リストラなしの年輪経営 塚越寛 光文社知恵の森文庫
自己努力と相手を慮ること双方を満足する士業を育成する仕組みを作り後世に残すことを目指す中小企業診断士西井克己です。
リストラなしの年輪経営 塚越寛 光文社知恵の森文庫 を読みました。
この本は、いい会社とつくりましょう~たくましく そしてやさしく~の社是で有名な
伊那食品工業株式会社の代表取締役会長塚越寛の著書です。
人手不足になり、従業員満足度が重視されるようになるずっと前から、社員を始め会社に関わっている人たちの幸せを第一に考えた経営を行っている会社で、ブロックス社のDOIT!や日本で大切にしたい会社大賞の第8回中小企業庁長官賞を受賞した会社です。
年輪経営いろいろなことが書かれており、いくつもなるほどと思うことがありましたが、今回は生産性向上についての箇所を引用したいと思います
引用開始
最近の経営者は、効率アップと言うと、すぐに何かの機械を買ったり、ITを導入することを考えます。確かに、機械化や省エネ、IT化に取り組むことは大切です。
しかし、現場の工夫があってこそ、それらは活きてきます。まず、知恵を出すことが先決なのです。知恵は無限大です。私などは新しい何かを欲しがるだけの人間を見ると、ついつい「そんなもん、止めてしまえ」と言ってしまいます。
機械や装置に頼ろうとしている限り、本当の効率化、合理化はできません。もっと根本的な対策に目を向ける必要があります。それは人間のやる気を向上させるということです。社員のやる気をアップさせる以上の効率化策、合理化策はありません。
人間はやる気によって知恵を出し、体を動かせば、二倍、三倍の能力を発揮します。機械の稼働率を上げたり、新しい機械を入れたりするより、よほど効果的です。
引用終了
この本を読む前の12月13日に石川県の商工会・商工会議所さんの指導員向け研修で生産性向上について講師を務めました。
その際に、生産性向上は、お金を使うことも大事ですが、小規模零細企業はお金がない状況なので、まず、お金を使わない方法を指導員として考えましょう。
そのことを第一にお伝えしてきました。
この本を読んだときに、今まで中小企業診断士として感じていたことに少し自信を持つことができました。
ただし、この本にも書かれている通り、やることも大事なのですが「やり続けること」が大事なので小規模事業者さんに寄り添ったソフト面での支援を常に心がけたいし、それを実践しなければと再認識しました。