中小企業の現場改善推進者や生産技術者を育成するために動画を活用しよう

10人以上100人以下の製造業にこそ生産技術者や現場改善推進者は必要です

現場改善

生産現場の動画撮影 事前準備から動画撮影までのチェック項目をまとめてみました

中小企業診断士の西井克己です。

今回は製造現場で、現場改善のための動画を取る一連の流れを説明したいと思います。

あくまで弊社で行っていることを示したもので、まだ発展途上の段階なので、それを前提に見ていただけると幸いです。

これをたたき台に皆さんの会社それぞれの型(パターン)をつくっていただけると幸いです。

 

この記事は全体で

1 事前準備

2 現地入り

3 現場入り

4 現場撮影

5 現場撮影後

の順番となっております。

動画を撮影した後の処理は記載しておりませんのでよろしくお願いします。

 

 

1事前準備

できれば、以下の確認するものをチェックシートにしたり、ホワイトボードを用いながら議論するといいと思います。

時間は30分以内で十分です。

最初は時間がかかりますが、自社の撮影の型が決まっている方は10分程度で打ち合わせは終わると思います。

 

1-1人

・2人で現場に行きましょう。

1-2モノ

・カメラ コマ送りできるカメラを選びましょう(現場で早送りで確認できるため)

明るさが足りないところもありますので、できる限りあかるいレンズのカメラをお勧めします。

尚、弊社はオリンパスTough TG-5を使用しています。

 

 

 

 

 

 

カメラはできれば2台用意する事をお勧めします

・予備バッテリー(電池切れで撮影中断にならないように)

・3脚

1-3情報

・1コマあたりの撮影する時間を決める(1分・1.5分・2分)

(個人的には1.5分がおすすめです)。

・現場に入ってどのポジションの方にどのようにあいさつするのか決める

・当日の服装を決める

基本は上着だけでも作業着を着ていく。

・撮影する工程の流れがわかるもの(QC工程表等)

・現場に持ち込んではいけないものを事前に担当者に確認する(時計やシャープペンシルなど)。

・最初に現場に入って誰がどこまで撮影しいったん打ち合わせをするのか決める。

・撮影予定時間を決める(決めておいた方が、最初に挨拶するときにどのくらいを予定しているといえるので印象が悪くなりません)。

 

2現地入り

・経営者や現場責任者とあいさつする。

・事前に決めた方に、目的と撮影時間と撮影する工程(QC工程表などを見ながら)を確認する。

・注意してほしいことを確認する。

 

3現場入り

・最初に、事前に決めた方あいさつする。

・事前に決めた方に、目的と撮影時間と撮影する工程(QC工程表などを見ながら)を確認する。

・あいさつしたかたに、注意してほしいことを確認する。

 

4現場撮影

4-1 全体の流れ撮影

・最初にものの流れに沿って全体の流れを3コマ撮影する。

(できれば動かずに撮影できるポイントを探すこと、なければ動きながら全体の流れを撮影する)。

 

4-2 工程毎撮影

・2人でそれぞれ撮影するのか、1人で撮影するのか決める。

2人で撮影する場合は、どこまで撮影してもう一度議論するのか確認する。

・工程毎に、被写体(人)の手元が見える方向からと背中からの方向2つで撮影する。

・工程毎に、被写体(もの)の右側と左側方向2つで撮影する。

・工程に張り付いていない人(遊軍)がいる場合はその人を3コマ撮影する。

 

撮影時の注意点

・撮影者は、撮影ボタンを押したら動かない。

・作業が止まっても撮影する。

・1つの動作を少なくとも3回(人であれば手元が見える方向から2回、背中から1回)

・できる限り広角で撮影する(あとで見ておけばよかったとならないように)

・広角の定義も決めるとよい(少なくとも作業者2人が見えるや被写体から1m以上は離れるなど)

 

4-3一通り撮影が終わったら

・工程毎に少なくとも3回は撮影できているか確認する。

・ボトルネック工程がどこか2人で議論する

仕掛品がたまっているところや多くの人をかけている工程がボトルネック工程であることが多い。

・ボトルネック工程が分ったらその工程の手元やもののアップ映像(基本は広角で撮影しているので手元のアップ映像はない)を取る必要性を議論する。

撮影する場合は、3コマ撮影する。

・現場の工程を指示したホワイトボードなど撮影する必要があるか確認する(迷ったら写真でもいいので取っておく)

 

5撮影後

・最初にあいさつした現場の方に終了のあいさつ

どんな動画を撮ったのかカメラをみせながら、確認してもらうといいと思います(どんな感じで取っていたのか後で現場員から問い合わせがあった時にその方が説明できるように)

・現場に忘れ物がないか確認する。

・経営者や現場責任者にあいさつして、次回の打ち合わせ日のみ決める。

現場の方と同様にどんな動画を撮ったのかカメラをみせながら、確認してもらうといいと思います。

 

2019年4月7日追記

以下の通りチェックリストにしてみました。ご活用いただけると幸いです。

全体の流れ

チェック項目 チェック
事前準備 経営者又は現場責任者に狙いを伝え、現場撮影についての合意を得たか
どの製品のどの工程を撮影するか、打ち合わせは出来ているか
撮影日時は決めたか
現場に持ち込んではいけないものを確認したか
現場に入るための服装は確認したか(作業着は準備できているか)
撮影予定時間は決めたか
現場で作業する従業員に撮影することを伝えたか
作業工程が分かる資料(QC工程表や作業手順書、仕様書等)をもらえたか
予備バッテリーは準電できているか
現地入り 経営者、現場責任者、現場従業員に挨拶をする
その日の段取りを確認する
注意点(主に危険や重大不良に繋がる行動)を確認する
現場入り 現場責任者、現場従業員に挨拶する
段取で決めた対象製品や工程の作業が行われているか確認する
撮影 カメラを見ながら移動しない。撮影するときはその場所で動かない
撮影者が複数いるときはそれぞれの担当を決める
1回(1コマ)の撮影時間を統一する( □1分  □1分半  □2分 )
作業が止まっても、物が流れなくなっても統一した時間分撮影する
作業指示のホワイトボードや予定表があれば撮影する
全体 工程全体を①前から、②後ろから、③左から、④右から 最低4方向から撮影する
工程 撮影は人基準か、機械基準か( □人  □機械 )
①右側から ②左側から 最低2方向から撮影する
1つの工程のみでなく、①前工程 ②後工程 それぞれの工程と一緒に映るように撮影する
背中や機械で工程が見えなくても、背中・機械方向からも撮影する
1つの工程は最低3回撮影する。
1つの工程に張り付いていない人(友軍)がいたら撮影する
手元 なるべく寄って撮影(前後は映らなくてよい)
1つの作業は最低3回撮影する。
撮影終了 経営者、現場責任者、現場従業員に終了の挨拶
可能なら、経営者、現場責任者に短時間動画を確認してもらう(雰囲気を掴む程度)
忘れ物は無いか
次回打合せの日程を決めたか
動画確認 各動画を最初に再生したときに、動画の内容が分かりやすい名前を付ける(工程1_手元等)
1分当りの出来高を各工程で数える
ボトルネック工程がどこか確認する
どの動画で次回の打合せをするか決める
納品する動画はDVDに移して納品する

現地でのチェック項目

チェック項目 チェック
現地入り 経営者、現場責任者、現場従業員に挨拶をする
その日の段取りを確認する
注意点(主に危険や重大不良に繋がる行動)を確認する
現場入り 現場責任者、現場従業員に挨拶する
段取で決めた対象製品や工程の作業が行われているか確認する
撮影 カメラを見ながら移動しない。撮影するときはその場所で動かない
撮影者が複数いるときはそれぞれの担当を決める
1回(1コマ)の撮影時間を統一する( □1分  □1分半  □2分 )
作業が止まっても、物が流れなくなっても統一した時間分撮影する
作業指示のホワイトボードや予定表があれば撮影する
全体 工程全体を①前から、②後ろから、③左から、④右から 最低4方向から撮影する
工程 撮影は人基準か、機械基準か( □人  □機械 )
①右側から ②左側から 最低2方向から撮影する
1つの工程のみでなく、①前工程 ②後工程 それぞれの工程と一緒に映るように撮影する
背中や機械で工程が見えなくても、背中・機械方向からも撮影する
1つの工程は最低3回撮影する。
1つの工程に張り付いていない人(友軍)がいたら撮影する
手元 なるべく寄って撮影(前後は映らなくてよい)
1つの作業は最低3回撮影する。
撮影終了 経営者、現場責任者、現場従業員に終了の挨拶
可能なら、経営者、現場責任者に短時間動画を確認してもらう(雰囲気を掴む程度)
忘れ物は無いか
次回打合せの日程を決めたか

 

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、現場改善の相談も受けております。毎週土曜日は相談を受け付けております。遠方の方を対象に最近はスカイプで初期相談もしておりますので、お気軽に問い合わせください。

https://g-keiei.com/

石川県・富山県の製造業の支援実績は、250社以上。 原価改善やラインバランス分析等を得意とする。 最近は、生産現場社員を巻き込んで、現場改善手法を社内に定着させる活動も実施している。