「茹でガエル」になる前に

「とりあえず今の仕事を頑張ればいい」
「毎日忙しいし、考える暇がない」
「そのうち何か見えてくるだろう」

そうやって自分のキャリアを深く考えないまま、
日々を過ごしていませんか?

でも実は、キャリアは“意識しないこと”の方が怖いのかもしれません。

「茹でガエル」の話があります。

熱湯にカエルを入れると驚いて飛び出しますが、
水の状態から少しずつ温度を上げると、
危険に気づかず茹で上がってしまうという話です。

この話は、キャリアにも似ていると感じます。

急激な環境変化には気づけても、

・なんとなく毎日が過ぎる
・言われた仕事をこなす
・学ばなくなる
・挑戦しなくなる

こうした“ゆるやかな停滞”には自分ではなかなか気づけません。

そして数年後、

「自分は何がしたいんだろう」
「このままでいいのかな」
「市場価値って何だろう」

そんな不安を感じ始める。

でもその時に急に変わろうとしても、なかなか難しい。

だからこそ、若いうちから“自分のキャリアを意識すること”が大切なのだと思います。

キャリアというと、転職や昇進だけをイメージする人もいます。

ですが本来は、

「どんな力を身につけたいか」
「どんな人と働きたいか」
「どんな人生を送りたいか」

そういった自分自身の“生き方”を考えることでもあります。

会社任せではなく、親任せでもなく、学校任せでもない。

自分の人生の方向を、自分で考える。それがキャリアを考えるということです。

だから私は、

・本を読む
・新しい人と会う
・学ぶ場に行く
・小さく挑戦してみる
・自分の考えを言葉にする

こうした行動が大切だと思っています。

未来は、何もしなくても勝手に良くなるものではありません。

でも意識して行動している人は、少しずつ自分の未来を変えていける。

「まだ若いから」ではなく、若いうちだからこそ。キャリアは意識した人から少しずつ動き始めます。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

https://www.facebook.com/share/17Yz7Lvqc6

営業とは「相手のお悩みを解決すること」

「営業」と聞くと、“売り込む仕事”
というイメージを持つ方も多いかもしれません。

ですが、私は営業とは「相手のお悩みを解決すること」だと思っています。

だからこそ、女性は営業に向いていると感じる場面が多くあります。

例えば、

・相手の話を丁寧に聞く
・ちょっとした変化に気付く
・「言語化されていない本当に困っていること」を感じ取る
・相手に合わせて言葉を選ぶ

こうした力は、営業においてとても大切です。

もちろん、男性・女性で一括りには出来ません。

ですが子育てや家庭、地域との関わりの中で、
自然と“相手を見る力”を身につけている女性は多いと感じます。

そして実は私自身も10年間、営業事務の仕事をしてきました。

営業担当のように前に立つ仕事ではありませんでしたが、

「お客様は何に困っているのか」
「どうすればスムーズに進むか」
「相手が求めていることは何か」

を考えながら動く毎日でした。

先回りして準備をしたり、伝わりやすいように調整したり、
相手が安心できるように対応したり。

営業事務の仕事も、“相手を支える営業”だったのだと思います。

実際「これを売りたい」ではなく
「この人の役に立ちたい」という気持ちで動ける人ほど
結果として信頼され、仕事に繋がっているように感じます。

特に中小企業では“モノを売る力”よりも
“信頼関係をつくる力”の方が重要になる場面も少なくありません。

だから私は、「営業経験がないから無理」
と思っている女性にこそ伝えたいのです。

あなたが普段誰かの話を聞き、相手を気遣い
「どうしたら良くなるかな?」と考えていること。

それは、立派な営業の力です。

営業とは押し売りではありません。

相手の悩みや困りごとに向き合い、一緒に解決方法を考えること。

そう考えると営業はもっと温かく、
人に寄り添う仕事なのだと思います。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

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「教える」だけで 人は育たない

~“飲みにケーション”が通用しにくい今、中小企業に必要なもの~

昔は仕事終わりの飲み会や何気ない雑談の中で上司や先輩との距離が縮まり
仕事への向き合い方や価値観が自然と伝わる場面が多くありました。

いわゆる“飲みにケーション”です。

そこには、単なる飲み会以上に接触回数を増やし信頼関係を築く役割 があったのだと思います。

ですが今は働き方や価値観が大きく変わりました。

子育て中の社員は、仕事が終われば家族との時間がある。
若い世代は、仕事とプライベートを分けたいと考える方も増えています。
お酒の席が苦手な人もいます。

昔のように「仕事終わりはみんなで飲みに行く」
という関わり方が当たり前ではなくなってきました。

だからこそ昔のやり方が良い悪いではなく
信頼関係を築く方法や、組織として大切なことを伝える方法を変える必要がある と感じています。

私が大切だと思うのは、接触回数を意識して増やすこと です。

人は1回深く話すこと以上に、
短い時間でも何度も関わることで安心感や信頼が生まれることがあります。

朝の「おはようございます」の一言
業務後の「どうだった?」という振り返り
ちょっとした雑談
報連相の確認

こうした小さな接点の積み重ねが社員との距離を縮め
話しやすい関係づくりにつながっていきます。

人材育成は一方的に“教えること”だけでは育ちません。

大切なのは接触回数を増やし対話を重ねる中で、組織としての方向性や大切にしたい考え方を少しずつ共有していくことです。

「なぜこの仕事をするのか」
「私たちの組織は何を大切にしているのか」
「どんな姿勢でお客様や仲間と向き合うのか」

こうした考え方は、一度伝えたから浸透するものではありません。

だからこそ日々の関わりや対話の中で少しずつ共有し、自分の言葉として理解してもらうことが大切なのだと思います。

中小企業は大企業のように体系的な教育制度を整えることが難しい場合もあります。
だからこそ日々の接触回数そのものが、人材育成や理念浸透の時間になる。

昔の“飲みにケーション”が減った今
必要なのは飲み会を復活させることではなく、
日常の中で接点を増やしていくこと なのかもしれません。

「教える」だけでは、人は育たない。
これからの中小企業に必要なのは接触回数を増やし、対話を重ねながら、
共に育つ組織づくりだと感じています。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

管理職は、「自分を律する力」を問われる

管理職になると部下の育成や数字の管理、チーム運営など、求められる役割が増えていきます。

ですが、私が管理職にとって大切だと感じる力のひとつは、
「自分を律する力」 です。

部下を育てる立場だからこそ、
まず問われるのは、自分自身の在り方ではないでしょうか。

感情をコントロールする力

忙しいとき、思うようにいかないとき
つい感情的な言葉が出そうになることがあります。

ですが管理職の一言は、
部下に多大な影響を与えます。

その場の感情で叱るのではなく、
「何を伝えるべきか」を考えて言葉を選ぶ。

感情に振り回されず、冷静に向き合うこと。

それも、自分を律する力のひとつです。

行動で示す力

「時間を守ろう」
「報連相を大切にしよう」
「挑戦してほしい」

そう伝えていても、
管理職自身ができていなければ、言葉の重みは薄れてしまいます。

部下は上司の言葉以上に日々の行動 を見ています。

約束を守る。
時間を守る。
小さなことでも誠実に向き合う。

自分が見本になる意識が信頼につながります。

部下や下の世代から学ぶ姿勢を持つ力

管理職になると、
「教える立場」「指導する立場」になることが増えます。

ですが管理職だからといって、
常に自分が正しいとは限りません。

価値観や働き方、情報の捉え方は時代とともに変化しています。

若い世代だからこそ持っている視点や、
現場に近い部下だからこそ気づいていることもあります。

だからこそ大切なのは、部下や下の世代から学ぶ姿勢 を持つこと。

「教える側」と「学ぶ側」を分けるのではなく、
相手の意見や考え方に耳を傾ける。

素直に受け止め、必要であれば自分の考えややり方を見直す。

この柔軟さが変化の大きい時代の管理職には求められているのではないでしょうか。

管理職は、役職ではなく“姿勢”が問われる

管理職とは部下を管理する立場ではなく
人を育て、組織を前に進める役割です。

その土台になるのが、自分を律する力。

感情を整えること。
言動を一致させること。
そして部下や下の世代からも学び続けること。

管理職に必要なのは、スキルや経験だけではありません。

自分自身を律し、学び続ける姿勢。

その“あり方”が、周囲から信頼される管理職へとつながっていくのだと思います。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

子育てが終わった時、誰のせいにもしないために

子どもが小さい頃は、本当にたくさんの意見が飛び交います。
「小さいうちは母親が家で見るべき」
「今は仕事を続けた方がいい」
「子どもとの時間は今しかない」
「キャリアは途切れさせない方がいい」
どの意見にも一理あります。
だからこそ迷います。

私自身も専業主婦の時期があり、その後パート、契約社員を経て今に至ります。
振り返ると、その時々で悩みながら選択してきました。
子育てに正解はありません。
だからこそ大切なのは、誰かの正解を探すことではなく自分で選ぶことだと思っています。
もし子どもが小さいうちは家で過ごしたいと思うなら、その選択をすればいい。
仕事を続けたいと思うなら、その選択をすればいい。
大切なのは、その選択が世間の正解かどうかではありません。

自分が納得して決めたかどうかです。
なぜなら子育てが一段落した時、その答え合わせをするのは自分だからです。

「あの時、本当は働きたかったのに」
「あの時、本当は子どものそばにいたかったのに」
そんな思いが残った時、

「夫が反対したから」
「義父母にそう言われたから」
「周りがそうしていたから」
と誰かのせいにしたくなるかもしれません。

でも、自分で考え、自分で選んだ道ならどうでしょう。

うまくいかなかったことがあったとしても、
「あの時の自分が考えて決めたこと」
として受け止められるのではないでしょうか。

周りの意見を聞くことは大切です。
けれど最後に決めるのは自分。
そして選んだ道を、自分で正解にしていく。

子育てが終わった時「あれで良かった」と思えるかどうかは、どちらを選んだかではなく、自分で選んだかどうかです。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

研修は「行動を変える場」

企業から研修のご相談をいただく際、
「社員にもっと主体的に動いてほしい」
「研修を受けても現場でなかなか変化が見られない」
というお悩みを伺うことがあります。

確かに研修では多くの知識を学ぶことができます。しかし、知識を得ることと行動が変わることは必ずしも同じではありません。

私自身、これまで多くの研修に参加してきましたが、振り返ってみると印象に残っているのは知識そのものではなく、「自分はどうしたいのか」「明日から何をやってみようか」を考えた時間でした。

研修の本当の価値は、知識を増やすことではなく、行動のきっかけをつくることにあるのではないでしょうか。

例えば、新入社員研修では社会人としての基本を学びます。しかし、報連相の重要性を知っているだけでは十分ではありません。
「まずは自分から挨拶をしてみよう」
「分からないことをそのままにせず質問してみよう」
そんな小さな一歩を踏み出して初めて学びが活かされます。

また、3年目研修では、自分の仕事だけでなく周囲への関わり方も求められるようになります。

その際に大切なのは、「こうあるべき」という正解を教わることではなく、自分自身で考えることです。

職場環境も、関わる人も、置かれている立場も一人ひとり異なります。そのため、誰かの答えをそのまま真似するのではなく、自分なりの答えを見つける必要があります。

迅技術経営の研修では、講義だけでなく対話や体験を重視しています。
キャリアストームやマネジメントゲームなどの体験型研修もその一つです。

実際に体験し、考え、仲間と対話することや他者の行動から気づきを得ることで、自分が持っていなかった考え方や価値観に出会うことができます。

人は「教えられたこと」よりも、「自分で気づいたこと」の方が行動につながりやすいと言われています。
だからこそ、私たちは答えを与えるだけではなく、自ら考える機会を大切にしています。

研修を受けたその日だけ意識が高まるのではなく、翌日からの行動が少しでも変わること。そして、その小さな変化が積み重なり、一人ひとりの成長につながること。
それが研修の目指す姿だと思います。

「人生の経営者は自分自身」

研修もまた、自分自身の成長を考える大切な機会です。これからも、一人ひとりが自ら考え、行動するきっかけとなる研修づくりに取り組んでいきたいと思います。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

子育て中の人にこそ知ってほしい「傾聴」の力

子育てをしていると、「ちゃんと話を聞いているのに、どうしてうまくいかないんだろう。」そんなふうに感じることはありませんか。
私は国家資格キャリアコンサルタントとして学ぶ中で、「傾聴」という考え方に出会いました。
傾聴は、ただ相手の話を聞くことではありません。
「相手が安心して自分らしく話せる関わり方」です。

この考え方を提唱したのが、アメリカの心理学者、カール・ロジャーズです。
ロジャーズは、「人は本来、自ら成長し、より良くなろうとする力を持っている」と考えました。その力を引き出すために大切なのが、相手を尊重し、安心して話せる関係を築くことだと説いています。

私はこの考え方は、キャリア支援だけではなく、子育てにもそのまま当てはまると感じています。

傾聴の3つの姿勢

ロジャーズは、相手と関わる上で大切な姿勢として、「受容」「共感」「自己一致」の3つを挙げています。

受容

受容とは、相手を評価したり否定したりせず、「あなたはそう感じたんだね」と、まずはありのまま受け止めることです。
子どもが学校で嫌なことがあったと話したとき、すぐに励ましたり解決策を伝えたりする前に、その気持ちを受け止める。
それだけで子どもは、「分かってもらえた」という安心感を得られます。

共感

共感とは、「かわいそう」と思うことではありません。
子どもの立場に立ち、「どんな気持ちだったのかな」と理解しようと努める姿勢です。
親にとっては小さな出来事でも、子どもにとっては人生で初めて経験する大きな出来事かもしれません。
子どもの世界を、子どもの目線で見ようとすることが共感です。

自己一致

自己一致とは、自分の気持ちをごまかさず、自然体でいることです。
親だからといって、いつも笑顔で完璧でいる必要はありません。
疲れている日には、「今は少し疲れているから、夕食の後にゆっくり話を聞かせてね。」
と素直に伝えることも大切です。無理をして笑顔を作るよりも、誠実に向き合う姿勢が、子どもとの信頼関係につながります。

子どもには、自分で育つ力がある

親は、子どもに多くのことを教えようとします。もちろん、それも大切です。
でも、ロジャーズが信じたように、人には本来、自ら成長する力があります。
親の役割は、その力を信じ、安心して挑戦できる環境を整えることなのかもしれません。

子どもの話を最後まで聴く。
気持ちを受け止める。
一緒に考える。

その積み重ねが、「自分は大切にされている」という自己肯定感につながり、自分で考え、自分で選び、自分の人生を歩む力を育てていきます。

子どもは、聴いてもらえた経験を力に変えます。
そして、その経験は将来、家庭や職場など、さまざまな人間関係の中で受け継がれていくでしょう。
忙しい毎日だからこそ、ほんの5分でも、子どもの話を最後まで聴いてみる。
その時間が、子どもの未来への大切な投資になると私は信じています。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

管理職になってから気づく、研修の本当の価値

「研修を受けても、時間が経てば内容を忘れてしまうからあまり意味がない。」
そんな声を耳にすることがあります。
確かに、研修で学んだ知識や手法は、実践しなければ少しずつ薄れてしまうかもしれません。しかし、管理職になって初めて「あの研修を受けていて良かった」と実感するものがあります。

それは、部署を超えた仲間とのつながりです。

管理職になると、自部署だけを見ていれば仕事が進むということはほとんどありません。
製造、品質管理、営業、総務など、それぞれの部署と連携しながら、会社全体の最適を考えて判断する場面が増えていきます。

そんなとき、大きな支えになるのが、研修で一緒に学んだ他部署の仲間の存在です。

「少し相談してもいい?」
「現場ではどう考えている?」
「こういう改善を考えているけど、そっちの部署にどんな影響がある?」
「この件、一緒に考えて欲しいんだけど…」

こうした一言が自然に言える関係性は、日々の業務だけではなかなか築けるものではありません。

研修という場で同じ課題について考え、意見を交わし、お互いの価値観や立場を理解した経験があるからこそ、生まれる信頼関係があります。

私たちが実施している次世代管理職研修でも、知識を身につけることはもちろん大切にしています。
しかし、それと同じくらい大切にしているのが、「対話」です。

一人で考えるだけではなく、異なる部署の仲間と意見を交わし、互いの考え方や背景を知ることで、自部署の視点だけでは見えなかった気づきが生まれます。
そして、その時間をともに過ごした仲間は、数年後、管理職として組織を支える立場になったとき、かけがえのない存在になります。

管理職は、ときに孤独です。

判断に迷うこともあれば、正解のない課題に向き合わなければならないこともあります。そんなとき、「あの人に相談してみよう」と思える相手が他部署にいることは、大きな安心感につながります。

それは、単なる”顔見知り”ではありません。一緒に学び、考え、悩んだ経験があるからこその信頼です。研修の成果は、受講直後のアンケートだけでは測れません。

数年後、部署の垣根を越えて管理職同士が自然に相談し合い、協力し合える組織になっていること。

それこそが、研修が企業にもたらす本当の価値ではないでしょうか。

知識やスキルは、組織を動かすために欠かせません。しかし、それらを生かすのは「人と人との信頼関係」です。

私は、次世代管理職研修を、管理職を育てる場であると同時に、未来の組織を支え合う仲間を育む場でもあると考えています。
管理職になってから気づく研修の本当の価値は、テキストの中ではなく、人とのつながりの中にあるのかもしれません。

人は一人では組織を変えられません。

だからこそ、未来の管理職同士が支え合える関係を、研修の中で育てていきたい。
私は、そんな想いを大切にしながら、一人ひとりの成長と、組織の未来づくりを支援していきます。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

「○○職だから」は、あなたの未来を狭めていませんか?

「私は事務職なので、それ以外の仕事はしたくありません。」
研修や企業訪問の中で、このような言葉を耳にすることがあります。

もちろん、自分の専門性を大切にすることは悪いことではありません。事務職には事務職の、製造職には製造職の、営業職には営業職の専門性があります。その専門性を磨くことは、会社にとっても本人にとっても大切なことです。

しかし、気になるのは「私は○○職だから」という言葉が、自分の可能性にまで線を引いてしまっているケースです。

例えば、事務職だから改善活動には関わらない。営業だから採用活動は関係ない。製造職だから人前で話すのは苦手だからやらない。
そのように考えてしまうと、自分自身で未来の選択肢を狭めてしまうことになります。

会社で働いていると、思いがけない仕事を任されることがあります。後輩を育成する立場になることもあれば、プロジェクトを任されることもあります。部署を越えて意見を求められる場面もあるでしょう。
そのときに、「それは私の仕事ではありません」と断ってしまえば、その経験から得られたはずの成長の機会も失われてしまいます。

一方で、「やってみます」と一歩踏み出した人は、新しい知識や経験だけでなく、自分でも気づかなかった強みを見つけることがあります。

キャリアは、職種を積み重ねるものではありません。
経験を積み重ねるものです。
どんな仕事を経験し、どんな人と出会い、何を学んできたのか。その積み重ねが、自分らしいキャリアをつくっていきます。

私自身も、社会に出たばかりの頃は、人材育成の仕事に携わる自分を想像していませんでした。

専業主婦を経て再就職を考えたとき、これまでの経験を振り返りました。その中で一番やりがいを感じていたのは、後輩を育成し、その人が成長していく姿を支えることでした。
「私は事務職だから」という職種ではなく、「人の成長を支えたい」という自分の強みに目を向けたことで、目指す方向が見えてきました。その強みをもっと磨きたいと思い、学びを続け、国家資格キャリアコンサルタントを取得しました。現在は、人材育成の仕事に携わり、多くの方の成長を支援しています。

もしあのとき、「私は事務職だから」と職種だけで自分を決めつけていたら、今の私はなかったと思います。

人生の経営者は、自分自身です。

会社から与えられた職種だけで自分を決めるのではなく、「自分は何が得意なのか」「どんなときにやりがいを感じるのか」という視点で、自分自身を見つめてみてください。

職種は、あくまでも今の役割の一部です。
一方で、強みは、どんな仕事でも生かすことができます。
「これは自分の仕事ではない」と可能性に線を引くのか。
「まずはやってみよう」と一歩踏み出すのか。

その小さな選択の積み重ねが、5年後、10年後のあなたの未来を大きく変えていきます。

私は、「職種」よりも「強み」に目を向けることで、自分のキャリアが大きく広がりました。

だからこそ、皆さんにも問いかけたいのです。
今の職種や役割で、自分の未来まで決めてしまっていませんか。

職種や役割で自分を縛るのではなく、自分の強みで未来を描く。
そんな視点を持つことが、人生の選択肢を広げ、自分らしいキャリアを築く第一歩になるのではないでしょうか。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和

「現場が忙しくて研修に出せない」は、本当でしょうか?

「現場が忙しくて社員を研修に出す余裕がない。」
経営者の方とお話をしていると、この言葉を耳にする機会が少なくありません。
確かに、人手不足の中で一人が現場を離れることへの不安は大きいものです。
特にリーダー候補となれば、「あの人がいないと現場が回らない」と感じるのも無理はありません。

しかし、私はいつも思います。
最初から余裕のある会社など存在しません。

「余裕ができたら研修に出そう。」
そう考えているうちは、その余裕はなかなか生まれないのです。


忙しさの原因は、「育成できていないこと」かもしれない

現場が忙しい理由はさまざまです。
仕事量が多い、人手が足りない、受注が増えている…。
もちろん、それらも大きな要因です。
しかし、その忙しさをさらに大きくしている原因の一つが、 「任せられる人が育っていないこと」 ではないでしょうか。
いつも同じ人が判断し、同じ人が指示を出し、同じ人しか対応できない。
その人が休めば現場が止まり、研修にも出せない。
そうした状態が続けば、忙しさはいつまで経っても変わりません。
だからこそ、私はリーダー候補を思い切って研修へ送り出す決断が必要だと考えています。

意外と現場は回るもの

「本当に大丈夫だろうか。」 送り出す前は誰もがそう思います。
ですが実際には、多くの現場は何とか回るものです。
残ったメンバー同士で相談しながら進めたり、これまで指示を待っていた社員が自分で考えて行動したり。
リーダーがいないからこそ、一人ひとりが少しずつ責任を持ち始めます。
もちろん完璧ではありません。 多少の遠回りや失敗もあるでしょう。
しかし、その経験こそが現場を強くしていきます。

リーダー不在は、現場の成長のチャンス

リーダーが研修へ行くことで成長するのは研修を受ける本人だけではありません。
現場に残るメンバーにも、大きな学びがあります。
「自分で判断しなければならない。」
「いつもリーダーがやってくれていた仕事は、こんなに大変だったのか。」
そんな気づきが生まれます。

責任を持って考え、仲間と協力して乗り越えた経験は、その人自身の自信につながります。 リーダーが一時的に不在になることは、現場にとっても成長の機会なのです。

リーダー自身も、「安心して抜けられる準備」をする

一方で、研修に参加するリーダー候補にも大切な役割があります。
それは、安心して現場を任せられる準備をすることです。
担当業務を整理する。 引き継ぎを行う。 判断に迷いそうなポイントを共有する。
「困ったら相談してね」ではなく、「こんな場合はこう判断してほしい」と具体的に伝える。
こうした準備も、リーダーとして欠かせない仕事です。
「自分がいないと現場が回らない。」
それは一見頼もしく聞こえますが、本当に目指したい姿ではありません。
本来リーダーが目指すべきなのは、 「自分がいなくても現場が回る状態をつくること」 です。 人に任せることも、育てることも、リーダーの大切な仕事なのです。

研修は、未来への投資

研修は、知識を増やすためだけのものではありません。
リーダー候補は視野を広げ、現場では残ったメンバーが考えて動く力を養う。
双方が成長することで、組織全体の力が高まっていきます。
「忙しいから育てられない。」 そう考えている限り、忙しさは変わりません。
しかし、 「忙しいからこそ育てよう。」
そう決断した会社は、少しずつ任せられる人が増え、現場に余裕が生まれていきます。
育成は、時間ができてから始めるものではありません。
時間を生み出すために始めるものです。
未来の現場を支えるリーダーを育てるためには、経営者が送り出す勇気を持つこと。
そして、リーダー自身が安心して任せられる準備をすること。
その積み重ねが、「誰か一人に頼る組織」ではなく、「みんなで支え合える組織」をつくっていくのだと私は思います。

国家資格キャリアコンサルタント上島美和