“助け合いは偶然ではなく、つくり出すもの”
勉強会で話題になっていたことをきっかけに、川上徹也さんの『あの日、小林書店で。』を読みました。小さな書店を舞台にした物語ですがページをめくるほどに「人が人を支えるってどういうことだろう」という問いが胸の中で温かく広がっていきました。
私が特に良かったと思ったのは、この物語が“互いに助け合う力”をやわらかく、でも本質的に描いていたところです。
そっと寄り添うからこそ、人は変われる
この本に出てくる人たちは、誰もが“押しつけるような正しさ”ではなく相手の課題に静かに寄り添う姿勢を持っています。無理に解決してあげるのではなく、相手が自分で気づき、前に進めるような“余白”を大切にしている。経営支援の仕事でも同じだと思います。課題は見えていても答えを渡すことよりその人が自分の足で立ち上がれる関わり方のほうが、長い目で見て本当の価値になる。物語を通じて、その大切さをあらためて感じました。
助け合いは「偶然」ではなく「巻き込み」が生むもの
本を読みながら心に残ったのは、きづいたら助け合っていた……ではなく、互いを巻き込みながら、“自分も良くなり、相手も良くする”関係性をつくっていくこと。という視点です。助け合いは自然発生するように見えて、実は意図と行動が必要。
自分から声をかける
相手の強みを認める
自分の弱さも見せる
小さな出来事を積み重ねる
その積み重ねが、気づけば大きな支え合いにつながる。これは組織づくりにも通じます。「良い組織文化」は偶然ではなく、“誰かが誰かを巻き込む”行動から生まれるのだと思います。
年長者の成功と失敗は、若者にとって「未来の地図」になる
物語の中では、年長者の人生経験が若者の悩みを解くヒントになっていく場面が印象的です。年齢を重ねてきた人の成功、失敗、喜び、苦しみそのすべてが、若い世代にとって“未来の地図”になるのです。
平時の関係性が、非常時の支えになる
本当に困ったときに人を救うのは急に築かれる関係性ではなく、普段からの小さな交流や信頼の積み重ねです。「困ったら頼ってください」よりも、普段の何気ない雑談・相談・気づかいが大切。小林書店の人たちの関係性は、そんな“平時の結び目”の強さで成り立っていました。
最後に
『あの日、小林書店で。』は、一見すると小さな物語ですが、やりがい・組織・人間関係に向き合うヒントがぎゅっと詰まっている本でした。
- 寄り添う
- 巻き込む
- 経験を渡す
- 平時の関係を育てる
どれも支援の仕事にも、組織づくりにも通じています。
キャリアコンサルタント上島美和