中小企業診断士の西井克己です。
現場の作業で、作業者によって早い人と遅い人がいる。
ベテランさんは早いのに、新人は遅い。
ベテランさんに教えてと言っても、見ればわかると言って教えてくれない・・・。
結果、まじめな新人はついていけないと言って辞めてしまう。残っているのは、上司から見ると向上心のない現状で満足している人ばかり・・・。
現場を預かる人にとって、こういった現場は結構悩ましいものです。
具体的な改善策が欲しい。そんな感じて相談に来られるケースも少なくはありません。
この時の改善提案の1つに本日のテーマである作業を動画で撮影して社員勉強会を開催があります。
その流れは、
1 管理者が動画撮影の目的と現場に説明する
2 撮影する作業を決める(できたらみんなで決める)
3 撮影する
4 撮影した動画を確認する
5 撮影した動画をみんなで見る(昼休憩の後の時間30分ぐらいを活用して)
となります。
1 管理者が動画撮影の目的と現場に説明する
動画撮影を何のためにするのか?この目的をしっかりと伝えることが大事です。
朝礼でもいいですし、1人1人に口頭で伝えることもいいです。
○月○日××時に動画撮影するからよろしくといった業務連絡だけでその背景を伝えられないことが多いです。
このため、業務連絡になるような場合は、撮影する作業をみんなで決める場を設けたほうがいいと思います。
この場合は、○月○日××時にどんな動画を撮影するのか話し合いをするので集まってほしい。と言うだけでOKです。
2 撮影する作業を決める(できたらみんなで決める)
どんな作業を撮影したほうがいいのか?
ポイントはできればみんなで話し合って決めるということです。
撮影目的を説明できずに集まっていただいた場合は、冒頭に何のために撮影するということを説明した後に、どの作業を撮影するのか決めればいいと思います。
作業自体は1カット2分で1人当たり2カット取ることを推奨しております。
このため、繰り返しの作業で、人によって時間や品質にばらつきがある作業が動画を見た時にわかりやすいです。
普段やっている人だけではなく、普段その作業をやっていない人、例えば管理者の方やその作業の川上工程の人や川下工程の人も撮影されるメンバーに加えるととっても盛り上がります(普段やっていない人でも時間をかけてやればなんとかできる作業を選定することが望ましいです)。
3 撮影する
撮影は1カット2分で1人当たり2カット取ります。
撮影する者は、ビデオカメラでも通常のカメラの動画機能でも、スマホでも構いません。
以下の画像のように2方向からとると後からどちらの方が見やすいか選択できるので我々は推奨しております。
撮影のポイントは、過去の記事
(生産現場の動画撮影 事前準備から動画撮影までのチェック項目をまとめてみましたの4-2 工程毎撮影の撮影時の注意点)
をご覧いただけると幸いです。
4 撮影した動画を確認する
撮影した動画は、一旦管理者が確認して、30分ぐらいで見ることができるように編集するといいと思います。
編集と言っても、
4-1 カメラ1、カメラ2 どの確度で取った動画を採用するか決める。
4-2 人毎にカット1とカット2どちらを採用するか決める。
4-3 動画ファイルに名前を付けて保存する 例えば 20200320_○○検査_西井(西暦月日_作業名_名前)
4-4 DVDやSDカードに保存する(動画撮影会でわかるように)
5 撮影した動画をみんなで見る(昼休憩の後の時間30分ぐらいを活用して)
準備 プロジェクターやテレビ等があればHDMI等でパソコンでつないでみることができ来ますので、会社の中で見やすい環境と整えてください。
5-1 最初に管理者が撮影に協力してくれたことに感謝の言葉を述べる
5-2 1名ずつの動画を流します。2分×人数ですので最大8人ぐらいで見る
動画の中で少し(10秒ぐらい)自分がポイントと思うところを述べてもいいと思います(動画を流しながら)。
5-3 1人1分で参加者で感想を1名ずつ述べていただく
時間があれば、全体で対話する。
5-4 時間厳守で30分経過したらそこで対話を打ち切り、最後に管理者が一言述べる
30分で終わらせることがポイントですので、人数が多いところは、チーム分けも重要になりますので、管理者の皆様の知恵が必要となります。
中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、現場改善の相談も受けております。毎週土曜日は相談を受け付けております。遠方の方を対象に最近はスカイプやZoom等で初期相談もしておりますので、お気軽に問い合わせください。