社の未来を語る。
若手社員が入社後の経験を話す。
子育て中の社員が実際の働き方を伝える。
先輩社員が仕事の面白さだけでなく、大変さも話す。

いろいろな社員が採用に関わることで、求職者は「この会社で働く自分」をイメージしやすくなります。

そして何より、
「面接のときに話してくれたあの人と、一緒に働ける」
という安心感にもつながります。

会社の規模や知名度ではなく、
「この社長のもとで働いてみたい」
「この先輩と一緒に仕事をしてみたい」
「この人たちの中なら、自分も成長できそう」
そう思ってもらえれば、それは中小企業にとって大きな採用力になります。

全員に選ばれる必要はない

中小企業は大企業のように多くの応募者を集める必要はありません。

自社の考え方に共感し、一緒に働きたいと思ってくれる人と出会えればいい。

だからこそ、
「私たちはこんな会社です」
「こんな人たちが働いています」
「こんなことを大切にしています」
ということを、飾りすぎずに発信していくことが大切です。

ブログやInstagram、動画、会社見学などを通して、働いている人の顔や言葉を見せていく。

それを見て、
「ここは自分には合わない」
と思う人がいることも、決して悪いことではありません。
お互いに納得して選ぶことが、入社後のミスマッチを減らすことにもつながります。

中小企業は「人」で勝負できる

給与を上げることも、休日を増やすことも、福利厚生を整えることも大切です。
しかし、大企業と同じ条件をそろえなければ採用できないわけではありません。

中小企業には、
採用のときに出会った人と、そのまま一緒に働ける。
という強みがあります。

どんな人が働いているのか。
どんな考え方を持っているのか。
どんな雰囲気の中で仕事をしているのか。

それを採用活動の中でしっかり見せていく。

条件で勝負するのではなく、「この人たちと働きたい」と思ってもらう。
それも、中小企業だからこそできる採用の形ではないでしょうか。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

その価値観、本当にあなたのもの?

子育てをしていると、たくさんの「こうしたほうがいい」に出会います。


「子どもが3歳になるまでは、お母さんがそばにいたほうがいい」
「いや、1歳になったら働いたほうがいい」
「早く保育園に入れたほうが、協調性が身につく」
「学童に預けるなんて、かわいそう」

子どもが成長しても、それは終わりません。

「仕事をしてもいいけれど、女性なんだから家事や育児を優先すべき」
「女性はサポート業務のほうが向いている」
「女性は公の場で発言を慎むべき」
「リーダーは男性のほうが向いている」

こうした言葉を、親や配偶者、友人、職場の人などから聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

でも、一度考えてみてほしいのです。

今あなたがこうしたほうがいいと思っているその価値観、本当にあなた自身のものでしょうか?

「そういうものだ」と思い込んでいないか

人は、周囲から何度も同じことを言われていると、それをいつの間にか「当たり前」だと思うようになります。

「母親ならこうするもの」
「女性ならこうするもの」
「子どものためにはこうするもの」

そして、本当は自分がどうしたいのかを考える前に、「そうしなければならない」と思ってしまうことがあります。

もちろん、子どもが小さいうちは仕事をせず、そばで成長を見守るという選択も素敵です。
早い時期から仕事に復帰するという選択も素敵です。
学童を利用することも、仕事をセーブすることも、管理職を目指すことも、サポート役として力を発揮することも、その人自身が納得して選んだのであれば、どれも一つの生き方です。

大切なのは、「何を選ぶか」以上に「誰が決めたのか」ではないでしょうか。

外野は、あなたの人生に責任を取ってくれない

周りの人はいろいろなことを言います。

「子どもがかわいそう」
「もっと働いたほうがいい」
「そんなに仕事を頑張らなくてもいい」
「せっかく働くなら正社員になったほうがいい」
「女性がそこまで前に出なくても」

けれど、その選択によって生まれる結果を引き受けるのは、周りの人ではなくあなたです。

外野は、あなたの人生に責任を取ってくれないのです。

だからこそ、自分で考え、自分で意思決定することが大切です。
周囲の意見を聞いてはいけない、ということではありません。

いろいろな人の考えを聞き、情報を集めることは必要です。

ただ、最後に決めるのは自分。

「みんながそう言うから」ではなく、

「私はどうしたいのか」
「私は何を大切にしたいのか」
「5年後、10年後、どんな自分でいたいのか」

そこまで考えたうえで、自分なりの答えを出す。
そして、一度決めた選択も、環境が変われば変えていいのだと思います。

自分の人生は、自分で選ぶ

私たちは、自分でも気づかないうちに、親の価値観、世間の常識、職場の文化、SNSで目にする「正解」に影響されています。

だから、ときどき立ち止まって問いかけてみる。
「それ、本当に私が大切にしたいこと?」

子育ても、仕事も、キャリアも誰かが決めた正解に、自分の人生を合わせる必要はありません。

自分で考えて、自分で選んで、その選択を自分の中で正解にしていく。
人生の経営者は、自分自身です。

だからこそ、大切な意思決定を誰かに委ねず、自分の人生のハンドルは、自分で握っていたいですね。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

キャリアを考える機会を、もっと身近に

「キャリアについて考えたことはありますか?」
そう聞かれても、
「特に困っていないし、考えたことがない」
「今の仕事を続けていけばいいと思っている」
「まだ20代、30代だし、将来のことはそのうち考えればいい」
そんな方も多いのではないでしょうか。

私は、むしろそんな方にこそ、一度キャリアについて考える機会を持ってほしいと思っています。

何かに悩んでから考えるのではなく、まだ選択肢がたくさんあるうちに考える。
転職したくなってからでも、今の仕事を続けられなくなってからでもなく、
「今は特に困っていない」時だからこそ、自分のこれからを考えてみる。
それが大切だと思っています。

私がキャリアストームに懸けている想いは、とてもシンプルです。
「キャリアを考える機会を、もっと身近なものにしたい」
ということです。

キャリアは「仕事」だけではない

「キャリア」と聞くと、
昇進すること
資格を取ること
転職すること
年収を上げること
そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。

もちろん、それらもキャリアの一部です。
でも、私はキャリアをもっと広く捉えています。

どんな仕事をするのか
どんな働き方をするのか
管理職を目指すのか
専門職として力を磨いていくのか
一般社員として現場の第一線で働き続けるのか

そして、それだけではありません。

結婚するのか、しないのか
子どもを持つのか、持たないのか、何人持つのか
どこで暮らしたいのか
家族との時間をどのくらい持ちたいのか
仕事にどのくらいの時間やエネルギーを使いたいのか
思い描く生活にどのくらいの収入が必要なのか
何を学び、何に挑戦していきたいのか

こうした人生の選択も、すべてキャリアにつながっています。
だからキャリアについて考えるというのは、「次にどんな仕事をするか」だけを考えることではありません。

自分はこれから、どんな人生を送りたいのか。
その暮らしを実現するために、仕事をどう位置づけていくのか。
そこまで考えることだと思っています。

「普通」は、本当に自分が選んだものだろうか

「もっと早く考えておけばよかった」
「気づいた時には、簡単には動けなくなっていた」
そんな声を聞くことがあります。

一つの会社で長く働くのが普通
結婚するのが普通
子どもを持つのが普通
女性は家庭を優先するのが普通
男性は仕事を優先するのが普通
年齢を重ねたら管理職を目指すのが普通

これまでの社会には、たくさんの「普通」がありました。
もちろん、その生き方を自分で選び、幸せだと感じているのであれば、それでいいと思います。

私から見れば窮屈そうに見える選択でも、ご本人にとっては大切に選んできた人生かもしれません。
私自身も、自分の価値観というフィルターを通して人を見ています。
だから、どんな生き方が正しくて、どんな生き方が間違っている、と言いたいわけではありません。

ただ、一つ思うことがあります。
その「普通」は、本当に自分が選んだものなのだろうか。


「みんなそうしているから」
「親にそう言われたから」
「この地域ではそれが当たり前だから」

そうやって周囲の価値観を自分の価値観だと思い込み、気づかないうちに人生の選択肢を狭めてしまうことがあります。

私が怖いのは、選択肢が少なくなることそのものではありません。
自分で選んだつもりがないまま、気づけば選べる道が少なくなっていることです。

5年後、どんな「毎日」を送っていたいですか

キャリアについて考えるとき、
「5年後、どんな仕事をしていたいですか?」
と聞かれることがあります。

もちろん、それも大切な問いです。
でも私は、もう少し広く、
「5年後、どんな毎日を送っていたいですか?」
と考えてみてほしいと思っています。

朝は何時に起きていますか
どこで、誰と暮らしていますか
どんな仕事をしていますか
何時頃に仕事を終えていますか
休日はどんなふうに過ごしていますか
家族との時間はありますか
自分のために使える時間はありますか

そして、もう一つ考えてほしいのが、お金のことです。

自分一人で生活していくなら、どのくらいの収入が必要なのか。
結婚した場合、家庭全体としてどのくらいの収入が必要なのか。
子どもを持つとしたら、教育費や生活費はどう変わるのか。
夫婦のどちらか一方の収入に大きく依存するのか。
二人とも働き続けるのか。
働く時間を減らす時期があるとすれば、その期間を家庭としてどう支えるのか。

キャリアを考える時、つい「自分はいくら稼ぎたいか」と考えがちです。

でも本当は、
「どんな暮らしをしたくて、その暮らしには家庭としてどのくらいの収入が必要なのか」
まで考えることが大切だと思っています。
今は働きやすさを優先していても、5年後、10年後には必要な収入が増えているかもしれません。
反対に、収入を最優先にしてきたけれど、家族との時間や自分の時間をもっと大切にしたいと思う時期が来るかもしれません。

だからこそ、
どんな暮らしをしたいのか。
その暮らしにはどのくらいのお金が必要なのか。
そのためにはどんな働き方が必要なのか。
その働き方を選べるようにするために、今何を身につけておけばいいのか。
そこまでつなげて考えてみてほしいのです。

何も選ばなくても、時間は進んでいく

もちろん、20代や30代ですべてを決める必要はありません。
人生は計画通りに進むことばかりではありません。
結婚も、子どもを持つことも、仕事も、自分一人の意思だけですべて決められるわけではありません。

でも、だからといって考える意味がないわけではありません。

大切なのは、
「自分はどうしたいのか」を、自分自身が知っていること。
何も決めなくても、時間は進んでいきます。

今の会社に居続けることも一つの選択
学ばないことも一つの選択
挑戦しないことも一つの選択
「まだ考えなくてもいい」と先送りすることも、一つの選択です。
その積み重ねの先に、5年後、10年後の自分があります。

手持ちのカードが多いうちに考えてほしい

私は、キャリアの選択肢を「手持ちのカード」に例えることがあります。
若いうちは、比較的たくさんのカードを持っています。

転職する
勉強する
資格を取る
新しい仕事に挑戦する
住む場所を変える
一時的に収入が下がっても、挑戦出来る新しい道へ進んでみる

そして、
収入を上げられる力を身につけること。
働き続けられる力を身につけること。
これも、将来の自分が使える大切なカードだと思っています。

もちろん、置かれている環境は人それぞれですし、何歳からでも新しい挑戦はできます。
ただ、年齢を重ねたり生活環境が変わったりすると、意思決定をするときに考えなければならない条件が増えていくこともあります。

家族
住宅ローン
老親のこと
子どもの教育費
家庭として必要な収入

責任が増えることは、決して悪いことではありません。
でも、それによって「以前なら選べたカード」が選びにくくなることはあります。

だから私は、手持ちのカードが減ってから初めて考えるのではなく、カードがたくさんあるうちに一度考えてほしいと思っています。

すぐに転職する必要もありません。
何か大きな決断をする必要もありません。
今の会社で働き続けるという結論でもいいのです。

ただ、「何となくここにいる」のではなく、
「私は考えたうえで、今ここにいる」
と言えることは、とても大切だと思っています。

キャリアストームで、まだ経験していない未来を考える

そのきっかけとして、私はキャリアストームをお勧めしています。
キャリアストームでは、ゲームの中で時間が進み、さまざまな出来事に直面します。

仕事、収入、学び、家族、時間、
その都度自分で考え、意思決定していきます。

専門職として専門性を高める道を選ぶのか。
管理職として組織をまとめる道を選ぶのか。
一般社員として現場の第一線で活躍し続けるのか。
仕事をセーブし、子どもと向き合うのか。

そして、仕事だけではなく、自分の人生をどう組み立てていくのかも考えていきます。
ゲームだからこそ、まだ経験していない未来を疑似体験できます。

その中で、
「自分は思っていた以上に金銭的安定を大切にしている」
「お金より時間を優先したいのかもしれない」
「家庭を持つことを考えるなら、収入についても考えておきたい」
「若いうちから学んでおいた方がいいかもしれない」
そんな、自分でも気づいていなかった価値観が見えてくることがあります。

キャリアストームは、未来の正解を教えてくれるゲームではありません。
自分の価値観に気づき、自分の未来を考えるゲームです。

だから、個人でも参加しやすくしたい

キャリアについて考える機会は、会社から与えられるものだけではないと思っています。
もちろん会社が用意してくれるのは有難いですが
会社が研修を用意してくれるのを待つだけではなく、
自分の人生について考える機会を、自分で選ぶ。
そんな文化がもっと広がってほしいと思っています。

だから金沢の迅技術経営で開催するキャリアストームは、個人の方にも参加していただきやすいよう、8,800円(税込)という価格にしています。

拘束時間も半日です。
丸一日の研修ではありません。

「転職を考えるほど悩んでいるわけではない」
「今の仕事に大きな不満もない」
「将来のことを深刻に悩んでいるわけでもない」

でも、
「一度くらい、自分のこれからを考えてみようかな」
そんな気持ちで参加していただける場にしたい。

キャリアについて考えることへのハードルを、できるだけ低くしたい。
それが、この価格と時間設定に込めた想いです。

悩んでからではなく、悩む前に

私は、キャリアストームを「人生に迷っている人のためだけの研修」にはしたくありません。

むしろ、
今の仕事に大きな不満はない。
毎日普通に働いている。
将来について特に困っていることもない。
そんな20代、30代の方にこそ体験してほしいと思っています。

問題が起きてから考えるのではなく、何も起きていない時に考える。
選択を迫られてから考えるのではなく、選択肢がたくさんある時に考える。

その経験が、いつか人生の大きな意思決定をするときに、自分を助けてくれると思うからです。

人生の経営者は、自分自身

私は、「人生の経営者は自分自身」という言葉を大切にしています。

会社が、自分の人生を最後まで決めてくれるわけではありません。
家族も、上司も、周囲の人も、代わりに自分の人生を生きてくれるわけではありません。

仕事、結婚、子ども、暮らし、時間、収入、学び

何を大切にして、どんな人生を選んでいくのか。
すべてを思い通りにできるわけではありません。

それでも、自分の人生について考え、できる範囲で自分自身が意思決定していくことはできます。

転職を考えていなくてもいい。
明確な夢がなくてもいい。
今の生活に不満がなくてもいい。

20代、30代のどこかで一度、
「私はこれから、どう生きて、どう働いていきたいのだろう」
と考えてみてほしい。

そして、
「その暮らしを実現するために、私はどんな力を身につけておきたいのだろう」
と、もう一歩先まで考えてみてほしい。

手持ちのカードがまだたくさんある今だからこそ、できる準備があります。

キャリアについて考えることを、何か問題が起きた時だけの特別なものではなく、もっと身近なものへ。

それが私の願いです。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

迅技術経営(金沢本社)開催のキャリアストームお申込み

不安から資格を探す人に、キャリアコンサルタントが伝えたいこと

「何か資格を取ったほうがいいでしょうか?」
キャリアの相談をお受けてしていると、こうした話題になることがよくあります。

子育てが少し落ち着いたとき、ふとこれからのキャリアや将来のことを考えると、急に不安になることがありますよね。
「今の働き方のままで大丈夫かな……」
「ブランクがあるから、何か資格を持っていたほうが安心かも」
そんな気持ちから資格取得を考えるのは、ごく自然なことです。

もちろん、資格を取るために勉強して知識を身につけたり、新しい仕事に挑戦するきっかけにしたりすることは、とても素晴らしいことです。

ただ、私は「将来が不安だから、とりあえず何か資格を取ろう」という考え方は、あまりおすすめしていません。なぜなら、資格はあくまでも「目的を達成するための手段」のひとつだからです。

「資格があれば安心」のワナ

資格を取ったからといって、100%仕事に困らなくなる保証があるわけではありません。収入が上がる保証があるわけでもありません。

むしろ、自分の未来への不安を埋めるために資格を取ると、
「この資格だけでは足りないかもしれない」
「もう一つ資格を取ったほうが安心かも……」
と、不安を埋めるために次々と資格を探す「資格迷子」になってしまうことも。

だからこそ、資格を探す前に一度、考えてみてほしいことがあります。
それは、「自分はこれから、どんな働き方をしたいのか(何を成し遂げたいのか)」ということです。

資格を取っただけでは、仕事にはならない

例えば、弊社に所属している「中小企業診断士」や「国家資格キャリアコンサルタント」どちらも専門的な知識や技能を身につけることのできる魅力的な国家資格です。

一方で、これらは「持っていれば自動的に仕事がもらえる」という性質の資格ではありません。

中小企業診断士の資格を取っても、それだけで経営者から相談が来るわけではありません。

  • どんな社会課題を解決したいのか
  • どんな企業(または個人事業主)を支援したいのか
  • 自分のこれまでの経験と、知識をどう組み合わせるのか
    資格を取得した「その先」を考える必要があります。

これは、キャリアコンサルタントも同じです。一口にキャリアコンサルタントと言っても、実は活動する場所(領域)はさまざまです。

  • 企業領域:従業員のキャリア形成や人材育成に関わる
  • 需給調整領域:ハローワークや職業紹介などで就職を支援する
  • 教育領域:学校などで学生の就職やキャリアを支援する
  • 地域・福祉領域:地域の支援機関などで一人ひとりの状況に応じた支援を行う

どの領域で活動するかによって、必要とされる知識や経験は大きく変わってきます。

つまり、資格を取ること自体がゴールではありません。
「誰をどこで支援したいのか」「どんな価値を届けたいのか」。そこまで考えて初めて、資格取得後に何を学び、どんな経験を積んでいく必要があるのかが見えてきます。

「目的が先、資格は後」

自分が「成し遂げたいこと」が先にあり、そのための手段として資格を選ぶのであれば、資格取得には大きな意味があります。

目指すべき正しい順番は、こうです。

  1. 成し遂げたいこと(目指すべき社会・やりたいこと)がある
  2. そのために必要な知識や経験を考える
  3. 必要なら資格を取る
    「不安だから資格を探す」という逆の順番になっていませんか?

安定は、資格ではなく「自分の中」につくる

資格そのものが、あなたの未来をずっと保証してくれるわけではありません。

知識を身につけること。経験を積むこと。人とのつながりをつくること。自分で考え、意思決定すること。そして、学んだことを少しずつでも実際の仕事や生活で使っていくこと。

こうした「自分自身の経験の積み重ね」こそが、結果としてこれからのキャリアの頑丈な土台(安定)をつくっていきます。

もし、「資格を取るなら、何がおすすめですか?」と聞かれたら、私は資格の名前を答える前に、こう聞くと思います。
「資格を取って、あなたはどんなことをしてみたいですか?」

必要なのは、資格かもしれないし、現場での実務経験かもしれません。今の環境で新しい仕事に挑戦することや、新しいコミュニティに飛び込んでみることかもしれません。

「私は、この資格を使って何を成し遂げたいのだろう?」

時間もお金も限られているからこそ、資格の勉強を始める前に、ぜひ一度自分に問いかけてみてくださいね。その答えがあって初めて、資格はあなたの未来を切り拓くための、心強い味方になってくれるはずです。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

研修のゴールは「参加すること」ではなく「行動が変わること」

今は、知りたいことがあればインターネットで調べることができます。

検索すればたくさんの情報が出てきますし、AIを使えば、分からないことについてすぐに説明を受けることもできます。以前に比べれば、「知識や情報を得ること」そのものは格段に簡単になりました。

では、そんな時代に、わざわざ仕事の時間を使って社員が研修に参加する意味は何なのでしょうか。

私は、研修の価値は単に「知らなかったことを教えてもらうこと」だけではないと思っています。

研修の本当のゴールは、学んだことによって、その人の行動が変わること。
つまり、行動変容にあるのではないでしょうか。

「知っている」と「できる」は違う

例えば、
「部下の話をよく聞きましょう」
「数字を見て意思決定しましょう」
「自分で考えて行動しましょう」
こうしたことは、インターネットで調べたり、本を読んだりすれば学ぶことができます。

多くの人は、言われなくても「それは大切だ」と分かっているかもしれません。
それでも、実際の職場ではなかなかできない。なぜでしょうか。

それは、知っていることと、実際に行動できることは別だからです。

頭では理解していても、実際にやってみるとうまくいかない。

自分ではできていると思っていたけれど、他の人と一緒に取り組んで初めて、自分の考え方や行動の癖に気づく。

こうした経験は、知識を得るだけではなかなか得られません。

だからこそ、私はこれからの研修では、「何を教えるか」以上に「何を体験できるか」が重要になると考えています。

体験するから、自分ごとになる

迅技術経営では、マネジメントゲーム(MG)やキャリアストームなど、ゲームを活用した体験型研修を行っています。

例えばMGでは、参加者自身が経営者となって意思決定をします。

商品を仕入れる
設備に投資する
人を採用する
販売する

そして、自分の意思決定が会社の数字にどう影響したのかを確認します。

講師から、
「経営では利益が大切です」
「数字を見て判断しましょう」
と説明を受けるだけなら、知識として理解することはできます。

しかし、自分で意思決定をして、
「売上は上がったのに利益が残らなかった」
「もっと早く採用すればよかった」
「この投資は本当に必要だったのだろうか」
と経験すると、その言葉の意味は全く違ってきます。

自分で考え、自分で決め、その結果を自分で受け取る。
この体験があるからこそ、学びが自分ごとになります。

キャリアについても、体験しながら考える

キャリアストームも同じです。

専門職として専門性を高めるのか。
管理職として組織をまとめる道を選ぶのか。
一般社員として現場の第一線で活躍し続けるのか。

ゲームの中でさまざまな意思決定を繰り返しながら、自分自身のキャリアについて考えていきます。

「キャリアについて考えることが大切」
これも、インターネットや本から学ぶことはできます。

しかし、
実際に選択を迫られてみること。
選んだ結果を体験してみること。
そこから、自分が何を大切にしているのかに気づく。

それこそが体験型研修の価値だと思っています。

「楽しかった」で終わらせない

ただし、ゲームを使えば、それだけで良い研修になるわけではありません。

ゲームが盛り上がり、「楽しかったですね」で終わってしまえば、それは単なるイベントになってしまいます。

私たちが大切にしたいのは、その先です。

なぜ、その意思決定をしたのか。
その結果から、何に気づいたのか。
職場に戻ったら、何を変えるのか。

体験したことを振り返り、普段の仕事につなげる。
ここまであって、初めて研修の意味が生まれます。

研修後、何を変えるのか

行動変容というと、とても大きな変化を想像するかもしれません。

しかし、大きく変わる必要はありません。

例えば、
「次の会議では、自分から一度発言する」
「部下に指示を出す前に、まず話を聞いてみる」
「感覚だけではなく、数字を確認してから判断する」
「今まで避けていた仕事に一度挑戦してみる」
そんな小さな一歩でもいいと思います。

研修前と比べて、何か一つ行動が変わる。そして、その小さな変化を積み重ねていく。

それが人の成長につながり、やがて組織の変化につながっていきます。

「研修を受けた」で終わらせない

企業側も、
「今年も研修を実施した」
「管理職を研修に参加させた」
というところで満足してしまってはいないでしょうか。

研修への参加そのものが目的になってしまうと、せっかく時間と費用をかけても、十分な成果にはつながりません。

大切なのは、
研修を受けたあと社員の行動がどう変わったのか。
そこまで見ていくことです。

今は、インターネットやAIを使えば、多くの知識や情報を得られる時代です。
本を読めば、さらに深く、体系的に学ぶこともできます。
だからこそ研修では、知識を一方的に伝えるだけではなく、

体験する
考える
人と話す
振り返る
そして、職場で実践してみる

そこに価値があるのだと思います。

研修のゴールは、「知ったこと」ではなく「行動が変わったこと」。

迅技術経営では、ゲームをゲームで終わらせず、その体験を実際の仕事での行動につなげることを大切にしています。

研修を考えるとき、「何を学ぶか」だけではなく、
「研修後、社員にどんな行動をしてほしいのか」
そこから考えてみることが、人材育成の第一歩なのではないでしょうか。

迅技術経営のセミナーページ

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

就職先を決める前に、考えてほしいこと

~迅技術経営が採用活動で「壁打ち」を大切にする理由~

これから社会に出る皆さんは、就職先を選ぶとき、何を大切にしていますか?
給与、休日、福利厚生、勤務地、企業の知名度、安定性。
どれも大切な条件です。

もちろん、自分が興味を持っている業界や職種から就職先を探している方も多いと思います。

では、少し違った質問をしてみます。
「あなたは、これからの人生で何を成し遂げたいですか?」
急にそう聞かれると、答えに困る方も多いのではないでしょうか。

実は、迅技術経営では採用活動の中で、この問いについて考えていただく機会を設けています。

それが「壁打ち」です。

迅技術経営の「壁打ち」とは?

迅技術経営では採用過程の前に、希望される方を対象とした「壁打ち」を実施しています。

壁打ちとは、自分の考えや思いを相手に話し、対話を通じて自分自身の考えを整理したり、深めたりすることです。
当社では、社員が壁となり、求職者の方と1回1~2時間程度、全3回を目安に対話を行っています。

壁打ちの目的は、当社への入社を勧めることでも、面接で良い評価を得るための答えを一緒に考えることでもありません。

「これからの人生の中で成し遂げたいこと」を考えるきっかけにしていただくこと。
これが一番の目的です。

何を大切にして生きていきたいのか。
どんなことに喜びや、やりがいを感じるのか。
誰のために、どんなことをしたいのか。

これまでの経験を振り返りながら、自分自身と向き合っていただきます。

すぐに答えを見つける必要はありません。
大切なのは、誰かに用意された答えではなく、自分自身で考えることです。

就職活動のゴールは、内定をもらうこと?

就職活動が始まると、エントリーシートを書いたり、面接の練習をしたりと、忙しい日々が続くと思います。
周囲の友人が内定をもらい始めると、焦ることもあるでしょう。
そんな中で、いつの間にか「内定をもらうこと」が目的になってしまうことはないでしょうか。

しかし、就職はゴールではありません。
むしろ、社会人としての人生のスタートです。

希望する会社に就職できたとしても、そこで何をしたいのかがわからなければ、そこにいる意味が分からなくなる。

反対に、自分が大切にしたい価値観や、成し遂げたいことがある程度見えていれば、企業の知名度や待遇だけではない視点で就職先を選べるのではないでしょうか。

大企業に入ることだけが成功ではありません。
中小企業にも、若いうちからさまざまな仕事に挑戦できたり、経営者やお客様との距離が近かったりする魅力があります。
また、就職以外にも、起業や家業を継ぐといった選択肢があるかもしれません。

大切なのはどの道が一般的に評価されるかではなく、自分が何を大切にしてその道を選ぶのかということです。

採用活動に、なぜ時間をかけるのか

企業の採用活動というと、書類選考や面接を通じて、自社に合う人材を見極めることが一般的だと思います。

企業側にとって、採用活動にかけられる時間には限りがあります。
その中で、迅技術経営では壁打ちという形で、一人ひとりとの対話に時間をかけています。しかも、壁打ちをした方が必ず当社に入社するとは限りません。

それでも、なぜ時間をかけるのでしょうか。

私は、採用活動は企業が人を選ぶだけの場ではなく、求職者が企業を選ぶ場でもあると思っています。
企業にとっては多くの採用活動の一つかもしれませんが、学生の皆さんにとって、初めての就職先を選ぶことは人生の大きな意思決定です。

だからこそ、企業のことを十分に知ってほしい。
そして、それと同じくらい、自分自身についても深く考えてほしい。

どんな仕事をするのかだけでなく、その仕事を通じて何を実現したいのか。
会社が求める人物像に自分を合わせるのではなく、自分が目指す未来と会社が目指す未来に重なる部分があるのか。
そんなことを考えたうえで、納得して就職先を選んでほしいのです。

時間はかかりますが、その過程には大きな意味があると考えています。

採用につながらなくても、無駄にはならない

迅技術経営の壁打ちは、正式な採用選考とは別の段階で行っています。

そのため、壁打ちを通じて自分自身の考えが整理された結果、当社以外の道を選ぶ方もいます。それでも構わないのです。

私たちが大切にしているのは、当社に入社してもらうことだけではありません。

一人でも多くの人が自分の人生について考えるきっかけを持ち、自分の意思で次の一歩を踏み出していくことにも価値があると考えています。

迅技術経営には「共育恩送®」という大切にしている考え方があります。
人は誰かとの出会いや、誰かから受けた支援によって成長することがあります。
そして、自分が受け取ったものを、今度は別の誰かに送っていく。

壁打ちを通じて得た気づきが、数年後、誰かの人生を支えることにつながるかもしれません。そのように考えると、採用につながらなかったからといって、かけた時間が無駄になるわけではないと思うのです。

また、学生の皆さんとの対話は、壁打ちを担当する社員にとっても学びの機会になります。異なる価値観や経験を持つ人の話に耳を傾け、理解しようとすることは、自分自身の視野を広げることにもつながります。
まさに、共に育つ機会なのだと思います。

自分の人生を、他人任せにしないでほしい

私はキャリアコンサルタントとして、皆さんに伝えたいことがあります。
それは、「自分の人生の経営者は、自分自身である」ということです。

これから社会に出ると、さまざまな選択をすることになります。
仕事、転職、結婚、子育て、住む場所、働き方。
人生には何度も意思決定の機会があります。

そのたびに、周囲の意見や世間の常識が気になることもあるでしょう。

もちろん、誰かに相談することは大切です。
しかし、最終的に自分の人生を引き受けるのは、自分自身です。

だからこそ、周囲が良いと言う会社だから、親が安心するから、友人が目指しているから、という理由だけで進路を決めてほしくないのです。

自分が大切にしたいことは何なのか。
自分はどう生きていきたいのか。

今、明確な答えがなくても構いません。

これからの経験や出会いによって、考えが変わることもあるでしょう。
それでも、自分自身に問い続けることには意味があると思います。

これから社会に出る皆さんへ

皆さんは、これから多くの人と出会い、さまざまな経験を重ねていくことでしょう。
その中には、自分の価値観が大きく変わるような出会いもあるかもしれません。

就職活動は、企業から選ばれるためだけの時間ではありません。
自分がどのように生きたいのかを考え、そのための環境を自分で選ぶ時間でもあります。

だからこそ、企業の名前や条件だけでなく、その会社が何を大切にしているのか、そこで働く人たちがどんな思いで仕事をしているのかにも目を向けてほしいと思います。

そして、自分自身について考える時間も、ぜひ大切にしてください。
迅技術経営の壁打ちが、そのきっかけの一つになれば嬉しく思います。

就職先を決めることよりも、もっと長いこれからの人生。
その人生を、自分自身の意思で歩んでいってほしいと願っています。

キャリアコンサルタント上島美和

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