中小企業の現場改善推進者や生産技術者を育成するために動画を活用しよう

10人以上100人以下の製造業にこそ生産技術者や現場改善推進者は必要です

リーダー育成 現場改善 生産技術

現場改善推進者や生産技術者を育成するためには

中小企業診断士の西井克己です。

1 従業員規模100人以下で現場改善推進や生産技術の専任者を育成するのは難しい

現場改善推進や生産技術の専任者を育成したい。

従業員規模100人超の会社であれば専任人材や専任部署があるかもしれませんが、それ以下の従業員規模の会社で専任者を育成している会社はすくないです。

うまく育成できた会社さんも、すごく良い方に恵まれて育成できていることが多いです。

すなわち仕組みとして育成しているというよりも個人の能力(その人じゃなきゃ難しい)に依存していることが多いです。

弊社のつたない経験ですと、現場改善や生産技術の仕事は、実際にものをつくる仕事と比べ重要視されていないことが多いです。また、現場改善や生産技術を担う方は、現場のことをわかっていなければいけないので、現場のエース級もしくは準エース級を人事異動で抜かなければいけないことが多く、そんなことをしたら現場が回らない、ましてや経営者があまり重要視していない仕事にそんな重要な人材を置くのはもったいない。

そんな理由でなかなか育成できているところが少ないと感じています。

2 現場改善や生産技術の専任者を育成するためには

弊社が現場改善や生産技術の専任者の育成に関する相談をお受けした時には、すぐにそれに向けた育成をすることはあまりしておりません。

まず、現場リーダーを対象として教育訓練を行うことをお勧めしています。

現場リーダーを対象として実施する教育訓練は、現場改善のスキルを学ぶことを重視するのではなく、どちらかというと、リーダーとしてのあり方や人材を育成するためにはどんなことをしなければいけないかといった心持ちに対する訓練が多いです。

また、現場改善が進んでいる会社の映像を見ていただき、人材を育成するとこんな会社になるというイメージを持っていただいています。

そのあとに、QC7つ道具やなぜなぜ分析等の現場改善のスキルを学んでいただく。

最も要望の多いヒューマンエラー系のなぜなぜ分析については以下の記事をご覧いただけると幸いです

(1回目に記事のような座学をして、2回目には現場で実際に起こったヒューマンエラー系のトラブルを題材にしています)

リーダ―や管理職のためのヒューマンエラー系のなぜなぜ分析

 

そんな教育プログラムを実施しております(全体で20時間以上のプログラムとして、厚生労働省系の助成金対象事業としていることが多いです)。

なぜ最初にその訓練を受けていただくかと言えば、その教育訓練の過程で、その会社の中でだれが現場改善推進者や生産技術者としてふさわしいか我々自身が把握できることもそうですが、まずは、現場リーダーの方のモチベーションを高めなくては何も始まらないからです。

弊社は、従業員満足度の測定ツールとして、

「BasMos」(バスモス)

を活用しています。

BasMosは、Basic・skill・Morale・surveyを合成した造語であり、「社会人基礎力診断」と「従業員満足度診断(いわゆるモラルサーベイ)」の機能を有したオリジナルツールです。

貴社の従業員の社会人基礎力診断」12項目と、従業員満足度」6項目を測定でき、今後の社員育成や経営力向上に役立つ情報を把握できます。

バスモスについての詳細は、以下のURLを参照いただけると幸いです。

https://basmos.jimdo.com/

 

3 教育訓練と従業員満足度について

以下の図は、弊社が実施した教育訓練前後で測定した従業員満足度の調査です。

赤字が対象会社の従業員満足度を示し、黄色は、バスモスの測定企業の平均になります。

左が教育訓練前、右が教育訓練後の結果です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休日、給与、賞与といった待遇面の向上はなく、教育訓練を実施だけが違いだけです。

実際にこれだけ顕著に差が出ることはすべてではないのですが、中小企業において継続的な教育訓練を実施することはとても大切であるという根拠にはなると思っております。

何をするにしても、従業員のモチベーションが上がらないと難しい。

まずは、現場リーダー全体の教育訓練を実施することで、モチベーションも上がるとともに、そこで実施した教育訓練の内容は、現場リーダー全員に受けていただいているので、その企業の共通言語となります。

実は、QC7つ道具などの現場改善ツールの共通言語化も現場改善や生産技術の専任者を育成するためにとても大事なことになります。

なぜならば、最初にも記載いたしましたが、現場改善や生産技術の仕事は、経営者の方が重視されないことが少なくありません。ただし、製造業にとって継続的に現場改善や生産性を向上させる取り組みはとても重要です。その中で、現場リーダーの方が、現場改善や生産技術の専任者が何をしているのか理解しているかしていないかではその結果やその継続性に大きな影響を与えるからです。

 

弊社が実施している現場リーダーを対象とする教育訓練の内容については、別の記事で説明したいと思います。

 

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、現場改善の相談も受けております。毎週土曜日は相談を受け付けております。遠方の方を対象に最近はスカイプで初期相談もしておりますので、お気軽に問い合わせください。

https://g-keiei.com/

 

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石川県・富山県の製造業の支援実績は、250社以上。 原価改善やラインバランス分析等を得意とする。 最近は、生産現場社員を巻き込んで、現場改善手法を社内に定着させる活動も実施している。