「現場が忙しくて研修に出せない」は、本当でしょうか?

「現場が忙しくて社員を研修に出す余裕がない。」
経営者の方とお話をしていると、この言葉を耳にする機会が少なくありません。
確かに、人手不足の中で一人が現場を離れることへの不安は大きいものです。
特にリーダー候補となれば、「あの人がいないと現場が回らない」と感じるのも無理はありません。

しかし、私はいつも思います。
最初から余裕のある会社など存在しません。

「余裕ができたら研修に出そう。」
そう考えているうちは、その余裕はなかなか生まれないのです。


忙しさの原因は、「育成できていないこと」かもしれない

現場が忙しい理由はさまざまです。
仕事量が多い、人手が足りない、受注が増えている…。
もちろん、それらも大きな要因です。
しかし、その忙しさをさらに大きくしている原因の一つが、 「任せられる人が育っていないこと」 ではないでしょうか。
いつも同じ人が判断し、同じ人が指示を出し、同じ人しか対応できない。
その人が休めば現場が止まり、研修にも出せない。
そうした状態が続けば、忙しさはいつまで経っても変わりません。
だからこそ、私はリーダー候補を思い切って研修へ送り出す決断が必要だと考えています。

意外と現場は回るもの

「本当に大丈夫だろうか。」 送り出す前は誰もがそう思います。
ですが実際には、多くの現場は何とか回るものです。
残ったメンバー同士で相談しながら進めたり、これまで指示を待っていた社員が自分で考えて行動したり。
リーダーがいないからこそ、一人ひとりが少しずつ責任を持ち始めます。
もちろん完璧ではありません。 多少の遠回りや失敗もあるでしょう。
しかし、その経験こそが現場を強くしていきます。

リーダー不在は、現場の成長のチャンス

リーダーが研修へ行くことで成長するのは研修を受ける本人だけではありません。
現場に残るメンバーにも、大きな学びがあります。
「自分で判断しなければならない。」
「いつもリーダーがやってくれていた仕事は、こんなに大変だったのか。」
そんな気づきが生まれます。

責任を持って考え、仲間と協力して乗り越えた経験は、その人自身の自信につながります。 リーダーが一時的に不在になることは、現場にとっても成長の機会なのです。

リーダー自身も、「安心して抜けられる準備」をする

一方で、研修に参加するリーダー候補にも大切な役割があります。
それは、安心して現場を任せられる準備をすることです。
担当業務を整理する。 引き継ぎを行う。 判断に迷いそうなポイントを共有する。
「困ったら相談してね」ではなく、「こんな場合はこう判断してほしい」と具体的に伝える。
こうした準備も、リーダーとして欠かせない仕事です。
「自分がいないと現場が回らない。」
それは一見頼もしく聞こえますが、本当に目指したい姿ではありません。
本来リーダーが目指すべきなのは、 「自分がいなくても現場が回る状態をつくること」 です。 人に任せることも、育てることも、リーダーの大切な仕事なのです。

研修は、未来への投資

研修は、知識を増やすためだけのものではありません。
リーダー候補は視野を広げ、現場では残ったメンバーが考えて動く力を養う。
双方が成長することで、組織全体の力が高まっていきます。
「忙しいから育てられない。」 そう考えている限り、忙しさは変わりません。
しかし、 「忙しいからこそ育てよう。」
そう決断した会社は、少しずつ任せられる人が増え、現場に余裕が生まれていきます。
育成は、時間ができてから始めるものではありません。
時間を生み出すために始めるものです。
未来の現場を支えるリーダーを育てるためには、経営者が送り出す勇気を持つこと。
そして、リーダー自身が安心して任せられる準備をすること。
その積み重ねが、「誰か一人に頼る組織」ではなく、「みんなで支え合える組織」をつくっていくのだと私は思います。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

今日からできる、小さな習慣

「お母さん、今日ね~…」
「お父さん、聞いて!」
子どもは毎日、私たちにたくさんの話をしてくれます。
でも夕方は、一日の中でも特に忙しい時間帯です。
夕飯の支度に、洗濯、お風呂の準備、明日の予定の確認…。
子どもの話を聞きながらも、頭の中は次にやることでいっぱいになってしまうこともあります。

私自身も、そんな毎日を過ごしてきました。
だからこそ思うのです。

子どもに必要なのは、何時間も一緒に過ごすことではなく、「今、この子に向き合おう」と意識する時間なのではないかと。

目を見て話すということ

子どもが話しかけてきたら、ほんの少しだけ手を止めてみる。
そして、子どもの目を見て話を聞く。
「そうなんだね。」
「それでどうしたの?」
「嬉しかったんだね。」

たった30秒でも、1分でも構いません。
目を見て話を聞いてもらえた子どもは、「ちゃんと受け止めてもらえた」と感じます。

一方で、「うん、うん」と返事をしながらスマートフォンを見ていたり、料理を続けながら話を聞いていたりすると、言葉では返事をしていても、「聞いてもらえなかった」と感じることがあります。

子どもは、親の視線や表情から、「自分に関心を向けてくれているか」を敏感に感じ取っています。

忙しいからこそ、質を大切に

「もっと子どもと向き合う時間をつくってあげたい。」
そう思う親は多いと思います。

でも、一日は誰にとっても24時間。
仕事をしていても、専業主婦でも、子育て中は誰もが忙しいものです。
だから私は、「時間の長さ」よりも「時間の質」を意識したいと思っています。

10分間なんとなく一緒にいるよりも、1分間しっかり目を見て話す。
その1分が、子どもにとっては「自分は大切にされている」という安心感につながります。

子どもの心に残るもの

子どもは、大人になって「どんな話をしたか」を細かく覚えているわけではありません。
でも、
「お母さんが笑顔で聞いてくれた。」
「お父さんが最後まで話を聞いてくれた。」
そんな記憶は、不思議と心に残るものです。

安心して話せる経験を積み重ねることが、「自分は大切な存在なんだ」という自己肯定感にもつながっていくのではないでしょうか。

特別なことをする必要はありません。

高価なおもちゃや毎週のお出かけよりも、子どもは親との何気ない時間を大切にしています。

だから今日から、一つだけ意識してみませんか。
子どもが話しかけてきたら、少しだけ手を止める。
そして、子どもの目を見て話を聞く。

たったそれだけのことです。

忙しい毎日だからこそ、「一緒にいる時間」を増やすことは難しいかもしれません。
でも、「向き合う時間」の質は、自分で変えることができます。

子どもの話を最後まで聞く。
目を見て、「そうなんだね」と受け止める。

一見すると、とても小さなことです。
でも、その積み重ねが、「自分の話を聞いてもらえた」という安心感を育みます。

安心して自分の気持ちを話せる子どもは、自分で考え、自分で選び、自分の言葉で伝えられる大人へと成長していきます。

今日からできる、小さな習慣。
子どもの目を見て話すことから始めてみませんか。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

「○○職だから」は、あなたの未来を狭めていませんか?

「私は事務職なので、それ以外の仕事はしたくありません。」
研修や企業訪問の中で、このような言葉を耳にすることがあります。

もちろん、自分の専門性を大切にすることは悪いことではありません。事務職には事務職の、製造職には製造職の、営業職には営業職の専門性があります。その専門性を磨くことは、会社にとっても本人にとっても大切なことです。

しかし、気になるのは「私は○○職だから」という言葉が、自分の可能性にまで線を引いてしまっているケースです。

例えば、事務職だから改善活動には関わらない。営業だから採用活動は関係ない。製造職だから人前で話すのは苦手だからやらない。
そのように考えてしまうと、自分自身で未来の選択肢を狭めてしまうことになります。

会社で働いていると、思いがけない仕事を任されることがあります。後輩を育成する立場になることもあれば、プロジェクトを任されることもあります。部署を越えて意見を求められる場面もあるでしょう。
そのときに、「それは私の仕事ではありません」と断ってしまえば、その経験から得られたはずの成長の機会も失われてしまいます。

一方で、「やってみます」と一歩踏み出した人は、新しい知識や経験だけでなく、自分でも気づかなかった強みを見つけることがあります。

キャリアは、職種を積み重ねるものではありません。
経験を積み重ねるものです。
どんな仕事を経験し、どんな人と出会い、何を学んできたのか。その積み重ねが、自分らしいキャリアをつくっていきます。

私自身も、社会に出たばかりの頃は、人材育成の仕事に携わる自分を想像していませんでした。

専業主婦を経て再就職を考えたとき、これまでの経験を振り返りました。その中で一番やりがいを感じていたのは、後輩を育成し、その人が成長していく姿を支えることでした。
「私は事務職だから」という職種ではなく、「人の成長を支えたい」という自分の強みに目を向けたことで、目指す方向が見えてきました。その強みをもっと磨きたいと思い、学びを続け、国家資格キャリアコンサルタントを取得しました。現在は、人材育成の仕事に携わり、多くの方の成長を支援しています。

もしあのとき、「私は事務職だから」と職種だけで自分を決めつけていたら、今の私はなかったと思います。

人生の経営者は、自分自身です。

会社から与えられた職種だけで自分を決めるのではなく、「自分は何が得意なのか」「どんなときにやりがいを感じるのか」という視点で、自分自身を見つめてみてください。

職種は、あくまでも今の役割の一部です。
一方で、強みは、どんな仕事でも生かすことができます。
「これは自分の仕事ではない」と可能性に線を引くのか。
「まずはやってみよう」と一歩踏み出すのか。

その小さな選択の積み重ねが、5年後、10年後のあなたの未来を大きく変えていきます。

私は、「職種」よりも「強み」に目を向けることで、自分のキャリアが大きく広がりました。

だからこそ、皆さんにも問いかけたいのです。
今の職種や役割で、自分の未来まで決めてしまっていませんか。

職種や役割で自分を縛るのではなく、自分の強みで未来を描く。
そんな視点を持つことが、人生の選択肢を広げ、自分らしいキャリアを築く第一歩になるのではないでしょうか。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

管理職になってから気づく、研修の本当の価値

「研修を受けても、時間が経てば内容を忘れてしまうからあまり意味がない。」
そんな声を耳にすることがあります。
確かに、研修で学んだ知識や手法は、実践しなければ少しずつ薄れてしまうかもしれません。しかし、管理職になって初めて「あの研修を受けていて良かった」と実感するものがあります。

それは、部署を超えた仲間とのつながりです。

管理職になると、自部署だけを見ていれば仕事が進むということはほとんどありません。
製造、品質管理、営業、総務など、それぞれの部署と連携しながら、会社全体の最適を考えて判断する場面が増えていきます。

そんなとき、大きな支えになるのが、研修で一緒に学んだ他部署の仲間の存在です。

「少し相談してもいい?」
「現場ではどう考えている?」
「こういう改善を考えているけど、そっちの部署にどんな影響がある?」
「この件、一緒に考えて欲しいんだけど…」

こうした一言が自然に言える関係性は、日々の業務だけではなかなか築けるものではありません。

研修という場で同じ課題について考え、意見を交わし、お互いの価値観や立場を理解した経験があるからこそ、生まれる信頼関係があります。

私たちが実施している次世代管理職研修でも、知識を身につけることはもちろん大切にしています。
しかし、それと同じくらい大切にしているのが、「対話」です。

一人で考えるだけではなく、異なる部署の仲間と意見を交わし、互いの考え方や背景を知ることで、自部署の視点だけでは見えなかった気づきが生まれます。
そして、その時間をともに過ごした仲間は、数年後、管理職として組織を支える立場になったとき、かけがえのない存在になります。

管理職は、ときに孤独です。

判断に迷うこともあれば、正解のない課題に向き合わなければならないこともあります。そんなとき、「あの人に相談してみよう」と思える相手が他部署にいることは、大きな安心感につながります。

それは、単なる”顔見知り”ではありません。一緒に学び、考え、悩んだ経験があるからこその信頼です。研修の成果は、受講直後のアンケートだけでは測れません。

数年後、部署の垣根を越えて管理職同士が自然に相談し合い、協力し合える組織になっていること。

それこそが、研修が企業にもたらす本当の価値ではないでしょうか。

知識やスキルは、組織を動かすために欠かせません。しかし、それらを生かすのは「人と人との信頼関係」です。

私は、次世代管理職研修を、管理職を育てる場であると同時に、未来の組織を支え合う仲間を育む場でもあると考えています。
管理職になってから気づく研修の本当の価値は、テキストの中ではなく、人とのつながりの中にあるのかもしれません。

人は一人では組織を変えられません。

だからこそ、未来の管理職同士が支え合える関係を、研修の中で育てていきたい。
私は、そんな想いを大切にしながら、一人ひとりの成長と、組織の未来づくりを支援していきます。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

子育て中の人にこそ知ってほしい「傾聴」の力

子育てをしていると、「ちゃんと話を聞いているのに、どうしてうまくいかないんだろう。」そんなふうに感じることはありませんか。
私は国家資格キャリアコンサルタントとして学ぶ中で、「傾聴」という考え方に出会いました。
傾聴は、ただ相手の話を聞くことではありません。
「相手が安心して自分らしく話せる関わり方」です。

この考え方を提唱したのが、アメリカの心理学者、カール・ロジャーズです。
ロジャーズは、「人は本来、自ら成長し、より良くなろうとする力を持っている」と考えました。その力を引き出すために大切なのが、相手を尊重し、安心して話せる関係を築くことだと説いています。

私はこの考え方は、キャリア支援だけではなく、子育てにもそのまま当てはまると感じています。

傾聴の3つの姿勢

ロジャーズは、相手と関わる上で大切な姿勢として、「受容」「共感」「自己一致」の3つを挙げています。

受容

受容とは、相手を評価したり否定したりせず、「あなたはそう感じたんだね」と、まずはありのまま受け止めることです。
子どもが学校で嫌なことがあったと話したとき、すぐに励ましたり解決策を伝えたりする前に、その気持ちを受け止める。
それだけで子どもは、「分かってもらえた」という安心感を得られます。

共感

共感とは、「かわいそう」と思うことではありません。
子どもの立場に立ち、「どんな気持ちだったのかな」と理解しようと努める姿勢です。
親にとっては小さな出来事でも、子どもにとっては人生で初めて経験する大きな出来事かもしれません。
子どもの世界を、子どもの目線で見ようとすることが共感です。

自己一致

自己一致とは、自分の気持ちをごまかさず、自然体でいることです。
親だからといって、いつも笑顔で完璧でいる必要はありません。
疲れている日には、「今は少し疲れているから、夕食の後にゆっくり話を聞かせてね。」
と素直に伝えることも大切です。無理をして笑顔を作るよりも、誠実に向き合う姿勢が、子どもとの信頼関係につながります。

子どもには、自分で育つ力がある

親は、子どもに多くのことを教えようとします。もちろん、それも大切です。
でも、ロジャーズが信じたように、人には本来、自ら成長する力があります。
親の役割は、その力を信じ、安心して挑戦できる環境を整えることなのかもしれません。

子どもの話を最後まで聴く。
気持ちを受け止める。
一緒に考える。

その積み重ねが、「自分は大切にされている」という自己肯定感につながり、自分で考え、自分で選び、自分の人生を歩む力を育てていきます。

子どもは、聴いてもらえた経験を力に変えます。
そして、その経験は将来、家庭や職場など、さまざまな人間関係の中で受け継がれていくでしょう。
忙しい毎日だからこそ、ほんの5分でも、子どもの話を最後まで聴いてみる。
その時間が、子どもの未来への大切な投資になると私は信じています。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

研修は「行動を変える場」

企業から研修のご相談をいただく際、
「社員にもっと主体的に動いてほしい」
「研修を受けても現場でなかなか変化が見られない」
というお悩みを伺うことがあります。

確かに研修では多くの知識を学ぶことができます。しかし、知識を得ることと行動が変わることは必ずしも同じではありません。

私自身、これまで多くの研修に参加してきましたが、振り返ってみると印象に残っているのは知識そのものではなく、「自分はどうしたいのか」「明日から何をやってみようか」を考えた時間でした。

研修の本当の価値は、知識を増やすことではなく、行動のきっかけをつくることにあるのではないでしょうか。

例えば、新入社員研修では社会人としての基本を学びます。しかし、報連相の重要性を知っているだけでは十分ではありません。
「まずは自分から挨拶をしてみよう」
「分からないことをそのままにせず質問してみよう」
そんな小さな一歩を踏み出して初めて学びが活かされます。

また、3年目研修では、自分の仕事だけでなく周囲への関わり方も求められるようになります。

その際に大切なのは、「こうあるべき」という正解を教わることではなく、自分自身で考えることです。

職場環境も、関わる人も、置かれている立場も一人ひとり異なります。そのため、誰かの答えをそのまま真似するのではなく、自分なりの答えを見つける必要があります。

迅技術経営の研修では、講義だけでなく対話や体験を重視しています。
キャリアストームやマネジメントゲームなどの体験型研修もその一つです。

実際に体験し、考え、仲間と対話することや他者の行動から気づきを得ることで、自分が持っていなかった考え方や価値観に出会うことができます。

人は「教えられたこと」よりも、「自分で気づいたこと」の方が行動につながりやすいと言われています。
だからこそ、私たちは答えを与えるだけではなく、自ら考える機会を大切にしています。

研修を受けたその日だけ意識が高まるのではなく、翌日からの行動が少しでも変わること。そして、その小さな変化が積み重なり、一人ひとりの成長につながること。
それが研修の目指す姿だと思います。

「人生の経営者は自分自身」

研修もまた、自分自身の成長を考える大切な機会です。これからも、一人ひとりが自ら考え、行動するきっかけとなる研修づくりに取り組んでいきたいと思います。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

子育てが終わった時、誰のせいにもしないために

子どもが小さい頃は、本当にたくさんの意見が飛び交います。
「小さいうちは母親が家で見るべき」
「今は仕事を続けた方がいい」
「子どもとの時間は今しかない」
「キャリアは途切れさせない方がいい」
どの意見にも一理あります。
だからこそ迷います。

私自身も専業主婦の時期があり、その後パート、契約社員を経て今に至ります。
振り返ると、その時々で悩みながら選択してきました。
子育てに正解はありません。
だからこそ大切なのは、誰かの正解を探すことではなく自分で選ぶことだと思っています。
もし子どもが小さいうちは家で過ごしたいと思うなら、その選択をすればいい。
仕事を続けたいと思うなら、その選択をすればいい。
大切なのは、その選択が世間の正解かどうかではありません。

自分が納得して決めたかどうかです。
なぜなら子育てが一段落した時、その答え合わせをするのは自分だからです。

「あの時、本当は働きたかったのに」
「あの時、本当は子どものそばにいたかったのに」
そんな思いが残った時、

「夫が反対したから」
「義父母にそう言われたから」
「周りがそうしていたから」
と誰かのせいにしたくなるかもしれません。

でも、自分で考え、自分で選んだ道ならどうでしょう。

うまくいかなかったことがあったとしても、
「あの時の自分が考えて決めたこと」
として受け止められるのではないでしょうか。

周りの意見を聞くことは大切です。
けれど最後に決めるのは自分。
そして選んだ道を、自分で正解にしていく。

子育てが終わった時「あれで良かった」と思えるかどうかは、どちらを選んだかではなく、自分で選んだかどうかです。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

当たり前を疑え

先日、企業の現場を訪問した際に改めて感じたことがあります。

それは、「改善のタネは、特別なところではなく、日常の中にある」ということです。

現場では毎日同じ作業を繰り返します。

だからこそ、
いつの間にか「これが当たり前」と思い込み、そのやり方に疑問を持たなくなります。

しかし、改善の第一歩は、「本当にこのやり方がベストなのだろうか?」と問いかけることです。

例えば、
・よく使う道具なのに取りに行くまでに数歩歩いている
・作業ごとに何度も同じ場所へ移動している
・ゴミ箱が遠く、捨てるために何度も往復している
・人やモノの流れが交差している
こうしたことは、一つひとつを見ると小さなことかもしれません。
しかし、その小さなムダが毎日積み重なると、大きな時間ロスになります。

特に意識したいのが「導線」です。

作業者がどのように動いているのか。
どこから道具を取り、どこで作業し、どこへ移動しているのか。

実際に現場に立って観察してみると、
「なぜここに置いているのだろう?」
「このゴミ箱、もう少し近くにあった方が便利では?」
「この道具は使用頻度が高いのだから手元に置いた方が良いのでは?」
という気づきが出てきます。

改善というと大掛かりな設備投資や仕組みづくりをイメージする方もいますが、必ずしもそうではありません。

道具の置き場所を変える。
ゴミ箱を増やす(減らす)、回収導線を意識して配置する。
棚の配置を変える。

それだけでも作業効率が大きく向上することがあります。

そして私は、こうした改善活動は人材育成にもつながると考えています。
言われたことをそのままやるのではなく、
「もっと良くする方法はないだろうか?」
と考える習慣が身につくからです。

改善提案が活発な職場には、自ら考え行動する人が育ちます。

まずは身近なところから、今の職場を見渡してみてください。
道具の置き場所は最適でしょうか。
ゴミ箱の数や配置は適切でしょうか。
人の動きにムダはないでしょうか。

当たり前を疑うこと、そこに現場改善の第一歩がありますよ。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

本を読む時間は、自分との対話の時間

~コスパ・タイパだけでは測れない読書の価値~

最近は、何かを選ぶときに
「コスパがいい」
「タイパがいい」
という言葉をよく耳にします。

限られた時間やお金を有効に使うことは、もちろん大切です。

でも私は、本を読むことまでコスパやタイパで考えるのは、少し違うのではないかと思っています。

「この本を読んだら、何が得られるのか」
「何時間で読み終えられるのか」
「要約を読めば十分ではないか」
「生成AIにまとめてもらえば早いのではないか」

確かに、情報を得ることだけが目的なら、それでもいいのかもしれません。
今はインターネットで検索すれば、たくさんの情報が出てきます。
生成AIに質問すれば、知りたいことを分かりやすく整理してもらうこともできます。
だからこそ、私は思います。

本を読む価値は、情報を得ることだけではない。

むしろ、本を読みながら自分自身について考える時間にこそ、価値があるのではないでしょうか。

本を読みながら、自分と対話する

本を読んでいると、ふと手が止まることがあります。

「これは、自分にも当てはまるな」
「私はこの考え方とは少し違うかもしれない」
「そういえば、あのとき私はなぜあんな判断をしたのだろう」
「これから自分はどうしたいのだろう」

本に書いてあることを読んでいたはずなのに、いつの間にか自分自身について考えている。

私は、それが読書のおもしろさだと思っています。
本を読むことは著者との対話であると同時に自分との対話でもある。

自分は何を大切にしているのか。
どんなことに違和感を覚えるのか。
これからどう生きたいのか。

普段の生活では目の前の仕事や家事に追われて、こうしたことをゆっくり考える時間は意外とありません。ですが本を開くことで強制的に少し立ち止まることができます。

タイパが悪いからこそ意味がある

本を読んでいて、

同じページをもう一度読む。
前のページに戻る。
気になった言葉に線を引く。
本を閉じて、しばらく考える。

一見すると、どれも「タイパが悪い」行動です。

でもその時間の中で、
これまでの経験と本の内容がつながったり
自分でも気づいていなかった価値観に気づいたり
今までとは違う視点が生まれたりします。

10分で要約を聞けば分かる内容を、数時間かけて読む。
効率だけを考えれば、無駄に見えるかもしれません。

でも、人間の思考はそんなに単純ではありません。

遠回りをしながら考えるからこそ、自分の中に残るものがあります。

何冊読んだかより、何を考えたか

年間100冊。月10冊。読書量を目標にすることが悪いわけではありません。

ただ私は「何冊読んだか」よりも、一冊の本を読んで自分が何を考えたかのほうが大切だと思っています。

たった一つでも、
「明日からこれをやってみよう」
「私はこうありたい」
「これまでの考え方を少し変えてみよう」
と思えるものがあれば、その一冊には十分な価値があります。

逆に、たくさん読んでも「読んだ」という事実だけで終わってしまえば、少しもったいない。読書のゴールは、冊数を増やすことではありません。

読んだことをきっかけに、自分の考えが深まったり、行動が変わったりすること。
私はそこに意味があると思っています。

同じ本でも、読む時期によって違って見える

数年前に読んだ本をもう一度読むと、「こんなこと書いてあったかな?」と思うことありませんか?

以前は何とも思わなかった文章が、急に心に残る。
それは、本が変わったわけではありません。
自分が変わったからです。

経験が増えたり、
立場が変わったり、
悩んでいることが変わったりすると、
同じ文章から受け取るものも変わります。

だから本は、一度読んだら終わりではない。
そのとき、そのときの自分と向き合うためのものでもあるのだと思います。

効率では測れない時間を持つ

仕事では、効率化は大切です。コスパやタイパを意識したほうがいい場面もたくさんあります。
生成AIやデジタルツールも、便利なものはどんどん活用すればいいと思います。
でも、人生のすべてを効率化しなくてもいいのではないでしょうか。

本を読む
立ち止まる
考える
自分に問いかける
また読む

そうやって過ごす時間は、一見すると遠回りです。
でも、その遠回りが自分の価値観やこれからの生き方を考える時間になることがあります。

だから私は本を読むときくらい、コスパやタイパなんて気にしなくてもいいと思っています。

すぐに役に立たなくてもいい。
全部理解できなくてもいい。
読むのに時間がかかってもいい。
本を読む時間は、情報を仕入れるためだけの時間ではありません。
忙しい毎日の中で、自分自身とゆっくり対話する時間。
そんな読書の時間を、大切にしていきたいと思います。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

研修のゴールは「参加すること」ではなく「行動が変わること」

今は、知りたいことがあればインターネットで調べることができます。

検索すればたくさんの情報が出てきますし、AIを使えば、分からないことについてすぐに説明を受けることもできます。以前に比べれば、「知識や情報を得ること」そのものは格段に簡単になりました。

では、そんな時代に、わざわざ仕事の時間を使って社員が研修に参加する意味は何なのでしょうか。

私は、研修の価値は単に「知らなかったことを教えてもらうこと」だけではないと思っています。

研修の本当のゴールは、学んだことによって、その人の行動が変わること。
つまり、行動変容にあるのではないでしょうか。

「知っている」と「できる」は違う

例えば、
「部下の話をよく聞きましょう」
「数字を見て意思決定しましょう」
「自分で考えて行動しましょう」
こうしたことは、インターネットで調べたり、本を読んだりすれば学ぶことができます。

多くの人は、言われなくても「それは大切だ」と分かっているかもしれません。
それでも、実際の職場ではなかなかできない。なぜでしょうか。

それは、知っていることと、実際に行動できることは別だからです。

頭では理解していても、実際にやってみるとうまくいかない。

自分ではできていると思っていたけれど、他の人と一緒に取り組んで初めて、自分の考え方や行動の癖に気づく。

こうした経験は、知識を得るだけではなかなか得られません。

だからこそ、私はこれからの研修では、「何を教えるか」以上に「何を体験できるか」が重要になると考えています。

体験するから、自分ごとになる

迅技術経営では、マネジメントゲーム(MG)やキャリアストームなど、ゲームを活用した体験型研修を行っています。

例えばMGでは、参加者自身が経営者となって意思決定をします。

商品を仕入れる
設備に投資する
人を採用する
販売する

そして、自分の意思決定が会社の数字にどう影響したのかを確認します。

講師から、
「経営では利益が大切です」
「数字を見て判断しましょう」
と説明を受けるだけなら、知識として理解することはできます。

しかし、自分で意思決定をして、
「売上は上がったのに利益が残らなかった」
「もっと早く採用すればよかった」
「この投資は本当に必要だったのだろうか」
と経験すると、その言葉の意味は全く違ってきます。

自分で考え、自分で決め、その結果を自分で受け取る。
この体験があるからこそ、学びが自分ごとになります。

キャリアについても、体験しながら考える

キャリアストームも同じです。

専門職として専門性を高めるのか。
管理職として組織をまとめる道を選ぶのか。
一般社員として現場の第一線で活躍し続けるのか。

ゲームの中でさまざまな意思決定を繰り返しながら、自分自身のキャリアについて考えていきます。

「キャリアについて考えることが大切」
これも、インターネットや本から学ぶことはできます。

しかし、
実際に選択を迫られてみること。
選んだ結果を体験してみること。
そこから、自分が何を大切にしているのかに気づく。

それこそが体験型研修の価値だと思っています。

「楽しかった」で終わらせない

ただし、ゲームを使えば、それだけで良い研修になるわけではありません。

ゲームが盛り上がり、「楽しかったですね」で終わってしまえば、それは単なるイベントになってしまいます。

私たちが大切にしたいのは、その先です。

なぜ、その意思決定をしたのか。
その結果から、何に気づいたのか。
職場に戻ったら、何を変えるのか。

体験したことを振り返り、普段の仕事につなげる。
ここまであって、初めて研修の意味が生まれます。

研修後、何を変えるのか

行動変容というと、とても大きな変化を想像するかもしれません。

しかし、大きく変わる必要はありません。

例えば、
「次の会議では、自分から一度発言する」
「部下に指示を出す前に、まず話を聞いてみる」
「感覚だけではなく、数字を確認してから判断する」
「今まで避けていた仕事に一度挑戦してみる」
そんな小さな一歩でもいいと思います。

研修前と比べて、何か一つ行動が変わる。そして、その小さな変化を積み重ねていく。

それが人の成長につながり、やがて組織の変化につながっていきます。

「研修を受けた」で終わらせない

企業側も、
「今年も研修を実施した」
「管理職を研修に参加させた」
というところで満足してしまってはいないでしょうか。

研修への参加そのものが目的になってしまうと、せっかく時間と費用をかけても、十分な成果にはつながりません。

大切なのは、
研修を受けたあと社員の行動がどう変わったのか。
そこまで見ていくことです。

今は、インターネットやAIを使えば、多くの知識や情報を得られる時代です。
本を読めば、さらに深く、体系的に学ぶこともできます。
だからこそ研修では、知識を一方的に伝えるだけではなく、

体験する
考える
人と話す
振り返る
そして、職場で実践してみる

そこに価値があるのだと思います。

研修のゴールは、「知ったこと」ではなく「行動が変わったこと」。

迅技術経営では、ゲームをゲームで終わらせず、その体験を実際の仕事での行動につなげることを大切にしています。

研修を考えるとき、「何を学ぶか」だけではなく、
「研修後、社員にどんな行動をしてほしいのか」
そこから考えてみることが、人材育成の第一歩なのではないでしょうか。

迅技術経営のセミナーページ

国家資格キャリアコンサルタント上島美和