最近、「非認知能力」という言葉を耳にする機会が増えました。
読み書きや計算、テストの点数など、数字で測りやすい力を「認知能力」と呼ぶのに対して、非認知能力とは、
・目標に向かって努力する
・コツコツ続ける
・自分をコントロールする
・人との約束を守る
・途中で投げ出さずに取り組む
といった点数では簡単に測ることのできない力を指します。
こうした力は大人になってから突然身につくものではありません。
私は子どもの頃からの小さな積み重ねが大切なのではないかと思っています。
「勉強を頑張ること」は、学力だけのためではない
「いい学校に入ることだけが人生の成功ではない」これは、その通りだと思います。
どこの学校を卒業したかだけで、その後の人生が決まるわけではありません。
ただ、だからといって、
「学歴なんて関係ない」
「勉強なんてできなくてもいい」
と考えるのも、少し違うのではないでしょうか。
例えば、
「この高校に入りたい」
「この大学を目指したい」
という目標を持ち、そのために毎日コツコツ勉強する。
遊びたい日もある。
なかなか成績が上がらない時もある。
模試の結果を見て落ち込むこともある。
それでも、自分で決めた目標に向かって努力を続ける。
たとえ最終的に第一志望の学校に届かなかったとしても、その過程で身につけたものまで無駄になるわけではありません。
むしろ、「目標を決めて、そこに向かって努力した経験」そのものが、その人の力になるのだと思います。
例えば、そろばん
私が分かりやすい例だと思うのが、そろばんです。
もちろん、そろばんを習えば計算が速くなるというメリットがあります。
でも、そろばんを習う価値は、それだけでしょうか。
毎週決まった日に教室へ行く。
家でも練習する。
級が上がるために練習を続ける。
思うようにできなくても、繰り返し練習し、また挑戦する。
こうした経験の中で、
「毎日少しずつ続ける」
「できるようになるまで粘り強く練習する」
「目標に向かって頑張る」
という習慣が身についていきます。
大人になれば、そろばんを使う機会はほぼありません。
でも、そろばんを通して身につけた「コツコツ努力する力」は残ります。
私は、ここに大きな意味があると思っています。
ビジネスの世界でも「当たり前のことを続けられる人」は強い
仕事をしていると、特別な才能だけで評価されるわけではないことに気づきます。
例えば、
約束した期限を守る。
時間を守る。
頼まれたことを最後までやる。
分からないことをそのままにしない。
必要な勉強を続ける。
すぐに結果が出なくても続ける。
どれも、とても地味なことです。
でも、こうしたことを当たり前に続けられる人は、周囲から少しずつ信用されていきます。
「あの人にお願いすれば、きちんとやってくれる」
「あの人は約束を守る」
「あの人なら最後まで取り組んでくれる」
ビジネスでは、この信用がとても大切です。
能力が高くても約束を守らない人より、約束したことをきちんと実行する人のほうが仕事を任せやすい。
そして信用は、一日でつくられるものではありません。
小さな行動の積み重ねによってつくられていくものです。
子どもの頃の「頑張った経験」は、将来につながっている
子どもに勉強をさせる目的を、「いい学校に入れるため」
だけにしてしまうと、少し苦しくなってしまうかもしれません。
でも、「目標に向かって努力する経験をしてほしい」
と考えると、少し見え方が変わります。
勉強でもいい。
スポーツでもいい。
音楽でもいい。
大切なのは、「最初から上手にできたか」ではなく、
少し難しいことに向き合い、コツコツ続けた経験があるかどうかです。
子どもの頃は、その価値になかなか気づかないものです。
けれど、大人になり仕事をするようになると、
努力を続けられること。
約束を守れること。
嫌になっても簡単に投げ出さないこと。
そうした力が、自分自身を助けてくれる場面がたくさんあります。
テストの点数や学歴は、その人の一部分にすぎません。
でも、何かを目指して一生懸命努力した時間は決して無駄にはならない。
そこで育った力は、目には見えなくても、その人の中に残り続けます。
だから私は、
子どもたちには「結果」だけではなく、「努力できたこと」も大切にしてほしい。
そして私たち大人も、結果だけを見るのではなく、
「毎日続けているね」
「約束を守れたね」
「最後まで頑張ったね」
そんな、数字では測れない成長にも目を向けたいですね。
子どもの頃から積み重ねてきた小さな習慣。
それがいつか、社会に出たときの「信用」や「仕事をやり抜く力」につながっていくのではないでしょうか。