中小企業診断士の西井克己です。
今日も前回に引き続き、中小企業におけるお客様に安心して任せていただけるための品質管理体制について記事にしてみたいと思います。
私が提案している項目は、以下の14の項目であることが多いです。
1 製品リスト
2 QC工程表
3 作業標準
4 原料受け入れ
5 始業点検記録
6 保全記録
7 検査記録
8 計測記録校正
9 在庫記録
10出荷記録
11不良記録
12クレーム対策書
13教育記録
14スキル管理表
前々回はQC工程表について記載いたしました。
前回は、不良記録及びクレーム対策書について記載いたしました。
今回は、教育訓練記録について記載したいと思います。
皆さんの会社では教育訓練記録をつけていらっしゃいますか?
ほとんどの会社がつけていないと回答されると思います。
教育訓練記録は、外部で受けた教育研修と、内部のOJTをその人ごとに記録を取っていくことになります。
例としては、
西井克己 入社年月日 ○○年○○月○○日
実施年月日 | 教育訓練内容 | 評価 |
2018年1月26日 | 社会貢献教育ファシリテータ研修
日本ファンドレイジング協会 |
2019年社会貢献教育ファシリテータ研修修了証授与 |
2015年1月24日 | 組織開発基礎講座
ODNJ |
士業としての必須研修 |
とこんな形になります。
これが最低限度の記載内容とし、会社毎にカスタマイズすることだ大事だと思います。
なぜ教育訓練記録をつくらなければいけないのか?
なんでこんなめんどくさい記録をつくらなければならないのか?
私はわかっているのに何の役に立つの?
記録を作りましょうというと必ず出てくる反対意見です。
結論からすると、教育を受けた人にとっては、受けた教育自身は役に立ちますが、教育記録そのものは役に立たないと思います。
じゃあ誰のためにということになると、自分以外の人のためということになります。
たとえば、新卒で会社に入って仕事がよくできるな、あんな人になりたいなと思う人に巡り合うことは少なくありません。
そんな時には、どんな風にしたらあんなふうになれるのか知りたいということになります。
新卒からOJTやOFFJTを含めてどのような教育を受けてきたのか記録があれば、新人にとっては1つの道しるべになるでしょう。
また、その人が自ら受けたいと思った教育と会社が受けてほしいと思って受けた教育を分けることができれば、もっと良い記録となるでしょう。
記録は、その人にとってはどうでもいいことかもしれませんが、周りの人特に後輩や次世代の人にとっては有効に働くことでしょう。
教育を受けた時の報告書は必要?
教育訓練の記録を出してくださいというと報告書を提示して下さることが多いです。日時や場所や学んだ内容や感想などが記載され、本人や上長の判子が押されていることがほとんどです。
これはこれで有効ではあるのですが、私自身は何のためにということが大事だと思っています。
例えば、教育訓練の記録のためということであれば、例示した個人別の教育訓練記録で十分だと思います。
教育の内容を、教育を受けていない方に対して共有したいということであるならば、良かったことだけではなく悪かったことも記載するほうが良いでしょう。
その方が、受けようか受けないでおこうか迷っている人にとっては有効に働くでしょう。
報告書は、何のためにということが大事で、単純に教育を受けた記録であれば、報告書までは必要ないと思います。
ちゃんと受けてくるために報告書を提出するという企業もありますが、それは本末転倒で、自分は活きたくないのに行かされた研修はどんなことをしてもあまり有効にはたらきません。受講する前になぜこの教育をしなければいけないのかその方とよく話し合うことが大事でしょう。
教育を受けてもやめてしまってはその投資が無駄になる?
社員に教育訓練を受けさせる会社はとても素晴らしいと思います。
教育なんかする暇があれば1個でも製品をつくれ。
中小企業はそんな会社が多いですが、社員への投資を惜しまない会社はやっぱり優秀な社員が多いです。
私も、社員がやめてしまったときは投資が無駄になったと考えたこともありましたが、社員が自主的にいく研修は、わが社にとっては役に立たなかったかもしれませんが、その人にとってそして世によっては有効な投資であったと考えるようになっています。
会社にいてもいなくても、その受けた教育の成果を次世代に送ってくれさえすればいいのではないか?そう思っております。
中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、現場改善の相談も受けております。毎週土曜日は相談を受け付けております。遠方の方を対象に最近はスカイプで初期相談もしておりますので、お気軽に問い合わせください。
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