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石川県白山市・旧鶴来町のものづくり企業のご紹介
石川県は製造業が盛んな地域です
石川県は、日本列島のほぼ中央に位置し、三大都市圏のいずれとも近接(列車で片道2時間程度)するという地理的優位性を持ちながら、地価やエネルギーコストが相対的に低い地域です。
そのためか、域内総生産に占める製造業比率が全国より高く、またニッチ分野で存在感を示す活力ある中小企業が多数存在しており、例えば生産用機械器具関連企業や、繊維関連企業などが多数集積しています。
輪島塗を始めとした数々の伝統工芸品を育んだ地域でもあり、最先端と伝統のものづくりが多様に共存するのが特徴と言えます。
働く人に目を向けると、「加賀一向一揆」に代表されるように、石川県民には古くから仏教的な考え方が浸透しており、まじめで厳格な気質があると言われます。
勤勉で粘り強い人が多く、地道で絶え間ない改善が要求される製造業の現場を支えています。
県民もまた製造業に支えられ、女性の就業率が高く共働き世帯の割合が高いことなどを背景に、1世帯当たりの年間収入・可処分所得額が比較的高い水準にあります。
東洋経済新報社が発表している「47都道府県幸福度ランキング(2018年版)」では石川県は4位にランクインしていますが、その要因は生活の面だけでなく、仕事の面の寄与が大きいようです。
石川県が「住み良い県」であることは、製造業が盛んという産業構造に由来しているのかもしれません。
白山市・旧鶴来町の概要と歴史
白山市・旧鶴来町(つるぎまち)は、石川県のやや南、金沢市から車で1時間弱ほどに位置する町です。
古くは「剣」と呼ばれる地域でしたが、寛永年間(1624~44)に「鶴来」に改め、延宝2年(1674)に「剣」に戻り、元禄15年(1702)に再び「鶴来」と改められました。
近代において、2005年までは石川県石川郡に属する町でしたが、同年石川郡を構成する町村及び隣接する松任市と合併し、「白山市」となりました。
鶴来は、古来から「霊峰白山」への信仰が厚く、「加賀一ノ宮・白山比咩神社」や「金剣宮」などの門前町として繁栄した地域です。
戦国時代から、白山比咩神社の門前町は物資の集積地として、金剣宮の門前町は市場町として、市街地の原形を形成し、加賀地方の中心として栄えていきました。
林業に由来する桐箪笥や加賀獅子頭などの家具・木工芸、白山・手取川の清水を活かした酒・酢・醤油・味噌の醸造業など、今日に生きる鶴来特有の産業が育まれてきました。
「野鍛冶」の精神が活き続ける「ものづくりの街・鶴来」
戦国時代以降は、農業や林業が盛んであったことから刃物鍛冶が栄え、農耕用の鍬(くわ)や鋤(すき)、山林用の鉈(なた)や鎌(かま)、家庭用包丁まで幅広い製品がつくられていました。
江戸時代には、加賀藩の御用鍛治を務めた刀工「一鉄」を生んだように、鶴来は高い技術力に支えられた刃物の産地として名を馳せました。
多くは「野鍛冶」と呼ばれ、その字が示すように屋外において暮らしの中の道具を小規模ながら幅広く手掛けるスタイルを採っていたようです。
野鍛冶は一見硬派な職人気質の職業に見えますが、実は「柔軟性」という特徴も有しており、それは多彩な道具を使う人に合わせてオーダーメイドで制作しながら、修理まで引き受けてきたことからも裏付けられます。
近代以降、農業の機械化や大量生産で低価格の規格品の台頭などによって、鶴来の野鍛冶は減少の一途を辿りましたが、その「剛と柔を併せ持つ精神」は近代的な製造業の中でも活き続けています。
鶴来商工会では、そんな「ものづくりの街・鶴来」の製造業の強みやこだわりを紹介し、その魅力を全国の皆様に発信していきます。