~まずは自分の「できたこと」に目を向けてみよう~
皆さんは、自分の良いところをいくつ挙げられますか?
では、家族や職場の同僚、部下の良いところはいくつ挙げられるでしょうか。
私たちは日々の生活の中で、できていないことや足りないことには、案外簡単に気づくものです。
「あれができなかった」
「もっとこうすればよかった」
「あの人はどうしてこれができないのだろう」
そんなふうに、つい自分や相手の欠点に目が向いてしまうことはありませんか。
でも、同じように「できていること」「良いところ」にも目を向けられたら、人との関わり方は少し変わるのではないでしょうか。
私は、そのために美点のアンテナを磨くことが大切だと思っています。
まずは自分の「できたこと」を見つける
美点のアンテナを磨くために、まず取り組んでみてほしいのは、自分自身の良いところを見つけることです。
私たちは、自分に対して案外厳しいものです。
一日の終わりに振り返るのは、できなかったことや反省することばかり。
もちろん、反省して改善することは大切です。しかし、できなかったことばかりに目を向けていると、自分ができていることまで見えなくなってしまいます。
例えば、
- 今日は自分から挨拶ができた
- 苦手な仕事に挑戦してみた
- 忙しかったけれど、約束を守れた
- 相手の話を最後まで聞くことができた
- 昨日より短い時間でタスクを終えられた
どれも、特別なことではないかもしれません。
でも、立派な「できたこと」です。
大きな成果を出したときだけ、自分を認める必要はありません。
小さな「できた」を積み重ねている自分に、もっと目を向けてもよいのではないでしょうか。
自分の美点に気づくと、相手の美点も見えてくる
自分のできていることに目を向ける習慣がつくと、少しずつ周囲の人のできていることにも気づきやすくなると思います。
例えば、職場で同僚が資料を準備してくれたとき。
「資料を準備するのは当たり前」と思うこともできます。
一方で、
「いつも期限を守ってくれる」
「見やすいように工夫してくれている」
「こちらが仕事を進めやすいように考えてくれている」
そんなふうに見ることもできます。
同じ出来事でも、どこにアンテナを向けるかによって、見えてくるものは違います。
これは、子育てでも同じではないでしょうか。
子どもができなかったことを注意するのは簡単です。
でも、昨日はできなかったことが今日はできた。言われなくても自分から行動した。
そんな小さな成長に気づける大人でありたいと思います。
美点は、見つけるだけでなく相手に伝える
そして、もう一つ大切にしたいことがあります。
それは、相手の美点を見つけたら、言葉にして伝えることです。
心の中で「すごいな」「助かるな」と思っていても、相手には伝わっていないかもしれません。
「いつも丁寧に仕事をしてくれてありがとう」
「さっきの説明、とても分かりやすかったです」
「最後まで諦めずに取り組んでいたね」
そんな一言が、相手にとって自分の強みに気づくきっかけになることもあります。
ここで大切なのは、何でも褒めればよいということではありません。
相手の行動をよく見て、具体的に伝えること。
「すごいね」だけではなく、「〇〇してくれたことが助かった」と伝える。
そうすることで、相手は自分のどんな行動が周囲の役に立ったのかを知ることができます。
私は、人材育成においても、この視点はとても大切だと考えています。
人は自分の改善点を知ることも必要ですが、それと同じくらい、自分の強みや良さを知ることも必要です。
上司や先輩から伝えられた何気ない一言が、自信につながり、次の行動への後押しになることもあるでしょう。
美点を見ることと、課題から目をそらすことは違う
もちろん、美点を見つけることは、欠点や課題を見ないことではありません。
仕事であれば、改善しなければならないことはありますし、ときには厳しい指摘が必要な場面もあります。
ただ、できていないことだけを見て、その人を評価してしまうのは、もったいないことだと思います。
誰にでも得意なことと苦手なことがあります。
苦手なところを改善する努力も必要ですが、得意なことを伸ばすことで、その人が力を発揮できる場面も増えていくのではないでしょうか。
人材育成とは、できないことをできるようにするだけではありません。
その人が持っている良さや可能性を見つけ、伸ばしていくことも人材育成の大切な役割だと思っています。
今日から、美点のアンテナを磨こう
美点を見つける力は、特別な才能ではなく、日々の意識によって磨いていけるものだと思います。
まずは今日一日を振り返って、自分ができたことを三つ見つけてみませんか。
どんなに小さなことでも構いません。
そして、家族や職場の人の良いところを一つ見つけて、言葉にして伝えてみる。
最初は少し照れくさいかもしれません。
でも、続けていくうちに、これまで当たり前だと思っていたことの中にも、たくさんの美点があることに気づくのではないでしょうか。
私自身も、まだまだできていないことに目が向いてしまいます。
だからこそ、意識して美点のアンテナを磨いていきたいと思っています。
自分のできたことを認める。相手の良いところを見つける。そして、言葉にして伝える。
そんな小さな習慣が、自分自身の成長にも、周囲の人とのより良い関係づくりにもつながっていくのではないでしょうか。