南洲翁遺訓 猪飼隆明訳・解説 角川ソフィア文庫

2019年11月3日 0 投稿者: nishii

自己努力と相手を慮ること双方を満足する士業を育成する仕組みを作り後世に残すことを目指す中小企業診断士西井克己です。

南洲翁遺訓 猪飼隆明訳・解説 角川ソフィア文庫を読みました。

引用開始

訳文 

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 天から与えられた道を実践する者には、災厄はつきものであるから、そんなとき、そのことがうまくいくかどうか、その身が生きるか死ぬかといったことなどはどうでもいいことなのだ。

 事には当然のことながら、うまくいくいかないがあり、物には出来不出来があるものだ。人は自ずとそのことに心を奪われがちであるが、人が実践しようとしているのは、その事とか物ではなく、天の道なのであるから、そこに上手下手などはなく、できないという人もないものなのだ。

 だから、ひたすら道を行い、道を楽しみ、もし困難や苦しいことに遭ったならば、ますますその道を実践し楽しむという心を持つがいい。私は、若い時から大抵の困難や苦しみを経験してきたから、今はどのようなことに出合っても動揺することはない。それだけは、幸せである。

引用終了

 中庸の一節に「誠は天の道なり、それを誠にするは人の道なり」とあります。

 天から与えられた道なので、歩めない人はいない。それがずっと平坦であるはずがない。その自分に与えられた道を歩むことを楽しむ心を持つ。

 進まずに後悔するよりも、進んで後悔する。そしてまた迷った時や困難にぶち当たった時にそれを基にさらに前に進める。

 例え困難でも与えられた道を歩み続けたほうが、人生を振り返った時には人として美しい。そう信じて私も与えていただいた道を進もうと思います。

 

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