中小企業診断士の西井克己です
ライン作業とは、材料から完成まで一貫して作業をすすめていく方法で、この場合、個々の工程や作業時間に差があれば全体の効率は悪くなってしまいます。
ライン作業をしているときには、ラインバランスを整えることが大事なのですが、実際の製造現場に入るとラインバランスを測定したことがないということが少なくありません(むしろ測定している方が少ない)。
ライン生産しているときには、ラインバランス分析はとても有効なのにやっていないことが多い。
1人でも多くの方に、ラインバランス分析をしてほしいそんな思いで、今日はラインバランス分析について記事にしたいと思います。
この記事は
1ラインバランス分析とは
2ラインバランス分析の実行方法
3ラインバランス分析は動画を取るさらに効率化します。
の流れとなっております。
宜しくお願いします。
1ラインバランス分析とは
ラインバランシングはJISで定義されており、
ラインバランシングとは、「生産ラインの各作業ステーションに割り付ける作業量を均等化する方法」とあります。
即ち、理想論では、生産ラインの各作業ステーションに割り付ける作業量を均等化できているはずなのですが、実際はそういうわけにはいきません。
例えば4工程あるラインを分析するときには1つの工程に要している時間を測定します。
測定した結果以下の通りとなりました。
最大が45秒で、最小が25秒。則ち作業量を均等化されていると以下の斜線部分がない状態になります。
しかし、実際は存在するのです。この斜線部分を以下になくしていくのか(すなわち作業量を均等化していくのか)が改善ポイントとなります。
2ラインバランス分析の実行方法
2-1 ライン全体の概要把握
それでは実際にラインバランス分析を実施するときには、まずは以下のように、ライン全体の人数とやっている作業内容を把握する表を作ります。
これらは事前にヒアリングによって把握できるところもあると思います。
特にやっている作業などは、QC工程表などで把握するといいと思います。現地に行ってその確認をするという位置づけでもいいと思います。
2-2 時間測定
ストップウォッチで60秒当たりの生産本数(生産個数)を工程毎に把握します。
(またその時のハンドタイム:手作業に要している時間を記録しておくといいと思います)
これらの結果を縦軸に1個を製造するために要した時間、横軸に工程を表すとラインバランスがわかるようになります。
3ラインバランス分析は動画を取るさらに効率化します。
このような方法で、ラインバランスを分析するのですが。
以前はストップウォッチをもって現場に入り、1つ1つの工程を計っていたのですが、最近は、製造現場に入るときにはストップウォッチではなく、カメラを持ち込んで撮影しています。
動画は1コマ1分30秒で撮影していますので、その動画を見て、60秒間でどれだけの個数を生産しているかカウントし、以下のように記録します。
こうすることで、カウントミスがなくなりますし、あとでこれをみたかったというのも、動画を取っておくと、記録に残っていれば見ることができます。
最終的にはこんな感じで、データが取れるようになります。
動画撮影の手順等は、以前の記事
生産現場の動画撮影 事前準備から動画撮影までのチェック項目をまとめてみました
をご覧いらだけると幸いです。
これらを把握した後にイクルス等で改善しもう一度ラインバランスを見てみる。
この繰り返しを行うことで改善効果を目で見てわかるようになります。
中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、現場改善の相談も受けております。毎週土曜日は相談を受け付けております。遠方の方を対象に最近はスカイプで初期相談もしておりますので、お気軽に問い合わせください。