中小企業の現場改善推進者や生産技術者を育成するために動画を活用しよう

10人以上100人以下の製造業にこそ生産技術者や現場改善推進者は必要です

リーダー育成 現場改善 生産技術

中小企業の現場改善はまず現状把握からしてみましょう。

中小企業診断士の西井克己です。

初めての記事なので簡単に自己紹介いたします。

石川県・富山県の製造業の支援実績は、250社以上。原価改善やラインバランス分析等を得意としています。

最近は、生産現場社員を巻き込んで、現場改善手法を社内に定着させる活動も実施してます。

従業員10名以上100名以下の製造業にこそ、生産技術部門が必要。

その規模感ではなかなか生産技術者が育っていない。

その現状を少しでも良い方向に進めるためにこのブログを立ち上げました。

よろしくお願い申し上げます。

最初の記事なので、従業員10名以上100名以下の製造業が最初に手を付けたらいいなと思うことを提案します。

1はじめに(こんな企業にこそ読んでほしい)

ものづくり補助金など最新の生産設備を投資したほうが生産性は上がるのはわかるのだか、中小企業がお金の力を使って改善する事に違和感を感じている経営者の方は少なくないのではないでしょうか?

中小企業は、ヒト・モノ・カネ・情報いずれも不足しているが、大企業と比べれば特に資金調達の面で劣ることが多い、設備投資をする前に、中小企業ならではの創意工夫で、自社の生産性の課題を明らかにしてみませんか?

2弊社が行っている現状分析の提案

2-1簡易工場診断

弊社は、30の質問に答えていただくだけで、全体的な基礎工場診断を実施しています。この狙いは、木をみて森をみずにならないようにするためです。この工場診断では、会社として日々改善しているところとほとんど着手できていない点が見えることを期待して実施しています。

2-2 工場レイアウトの作成

皆様の会社は工場レイアウトを作成していますか?

従業員100人以下の製造業は、ほとんど工場レイアウトを作成していません。

生産性向上は、設備投資をしてすぐに結果を得たいと思いがちですが、実際は、ハード面の改善の前に、工場レイアウト図の作成などのソフト面での土台がとても重要です。工場レイアウト図はどんな改善にも必要な重要データです。

2-2代表製品QC工程表の作成

その次に代表製品のQC工程表を作成します。

生産性が向上しても品質不良を起こしては全く意味がありません。現在の工場がなにをみて問題ないと判断し、次工程に渡しているのか把握します。

QC工程表を作成している会社は少なくありませんが、それはお客様に納品するためだけに作っているだけで、現場改善に活用している会社は本当に少ないです。

2-3 QC工程表の工程毎に動画を撮影してラインバランス分析を実施

作成したQC工程表の工程毎に動画を撮影します。

動画を撮影するときは、工場で最も製造している製品を製造している際に撮影します。

その動画を見て、主要製品のラインバランス分析を実施します。

完成するまで7つの工程が必要である製品があるとします。

その工程毎にその製品を1個作成するのにどれだけの時間が必要か動画を見ながら把握します。例えば以下の表は1個作るにあたり必要な秒数を示しています。

 

 

 

 

 

現場でその製品を1個作成するのにどれだけ時間がかかるのかカウントするのもできますが、動画で撮影していると後から見返すことができるのでとても便利です。

3 ボトルネック工程の改善

3-1 ボトルネック工程を再度撮影

ラインバランス分析を実施すると、その製品を作るにあたり一番時間がかかっている工程が把握できます。それがいわゆるボトルネック工程です。すべての工程に改善ポイントはあると思いますが、ボトルネック工程を改善しなくては、生産性は上がりません。このため、ボトルネック工程の改善を重点的に行います。

具体的には、ボトルネック工程のみをもう一度動画で撮影します(全体、手元、ワークの3つ3種類)。

3-2 ボトルネック工程を対象者全員で改善

撮影した動画を対象者全員(製造部門、生産技術、検査部門)で見ることで、次に行動すべき具体的改善策を見出します。

3-3 改善後の動画を再度撮影

改善後のボトルネック工程のみを再度動画で撮影します(全体、手元、ワークの3つ3種類)。

これにより改善前と改善後を比較することで、具体的にどれだけ改善したか把握することができます。

この一連の流れが、中小企業の製造業に定着することが大事だと考えております。

全体、手元、ワークそれぞれに注目した3つの動画を撮影するのは、後で見返すためです。

手元に課題があると思っていても、動画を見ているともうちょっとこのポイント(ワーク)をみたいということはあることです。

慣れてくると3つの動画を取らなくてもいいかもしれませんが、動画撮影の慣れていない方もとるだけで後から振り返ることができる。これが大事なことで、後からしまったということがないように、情報はできる限り多くとっていきましょう。

1つ1つは大したことがないですが、それを続けている製造業は本当に少ない。そんな中小企業を1社でも多くする。そんな支援をしていきたいと考えております。

 

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、現場改善の相談も受けております。毎週土曜日は相談を受け付けております。遠方の方を対象に最近はスカイプで初期相談もしておりますので、お気軽に問い合わせください。

https://g-keiei.com/

 

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください

石川県・富山県の製造業の支援実績は、250社以上。 原価改善やラインバランス分析等を得意とする。 最近は、生産現場社員を巻き込んで、現場改善手法を社内に定着させる活動も実施している。