経営の失敗学 菅野寛(日経ビジネス人文庫)
自己努力と相手を慮ること双方を満足する士業を育成する仕組みを作り後世に残すことを目指す中小企業診断士西井克己です。
経営の失敗学 菅野寛(日経ビジネス人文庫) を読みました。
この本は、成功する要因を分析するのではなく、なぜ失敗したのかということを掘り下げて考えている本で、読んでみていくつもなるほどと思うところがありました。
例えば、
他社や過去の自社と同じことをやっていると同質化競争に陥って失敗する
一方で他社や過去の自社と違うことをやれば不慣れなことに手を出して失敗する確率が高くなる
なので失敗する確率を下げるために明らかな地雷を地道に避けたりするが、
あまり地雷の排除を行うと戦略の角が取れて、同質化競争に陥る。
そのような論調で、失敗する事について述べられています。
この本で最もなるほどと思ったところを引用いたします
引用開始
地雷の排除作業は、天才のひらめきや思いつきによる作業ではなく、地道なローラー作戦です。詳細は第Ⅱ部で説明しますが、論理的に、緻密に、地道に考えて調査・分析すれば、多くの地雷は発見し排除することができます。地雷の大半は、当たり前の基本的なことができていないといった類のものです。たとえば、現状の戦略や施策について「お客様のニーズと乖離していないか」「市場は十分な大きさか」と、基本的な事柄を常に問い直し、修正していくだけでも、かなりの部分、地雷は回避できるのです。
負けない戦略は、才能やひらめきではなく、地道な努力で作ることができます。天才の才能やひらめきに頼る戦略はうまく当たったときは、「かっこいい」のですが、そもそも属人的は技量に頼っているので、再現性や持続性に乏しいのです。
引用終了
中小企業は、経営者の才覚によって大きく業績が変わります。その方は天才であることは少ないですが、それでもその才能やひらめきに頼って戦略が当たると大企業ではありえない成長をします。
しかし、優秀ではない経営者になるとその業績は悪くなります。
中小企業は、ある程度の規模感のある会社のように常に失敗を恐れた経営はできないのかもしれません。
しかし、大きく伸びたあとにそれ以上に下がらないように、大きく伸びた後にこそこの失敗しない地道な努力をすることも大切なのではと思いました。
ドラッカーの5つの問いではありませんが基本的な問いを繰り返すことも大事である。そう再認識いたしました
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