中小企業診断士の西井克己です。
現場改善をしなければいけない、もっと生産効率を上げなくてはいけない。
管理職や生産技術者であればそう感じることも多いと思います。
しかし、実際に作業をされている方にその意識は高いでしょうか?
実際はそんなに意識は高くないということが多いのではないでしょうか?
何かお願いしても「自分達は一生懸命やっている。これ以上何を求めるというのだ」
という反発をされるということが少なくないのではないでしょうか?
作業されている方は、
自分達は一生懸命やっているというのは、
「以前よりもよくなっているじゃないか」という本音があります。
しかし、管理職や生産技術者は、
「以前より良くなっているが、見積時に試算した予定工数をオーバーしているのでまだ、改善しなくてはいけない」
と思っています。
よくなっているということは双方とも認めているところなのですが、到達点が異なることがわかります。
この現象が起こるときのほとんどが、最初の段階でその製品の予定工数を現場に伝えていないことが多いです。
予定工数を伝えても、そんなのできないと反発が増えるだけ、そう思えるかもしれませんが、最初の段階で予定工数を伝えることはとても大事なことだと私自身は感じております。
この記事は、
1 日報もないというところは、まず実績報告からはじめよう
2 実績報告ができてからは、予定工数(予定数量)を伝えてみよう
という内容となっております。
1 日報もないというところは、まず実績報告からはじめよう
製造日報は、創業以来書いたことがない。
以前書かせてみたが全然続かなかった。
日報を書くくらいであれば、早く作業を進めたほうがいい。
こんな理由で、製造日報が定着していない会社であるならば、実績報告のために再度製造日報を導入しようとしてもなかなか定着しないかもしれません。
そんな時は、まず社内で現場員が毎日集まるタイミングを探してみましょう。
朝礼を行っている会社であれば朝礼、昼イチに分間5Sを行っている会社であれば分間5S、交代制でその際に引継ぐのであればそのタイミング。
おそらく何らかのタイミングで現場員は部署単位で集まっていると思います。
その社内の仕組みを利用して、朝礼であれば、昨日自分は何を何個作ったのか、数字化できない場合はどんな作業をしたのか、そして本日は何をするのか?1人1分程度で発表することに挑戦してみませんか?
朝礼でよくあるのが、上長が話をするだけで作業員はそれを聞いているだけ、そうなると頭にほとんど入ってきません。自分で昨日はこんなことをした、今日はこれをしようということを考え、声に出すことで頭に入ってきます。
口頭ベースでの報告、発表が定着した場合は、それをホワイトボードに書くことを進めてみましょう。
小さな会社であれば、以下のように両面のホワイトボードを活用して、当日と翌日の実績と予定を記載して発表すると結構いいと思います。
本日(6月16日) | ホワイトボードの表 | |
名前 | 昨日やったこと | 本日の予定 |
西井 | 品番○○の縫製を30着 | 品番××の縫製20着 |
佐々木 | ||
小松 | ||
森 | ||
高稲 | ||
翌日(6月17日) | ホワイトボードの裏 | |
名前 | 昨日やったこと | 本日の予定 |
西井 | 品番××の縫製15着 | 品番××の縫製20着 |
佐々木 | ||
小松 | ||
森 | ||
高稲 |
2 実績報告ができてからは、予定工数(予定数量)を伝えてみよう
口頭ベースの報告やホワイトボードを活用した実績報告ができるようになった場合は、その次に今やろうとしていることの予定工数や目標工数を伝えてみましょう。
この際にホワイトボードで運用できていると以下のように書くことができるので、管理は楽になります。
太字でイタリックの部分が管理者が各部分となります。
本日(6月16日) | ホワイトボードの表 | |
名前 | 昨日やったこと | 本日の予定 |
西井 | 品番○○の縫製を30着(予定数量 30着/日) | 品番××の縫製20着(予定数量 25着/日) |
佐々木 | ||
小松 | ||
森 | ||
高稲 | ||
翌日(6月17日) | ホワイトボードの裏 | |
名前 | 昨日やったこと | 本日の予定 |
西井 | 品番××の縫製15着(予定数量 25着/日) | 品番××の縫製20着(予定数量 25着/日) |
佐々木 | ||
小松 | ||
森 | ||
高稲 |
予定数量があると自分は期待に応えられているのかどうなのかわかるようになり、そのためには何をしなければいけないか?自主的に考えていただける方は考えるようになってきます。
これによって、達成できるかどうかは別として双方ともに数字で目標を把握することができます。
まずここまで到達することが大事です。
ポイントは今ある仕組みを活用することと、最初はアナログでやることです。
頑張ってみませんか?
中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、現場改善の相談も受けております。毎週土曜日は相談を受け付けております。遠方の方を対象に最近はスカイプで初期相談もしておりますので、お気軽に問い合わせください。
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