中小企業の現場改善推進者や生産技術者を育成するために動画を活用しよう

10人以上100人以下の製造業にこそ生産技術者や現場改善推進者は必要です

リーダー育成 現場改善

現場で整理整頓が定着しない(やると決めたことが行動できないときに)

中小企業診断士の西井克己です。

 

整理整頓が前に進まない。特に現場で進まない。

会議でやると決めたことが、行動すらできていない(行動して結果がNGではない)。

次こそはやろうよと言っても前に進まない・・。

現場で整理整頓を進めるときに初期の行動で止まってしまう。

この記事はそんな状況に陥っているときの記事です。

この記事は全体で

1 行動計画が重くなっていませんか?

2 5分以内でできることを行動計画に設定しよう

3 仕事でもプライベートでも毎日することを決めてみよう

となっております。

 

 

1 まず行動計画が重くなっていませんか?

中小企業では、整理整頓(2S)を専任で行う方はほとんどいません。

普段の仕事を抱えながら、改善を行っていただくことがほとんどです。

導入初期段階では、なぜそれをやらなければいけないのか?その目的が腹落ちしていないことがほとんどです。

製造業の現場で整理整頓を実行する場合、特にベテランの方から、「我々は、いいもの(良品)をつくるのが自分達の仕事で、備品や工具もどこにあるかわかっているのでわざわざ整理整頓をする必要性を感じない。なぜ会社はそんなことを言うのかわからない」と言われることが多いです。

そんな中で、ベテランの方を納得させようと最初にみんなにわかりやすい結果を求めて、比較的重い行動計画(例えば、工場全体の工具を集めて整理整頓をする等)を立案することは少なくありません。

私のつたない経験の中では、最初から重いテーマを設定し、実行し、成果を得たとしても、改善メンバーのみが頑張って成果を出していることが多いので全体的な理解は得られにくいことが少なくありません。一方で、重いテーマをみんなでやろうとした場合は、結果としてだれもやっていない。理由は仕事が忙しいからという答えが返ってくることが少なくありません、

初期の行動計画で、比較的重いテーマを設定することは、1人が頑張って成果を出しても全体にその行動が広がることは少ないですし、みんなを対象にした場合、なかなか行動に移されないことが多いです。

みんなで重いテーマを実行するときには、ある程度の土台が必要なのです。

 

2 5分以内でできることを行動計画に設定しよう

導入初期の段階での行動計画は5分以内でできることを設定することをお勧めしています。

その理由は、いろいろな方を巻き込みやすいこと、小さなことでもまず普段の行動を変えるためです。

現場で整理整頓や改善を進めるにあたり、障害となるのは、現状を変えたくないという思いです。現状を変えないいろいろな理由を提案されることが多いのですが、本音ベースでは、現状を変えたくない、なぜ今更新しいことをしなければいけないのか?現状で我々は十分に仕事をしているではないかという思いがあるからです。

その思いがある中で、ある特定の人が頑張って改善しても、自分たちの仕事は確かに楽になったけど、これまでがきつかっただけで、やっと標準に近づいた。と思うだけでなかなか自分たちが改善しようという風につながりません。

やはり、①自分が行動し、②その結果として成果を得る。このプロセスが必要です。

今回のポイントはこの成果というのが、会社が求める大きな成果というよりは、現場が実感できる成果(会社からすれば小さな成果かもしれません)ということです。

そういう意味では、毎日・毎週という定期的な行動で、しかも1回5分以内でできる1つのテーマに絞り込んで、その方たちが成果として実感できるまでやり続けることが初期の段階ではとても大事です。

具体的には、

分間5S(始業前に1日1分だけほうきとちりとりをもって掃除をする)

定点観測(問題と思われるところやいいと思われるところを毎週デジカメで写真を取る)

 

 

3 仕事でもプライベートでも毎日することを決めてみよう

分間5Sや定点観測など5分以内の行動計画も実行できないこともあります。その際は、仕事でもプライベートでもなんでもいいので毎日することを行動計画として設定して、毎週それができているかどうか確認する場を設けてみましょう。

「やろうという思い」と「それをやるスキル」の双方が備わってこそ、行動に移すことができます。 毎日定期的に何かをする習慣(スキル)がついていない方は、やろうとは思っていてもどんな簡単なことでも続かないことが多いです。

このため、毎日簡単なことでも続けることができるスキルを身に着けていただくことを第一に考え、仕事でもプライベートでもどんなことでも毎日行うことから始めるといいと思います。

この行動の代表例は、「毎朝、○○さんに元気な声でおはようございます」とあいさつする。

帰るときに「○○さんにお疲れさまでした」とあいさつすることがあります。

 

毎日の行動ができるようになったら、その水平展開で分間5Sなどを展開していくと比較的定着化しやすいです。

会社の大半の方が分間5Sをしていると新入社員も自然と行うようになります。すなわちその会社の社風や文化となって定着します。

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、現場改善の相談も受けております。毎週土曜日は相談を受け付けております。遠方の方を対象に最近はスカイプで初期相談もしておりますので、お気軽に問い合わせください。

https://g-keiei.com/

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石川県・富山県の製造業の支援実績は、250社以上。 原価改善やラインバランス分析等を得意とする。 最近は、生産現場社員を巻き込んで、現場改善手法を社内に定着させる活動も実施している。