いのち輝くホスピタリティ 望月智行著 「情六割」の診療
士業育成システムで士業を共に育ち恩を送る人材(共育恩送)へと育成し、共育恩送の輪が広がることを目指す西井克己です。
望月智行著 いのち輝くホスピタリティ 文屋を久しぶりに読みました
今日読んだ中で一番心に響いた言葉を記録したいと思います。
引用開始
いのち輝くホスピタリティ 122ページより
医師として患者様と向き合うとき、私は常に二つの要素を組み立てています。一つは、医療の専門家として状況を冷静に判断し、適切な処方や治療を決定していく理論的・科学的な要素、すなわち「理」の要素です。
もう一つは、患者様の置かれている背景や、苦しみや悩みなどのメンタルな部分を見つめる「情」の要素です。
その中で特に心がけていることは、「厳しいことをやさしく伝える技術」です。
中略
そこで私はいつも「情六割」の診療を心がけています。
引用終了
私は、中小企業診断士になる前に再現性を求められるサイエンスの世界で生きていました。
言葉を発しない物質の声なき声を聴くためには、目の前に起きた現象を論理的に解釈し、仮説検証を繰り返して、正解にたどり着く。
(事業活動における研究開発の正解とは、お客様が求める品質を再現性良く満足すること、かつ目標コストを満足すること)
これが当たり前でした。いわゆる理がの要素が大きい世界でした。
一方で、中小企業診断士となると理の部分はあくまでできて当たり前、それに情の部分を考慮しなければいけない。
これに気付くのに大分時間を要しました。
人の命に係わる医療は、我々診断士の世界よりも技術的に求められることが多いにもかかわらず、人のことなので情が6割、理が4割。
やっぱり人がかかわると情の割合が多くなると感じました(あくまで、理がしっかりとしている前提での情だと思います)。