中小企業診断士の西井克己です。
本日は中小企業におけるお客様に安心して任せていただけるための品質管理体制について記事にしてみたいと思います。
今回はQC工程表について特に以下の順番で記事にしております。
1 QC工程表の制作手順
2 QC工程表をつくりながら業務改善
3 制作したQC工程表はみんなに見てもらう
品質管理体制を構築するときにISOを思い描く方も少なくないと思います。
私自身は、積極的にISOを提案しておらず、ISOの要求事項の中で最低限度のものを抜き出してお客様に提案しています。
その理由は、品質の改善活動をしたいという会社の思いとつくられた品質マニュアルには少しギャップがあることを感じているためです。
事実、私が拝見した「品質マニュアル」は、規格の要求事項の構成や文言をそのまま羅列したようなものになっていたり、組織の実際の活動(プロセス)が適切に表現されていなかったり、組織で通常使用されていない言葉が書かれていたりすることが少なくありません。
ただし、ISO9001:2015の変更点で品質マニュアルが必須ではなくなったので少しずつ中小企業に合ったものに変わっていっていると思います。いずれISOそのものの導入支援がする時が来るかもしれないと思っているのですが、いまはまだ抜き出して中小企業に提案していきたいと思っています。
私が提案している項目は、以下の14の項目であることが多いです。
とくに、5Sが定着した会社には提案しております。
1 製品リスト
2 QC工程表
3 作業標準
4 原料受け入れ
5 始業点検記録
6 保全記録
7 検査記録
8 計測記録校正
9 在庫記録
10出荷記録
11不良記録
12クレーム対策書
13教育記録
14スキル管理表
実際の支援においては、それぞれの項目について
ある・あるけど不十分・ない・どんな書類かわからない
を自己申告いただいて、ない書類を中心に計画的に会社の実態に合わせて整えているのが現状です。
今回はそのうちのQC工程表についてお伝えしたいと思います。
QC工程表
1 QC工程表の制作手順
まず着手するのは、QC工程表が多いです。
その理由はいろいろな人が関係するので、関係者全員が集まって、こういう目的で物事を進めていきたい。そのために協力をお願いしたい。
まず最初にQC工程表を作ります。具体的に動いてもらいたいことはこのようなことです。
と言いやすいためです。
第2回の打ち合わせで、各部門でヒアリングいただいた品質の実態を踏まえて、
その工程が
モノと情報のインプット(どんな情報とどんなものを用意して)
インプットを基にどのように処理(プロセス)しているか
モノと情報のアウトプット(情報とモノをどこに(誰に)渡すのか?)
を把握します。
それさえ把握できれば、あとはその工程の異常時対応はどのようにするかを決めておくとQC工程表が出来上がってしまいます。
3回目ぐらいで標準のQC工程表の型はできるようなイメージです。
2QC工程表をつくりながら業務改善
QC工程表を作りながら業務改善もできます
全ての工程を洗い出して、その工程のインプット、プロセス、アウトプットと把握していくと、通常は、次工程に渡したアウトプットのモノと情報は次工程のインプットのモノと情報と一致するのですが、そうでないことがあります。
そうでない部分は、とくに業務改善のポイントです。
出し手と受け手の思いが違うことは多々あり、それを誰かが埋めてくれているのですが、それにはムダな作業が隠れているかもしれません。
業務に慣れてくると当たり前にようになってしまって改善ポイントが見えなくなっていることも少なくありません。
このため、このQC工程表の制作を機会に改善ポイントをあぶりだすことができればと思っております。
3 制作したQC工程表はみんなに見てもらう
よくある話ですが作ったものは作った人だけが把握して後の人は知らない。
それをなくすために最初にある程度の方に参画いただくのですがその方からの広がりがない。このような場合はせっかく作ったものでもなかなかその会社に定着しません。
このため、ヒアリングした人にこんな感じになったけど大丈夫か?と聞いてあげることを推奨しております。協力いただいた方に結果も報告したいですしね。
中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、現場改善の相談も受けております。毎週土曜日は相談を受け付けております。遠方の方を対象に最近はスカイプで初期相談もしておりますので、お気軽に問い合わせください。
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