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リーダー育成 現場改善

自分のやっている仕事をなぜしなければいけないか理解しよう

中小企業診断士の西井克己です。

新入社員として入った時には、作業を覚えるだけで精一杯だったのに、ようやく周りが見えるようになった。

人に聞かなくても、与えられた仕事はなんとなく自分で対応できるようになった。

人によって時間差はあると思いますが、仕事を始めて数年たつとある程度のことができるようになっていると思います。

3~5年、自分の中で精一杯やってそのレベルにまで達しておらず、その仕事を好きになれないようであれば、職業選択をもう一度検討してみるのもいいと思います。

新渡戸稲造著 修養 角川ソフィア文庫 第三章 一職業選択の第一標準

にはこのように書かれています。

「職業が人によって異同あるべき事は言うまでもないが、その選択の標準は概言すれば極めて簡単である。いわく青年自身の性質と嗜好に従って決せよと。すなわち嫌な職業を選択すれば、いつまでもその職業に趣味を感じつ事が出来ず、またたとえ勉強しても、その目的を達することは容易ではない。」

今回の記事は、ある程度その与えられた仕事ができるようになったという前提条件でこれから書いてみたいと思います。

この記事は

1 自分のやっている仕事がなぜそれをしなければいけないのか理由を考えてみましょう

2 やっている作業の理由を考えることができる職場づくりのために

の構成になっております。

宜しくお願い申し上げます。

 

 

1 自分のやっている仕事がなぜそれをしなければいけないのか理由を考えてみましょう

ある程度与えられた作業ができるようになった。

そこから、作業を作業だけで終わらせる方と作業を作業で終わらせずに応用展開のできる方と大きく二通りに分かれます。

その差はどこから来るのでしょうか?

そこは、自分自身のやっている作業がなぜそれをしているのか仕事の背景や理由を理解しようとして仕事をしているのかそうでないのかで差が出るのではないでしょうか?

私は、新卒で化学会社に入り最初の1年間はプラントの現場員として仕事に従事していました。

現場には当然にいろいろな考え方やいろいろな背景の方がいらっしゃったのを覚えています。

プラントの中では化学反応をして化学製品を作っていますが、先輩社員の中でその作業をなぜしなければいけないのか考えようとしている方と自分たちは言われたことだけやればいいんだという方とに分かれていたように思います。

例えば液面をこの水準に保たなければならないという指示があり、そのためにバルブ等を調整する作業があります。

当然にそれは、化学的にはなぜしなければいけないのか理由はあるのですが、現場では液面を一定の水準で維持すればいいのです。

現場の中でも、なぜ液面を維持しなければならないのか聞いてくださる方もいらっしゃれば、そんなことは我々が考えるのではなく上司や研究開発の人間が考えることであるいう方もいらっしゃいました。

自分のやっていることが何のためにやっているかその理由や背景を知っている方は、その工程でトラブルになっても因果関係を理解しているので、トラブルの対応ができることが多いです。しかしそうでない方は、それは自分の仕事の範囲ではないとトラブルを報告するだけになります。

私は、作業だけする人も背景を考える方もその会社にとっては大事な社員です。

ただし、会社としては、背景を考えられるような環境を整えて、それで社員自身に選択できるそんな状況になればいいのではないかと思っています。

 

2 やっている作業の理由を考えることができる職場づくりのために

部下や新入社員に今やっている作業はなぜ必要なのか考えなさい。といってもなかなか考えることができません。

それをする前に、会社の社長や幹部が自分のやっていることの理由が考えられているか振り返ってみましょう。

そして理由は当然に理解しているという結論に達した場合は、その考えていることを伝えるためにどれだけの時間を確保しているか集計してみましょう。

恐らく、自分がなぜその作業をしているのか理由まで伝えている時間が足りない(むしろほとんどない)のではないでしょうか?

身近な話題で5Sを例にすると

5Sをやろうという。まずは上司が背中をみせなければいけないと自分が率先して5Sをしている。でも周りはついてこない。

なぜ5Sをしなければならないのか?自分なりの解釈を伝えているのでしょうか?

5Sは仕事の効率化も理由の1つだと思うのですが、もの1つ1つを大切にしたり、1つ1つに向き合うことでその人の人格を高めるためである。

今は気づかないかもしれないが社員みんなの人格を高めるための手段として5Sを実施している。

朝のあいさつを例にすると

朝のあいさつして、返し方を観察することで、その方の体調や気分を把握している。相手の反応を見るための手段として使っているので自分は、どのような状態であろうがいつも同じようにあいさつすることを心がけているなど。

最初は、直接仕事のことでなくてもいいかもしれません。

それを上司がちゃんとしていることを部下が理解すれば、少なくともやっている作業の理由を考えることができる職場づくりの第一歩を踏み出したと言えるでしょう。

 

 

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、現場改善の相談も受けております。毎週土曜日は相談を受け付けております。遠方の方を対象に最近はスカイプで初期相談もしておりますので、お気軽に問い合わせください。

https://g-keiei.com/

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石川県・富山県の製造業の支援実績は、250社以上。 原価改善やラインバランス分析等を得意とする。 最近は、生産現場社員を巻き込んで、現場改善手法を社内に定着させる活動も実施している。